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| 順位 | 偏差値 | ファン登録数 |
|---|---|---|
| 17位 | 偏差値56.08 | 2 |
| 国別 | 評価平均 | 平均偏差値 | 評価有作品数計 | 評価数計(コメント除く) | 閲覧数計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | とても良い | 72.13 | 12 | 242 | 96,316 |
| ID | 分類 | タイトル | 評価 | ポイント | 偏差値 | 評価数 | 役割 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 小説 | くらのかみ | 良い(1.00) | 1.00 | 47.88 | 1 | 著者 |
| 2 | 小説 | 黒祠の島 | 良い(0.78) | 7.02 | 51.43 | 9 | 著者 |
| 3 | アニメ | ゴーストハント | 良い(0.55) | 11.00 | 48.61 | 20 | 原作 |
| 4 | 漫画 | ゴーストハント | とても良い(4.00) | 28.01 | 54.79 | 7 | 原作 |
| 5 | 小説 | 屍鬼 | とても良い(1.57) | 21.98 | 60.23 | 14 | 作者 |
| 6 | 漫画 | 屍鬼 | 最高(3.00) | 3.00 | 49.15 | 1 | 原作 |
| 7 | アニメ | 十二国記 | とても良い(2.19) | 293.18 | 82.29 | 134 | 原作 |
| 8 | 小説 | 十二国記 | とても良い(8.58) | 368.92 | 264.36 | 43 | 著者 |
| 9 | 小説 | 過ぎる十七の春 | 最高(3.00) | 6.00 | 50.83 | 2 | 著者 |
| 10 | 小説 | 東亰異聞 | とても良い(2.17) | 13.02 | 54.96 | 6 | 作者 |
| 11 | 小説 | 魔性の子 | とても良い(2.00) | 6.00 | 50.83 | 3 | 著者 |
| 12 | 小説 | 緑の我が家(Home,Green Home) | 最高(2.50) | 5.00 | 50.24 | 2 | 著者 |
小野さんの作品はどれも素晴らしいが、特に「十二国記」は革命的。
これを読んで、あらゆる物の見方が変わったような気がするくらいすごい本でした。
秀逸な文面には、かなり驚かされました。
「好きな小説家は誰ですか?」と聞かれたら真っ先に浮かぶのは小野不由美さんしか居ないと思います。
それぐらい衝撃的で、大好きな小説家なんです。
小野不由美さんをはじめて知ったのは、恥ずかしながら、アニメ化された「十二国記」を見てからです。
それからは怒涛のごとく、小野作品を貪り読みました。
それ以前に、NHKの「週刊ブックレビュー」で、小野不由美特集がやっていたのを、
何気に見ていた記憶があります。
出演者の方々の口調が、何やらひどく熱いなという感想は持ちました。
・
今でも覚えているのは、
「この小説は、まさに小説・・・・・・小さい説教と書いて小説なんです!」という台詞と、
「小野不由美という名前も、独特ですよね。芸名みたいですね、本名 ?
この、小野・・・「不」ってところが、よりによって、
ならず、あらず、否定を意味する「不」であることが、この人らしいよね。
作品にあってるよね。(←うろ覚え)」
と、作者のベールをひっぺがさんばかりの、出演者の熱い語りが印象的でした。
・
・
ストーリーの巧さ、言葉の扱いの巧さ、
・・・「言葉の匠」と呼びたい。
一言で言って天才だと思います。
「言葉の職人芸」の域というか、ただ美しい。
物語自体が、長大な一遍の詩のようだ。
強い倫理性と道徳観が、やや硬いと感じるところもあるのですが。
・
つまらない映画にかけるお金と労力を、小野不由美さんの作品を実写化するのに注いでくれたら、
さぞかしクオリティの高い作品がうまれるだろーに・・・・
などと、考えることがあります。
できることなら、小野不由美、『解体新書』したい。
ミステリー系の人だけど、小野さんは、
人間の、世界のミステリーを解こうとして、作品を書いているように見える。
・
・
人の最も弱い部分、最も業の深い部分に寄り添って、人間、
世界の深淵を筆致しようとする、求道的な視線を感じます。
残酷で、救いのない闇が描かれる。
その闇は「人間」。
人間が生み出し、作り上げている「現実」。
でもたぶん、物語より、リアルの現実のほうが、もっとずっと残酷。
・
・
救いのない闇を描き、そのなかで、真に人間の光となるものは何か、
真に人間の救いとなるものは何か、安易な答えを出さず、模索していく。
闇の底の底で、ほんのわずかの、誰かの言葉、気遣いが、ものすごく身にしみる。
登場人物と一緒に、涙が出る。
救いのない闇を生み出すのも人間なら、その闇を照らす光を生むものも、人間。
闇と絶望と、死の深淵を描くからこそ、闇に届く光、命のかけがえのなさも描ける。
・
ほんのわずかの気遣い、人を思いやる心、簡単なことで、
でも、簡単に失われてもしまうもの。
リアルの現実の中にはない、物語の中でしか描けない、心の光。
リアルの救いのなさを、本当に知っているからこそ、
小野氏は物語の中でも、安易な救いの安売りはしない。
・
闇と死の、ぎりぎりのところで、辛うじて、見つけられるかもしれないし、
見つけられないままかもしれない、一筋の光。
でも、縋り付くための救いは描かない。
だからこそ、とても、人間の心のリアルに近いところにある物語。
・
最後まで救われない人の方が多い。
それは物語でも、リアルでも。
小野氏の登場人物たちは、現実の私たちと同様に、
光と闇の心の闘いを、死を賭して闘っている。
・
小野さんの描くホラーとは、幽霊よりも、
生きている人間よりも、人間の心の蒙昧の闇だ。
心底、自分自身にひそむ闇にぞくりとさせられて、それで気づく。
私も、人も、人間の誰しもが持っている、人間の、呪いのような業のような闇に、
いつの間にか侵食されているのかもしれないし、
いつ侵食されていても、おかしくないのだと。
だからこそ、絶えず、自己批判を恐れず、
分析の光を当てていかなければならないのだと。
・
小野氏の作品に象徴されるイメージは、闇と海。
私が、小野氏の作品の中で一番好きな、十二国記の「乗月」という作品に、
月に乗じて、 暁を待つ
という台詞がありますが、小野氏の作品は、
人間の魂の闇の海を照らす、月の光のような作品だと思う。
・
人の心の弱さとずるさと、闇の深さ。
まるで、夜の海のように。
そして、闇を祓う太陽ではなく、夜の海を見つめる月のように、
闇があって初めて輝く月のように、
小野氏の作品は、闇の存在を認め、闇に闇としての言葉を与え、闇に語らせる。
誰にも聞こえない祈りのように。
・
・
小野さんの描く傑物、女性が好きです。
ヒステリックにならない。
自己批判と、懐疑精神を見失わない。
というか、自分を見失うことの恐さ、
を知っていることに裏打ちされた、自戒、抑制を持っている。
ちゃきちゃきしてて、男性的な論理思考と同時に、
女性的なたおやかさとしなやかな強さを持ってる。
・
・
ミステリー作家の綾辻氏との「書類なき婚姻」とかすごくらしくて、すごいと思った。
結婚というもの、人間関係というものを、根本から見つめなおしてる人だ。
過去から、意識化では今でも、
日本の中枢であり続ける古都京都にお住まいの人だということで、
自己批判としての「日本人」を考えているように思える人なので、
何か、それも、作品世界の精神性を具現化したみたいな人だと思う。
・
京都は「水の都」とも呼ばれているようで、
小野作品を流れる水の気配とも重なる。
またメディアに出ない人なので、
私の中で伝説化されていきそうな気がする・・・。
・
それにしても「不」って・・・・
ペンネームなのか、本名なのかっっ!! て、
かつて傍から見ていたアツく小野作品を語るかつての大人に今、自分がなっているという現状・・・・・。
芸名だとしたら、すごいセンスだ。
・
・
「緑の我が家」のあとがきで、
「自分でも悔いのある作品は、消えてもどうってことないといいますか、
むしろ穴を掘って埋めたい心地がしますので、
それはそれでかまわないのですけど、
この二作は我ながらこだわりのある作品だったので、
消えてしまったことが、個人的に寂しかったりしたのでした。」
という言葉を読んで、このご時世、職人気質な、
プロな姿勢を持っている人がいたということがなんか、すごく嬉しかったです。
・
・
全ての読み手の反応が見えない分、自己満足に堕さず、
自己否定も厭わないほど自分が自分に一番厳しい評価者であろうとする。
客観的に、徹底して、作品の完成度に執着する。
そのプロフェッショナルな姿勢が、とても嬉しかった。
まだ、物語りも、捨てたものではないのだなと。
まだ、語り手も、捨てたものではないのだなと。
・
・
「ゲームマシンはデイジーデイジーの歌を歌うか」
小野さん最初にして最後のエッセイの中で、
阪神淡路大震災にあわれたときの様子を書かれていました。
小野不由美といえども、やはり、パニックじみた様子を見せるかと思いきや。
普段、普通に、ゲームを楽しめる日常が、どれほどかけがえのないものか。
というようなことが書かれていて、
ああ、こういう視点を持つ作家だからファンなのかな、と思いました。
・
「ゲドを読む」の中で、中村うさぎさんが、
「言霊を宿すことができなければ、それは魂のない上っ面の写経である。
魔法の力を持たない空っぽの呪文である。
目に見えるものだけを追いかけていると、物事の本質を見失ってしまう。
わかり易い物語や口当たりのいい言葉だけを享受していると、
メタファーという深遠な智慧(隠されたメッセージ)を汲み取る能力を失ってしまう。
・
ゲド戦記が優れた作品である所以は、それが言霊の宝庫だからだ。
言霊は、読む者ひとりひとりの魂の奥に届き、その魂を、内側から輝かせる力を持つ。
でも、ル・グィンの言霊を受け継ぐ魔法使いは、
残念ながら、まだ出現していないように思える。」
・
と書いていたけど、私は、
そのル・グィンの言霊を受け継ぐ者は、小野不由美さんではないかと思う。
小野さんの作品は、私の魂の闇を照らした、月光の物語りだ。
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