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原爆下のアメリカ


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1. 2010/06/15 「原爆下のアメリカ」 分類: B級映画
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当レビューはラストまで詳細な描写を記載しています。
閲覧される方は自己責任で了承した上でご覧ください。
尚、ラストは隠してありますがカーソル反転させると読めます。

今回の作品のレビューは気を使いました。製作年は反共運動が沸騰していた1952年。

酒場のテレビから、アラスカに敵機が襲来したニュースが流れ、暗い知らせに客達はご機嫌斜め。
店内に入ってきた「記者」の話によれば、現在のアメリカは軍備増強政策が著しく、
少しでも軍需の可能性がある業種は全て兵器工場と化しているようです。
トラクター工場の「社長」や、同伴の「女性」の話を聞いた「議員」は、
「共産主義は滅亡すべき、戦争は反対」と大物気取りで持論を展開し、
グラスをくゆらす「気象予報士」は「誰もが強いアメリカを望むが自分は免除されたいと思っている」と皮肉な意見を披露。
…どんな見解も、とにかく共産主義はダメという部分だけは共通しているようです。

そんな中、緊急放送が入り、アラスカで敵機500機(!!!!)が捕捉されたとの事。
敵編隊は宣戦布告なしにアラスカに大量の降下部隊を展開させ、民間空港には敵輸送機が強行着陸。
敵の電撃作戦にどうにか対抗する米軍ですが、問題は敵がどこに原爆を使うかです。
…当時の考えはともかく、東側某大国が勝手に潰れるまで全面核戦争など起きなかった事は周知の事実。

そしてついに敵は原爆を使用し、核の炎が自由と正義の大地に炸裂。
使用された原爆は3発に上り、大統領はこの卑怯な攻撃に罰を受けさせると宣言し、
数百機の爆撃機が敵国へ飛び立ち、どの国も経験した事のない破壊力で報復する、と勝利宣言。
…当時の東側某大国でも、アメリカが卑怯な不意打ちを仕掛けてきた、という反西側映画が作られたのかな?

アメリカ太平洋艦隊も出撃し無数の戦闘機を発進させて、敵編隊と激烈なドッグファイトが繰り広げられます。
大統領は「敵軍の侵攻は地球を征服するまで止まらない」と演説し、
このニュースに酒場の面々は、卑怯な敵軍をひたすら罵倒。
軍の奮闘も空しく、敵軍は更に大量の落下傘部隊を降下させ、アメリカ各地を虫食いのように侵略し始め、
ワシントン州やセントルイスで、また原爆が使用されたとか事態は悲惨の一途。
…この作品は反共思想を煽りたてる目的なのか、物凄い皮肉を込めて製作されたのか、まぁ前者でしょうけど…

太平洋造船所が原爆で破壊され、2万〜5万の死者が出た知らせに酒場の客達は不安げな表情。
都市部の人々は一斉に避難を始めますが、鉄道はいずれも休止。
理由はどれも原爆で破壊されたせい…って、一体今までに何発の原爆が投下されたんですか?
西海岸の空軍基地を壊滅させた敵はサンフランシスコを猛爆し、原爆こそ使われなかったものの町は壊滅状態に。
…合衆国崩壊を前にした「記者」と「妻」のやり取りも流れますが割愛させていただきます。

軍部は敵国の最大原爆工場を原爆4発を見舞って破壊し、これによる敵軍の人的損害は5万人。
しかし、アメリカ各地を制圧しつつある敵部隊は民間の工場を接収し24時間体制で軍備増強を図り、
敵軍の要請を拒絶した「社長」は射殺されてしまいます。
サンフランシスコは陥落して敵軍の強力な橋頭保となり、北カリフォルニアの陸軍基地は原爆で全滅。
防衛線はロッキー山脈まで後退し、大統領は戦況が非常に不利な事を伝えますが、
イギリスとフランスが敵国に宣戦布告した事や、敵が原爆1発落す間に米軍は3発落している事を力説し、
備蓄する原爆を全て投入して敵国を二度と侵略させないくらい痛めつけると大演説。
そしてその声に応えるかのように、最前線の軍隊は猛反撃。
…撃墜される敵機はプロペラ機に無理矢理ジェット音を被せています。第二次大戦時の記録フィルムですね。

「妻」は血液病院で看護婦として働き「記者」は献血で軍に貢献。
しかし、陸上兵器=戦車が絶対的に不足している状況は深刻で、敵軍はダム破壊にまた原爆を使用。
…もうやめぃ…

決壊したダムから溢れた水により周囲は激流に飲み込まれて、必死に逃げる地元家族も濁流の底に。
で、ニュースキャスターは、敵軍が投入した核魚雷により太平洋艦隊が大打撃を受けるとか、
攻撃を受けた穀物業者が自らの倉庫に放火して食糧を奪われるのを阻止しただとか、
制圧されそうになった燃料工場が自爆して燃料を奪われるのを阻止しただとか、
鉄道職員が列車を故意に脱線させて敵の補給路になるのを阻止しただとか、まぁ色々報道して、
どれも国民が戦費縮小を望んだ結果だと締めくくります。
…結局それが言いたかったんですか?

軍に志願する「記者」は陸海空軍のいずれもはねられてしまいますが、それはさておき、
敵軍はついにNYに侵攻開始し「記者」と「妻」は2人で最後の時を待ちます。
必死の対空砲火も空しく、ついにNYで原爆が炸裂し、世界最大級の都市は炎に舐め尽されてしまいますが、
消防隊は懸命に消火作業に当たり、瓦礫の下で生き延びた「記者」と「妻」が抱き合い無事を喜び合います。
…原爆の直撃食らって無傷で生き延びられるんですか。アメリカ人は実に頑丈に出来ていますね。

NYの原爆投下で5万人以上が死亡し、敵軍は首都を制圧すべく米兵の軍服を着せた兵士の降下作戦を発動。
司令部は敵軍の次の目標が東海岸だと推測し残存部隊を集結させますが、これは決定的な読み違いで、
敵の主力は何の抵抗も受けないままホワイトハウス上空に無数の落下傘部隊を降下させてしまいます。
議会では「議員」が挙国一致体制の全面支持を声高く主張しているのですが、
敵の制圧部隊はすぐそこに迫って来ていて議論している場合ではありません。
知らせを聞いた議員達は慌てて逃げ出すのですが、敵兵に全員射殺されて政府機能は完全に崩壊。
…敵国には米国に落された3倍もの原爆が投下されたはずですが、随分と大兵力を抱えているんですね。

司令部では、議会で軍の予算が削られた事で敵の侵略を許してしまったと嘆き節ですが、
各地の州知事から「降伏しなければ原爆を落とされる」と降伏勧告を受けた、と連絡が入ってきてじり貧状態。
NYに侵攻してくる敵の制圧部隊を前に、スタジオに残った「記者」は全米の男はゲリラとして戦え、と呼び掛け、
タクシーで敵兵を轢き殺したドライバーや火炎瓶で敵を攻撃した学生や騎兵となった騎馬警官を大絶賛。
…話を作ったりしてはいません。本当にこんな事を言っています。

そして「記者」はビルに突入してきた敵兵に放送を止められ、直後流れてきたのは共産主義バリバリの宣撫放送。
連行されて戻って来た「記者」の家は2人の敵兵に略奪されますが、「記者」と「妻」は自分達以外に大切な者はない事を知ります。
しかし、2人は敵兵に絡まれ抵抗した「記者」は「妻」の前で射殺されてしまい、
敵兵に暴行されそうになった「妻」は飛び降り自殺し、いやぁ、これ以上ないバッドエンドでした。
…と思っていたら、今までの話は全部「気象予報士」の催眠術で、全員酒場のカウンターに座ったまま。
はい〜???????????????????????????????????????
そして「記者」をはじめ登場人物達は、国防のために軍に協力しなければと確認しあって店を出ていきます。
締めくくりに、ワシントンの名言「戦争に備える事は最も効果的に平和を守る方法だ」が流れてEND

全部「気象予報士」の妄想だったわけですが、現在のアメリカ人がこの作品を見たらどんな反応をするかなぁ…


次回予告
「若き勇者たち」
映画内のアメリカは、どうしてこんなに弱いのか…
ご期待下さい。

コメントする(論客以外もコメント可能記事)

H&J さんのコメント (2010/06/16) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
めたこ様
リクエストありがとうございます。
「チャンピオン鷹」は手持ちにないので、暫くお待ちください。
めたこ さんのコメント (2010/06/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
本題と関係なくてすみません。もしサッカーがらみのリクエストがありなら、『チャンピオン鷹』をリクエストします。
(もちろん無理じゃありません。可能なら、ということで)
余談ですがユン・ピョウ氏はいまカナダ在住なんですね。ウィキペディアで知りました。
H&J さんのコメント (2010/06/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
>十傑集様

コメントありがとうございます。
視聴後「実はあの国は基本的にMなんじゃないのかな?」と疑問を持ちました。
この作品を見た、あの国以外の人々は全員叫ぶでしょう。
お前が言うな!!!
H&J さんのコメント (2010/06/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
>634様
コメントありがとうございます。

60年前とはいえ、こんな作品を真面目に作っていた「あの国」は大丈夫か?と思えてきます。
当DBの禁止事項に抵触するので多くは言えませんが、
この作品を見たら「ラ○ィン」も「金○日」も大笑いでしょうね。

ワールドカップ便乗で「リトル・ストライカー」をやってみましたが「少林サッカー」もいいですね。
若干メジャータイトルですが、準備します。
十傑集 さんのコメント (2010/06/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
主人公と同様、製作スタッフも妄想の中に生きている人なんでしょうか…。
アホらし過ぎて怒りすら湧いてこないです。
634 さんのコメント (2010/06/15) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
『パールハーバー』以上に日本人が見たら、激怒しそうな内容ですね(ゴジラの二年前にこんなモン創ってたとは)。『世界大戦争』と比べるのは間違いでしょうけど・・・。

今はW杯なので、『少林サッカー』とか、サッカー関連のB級映画もレビューしていっては如何でしょうか?

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