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1. 2008/03/29 「厄介なものを起こしていきましたね」 分類: 論評
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初めての方、初めまして。覚えていらっしゃる方、十一ヵ月ぶりです。両道の帝です。       
おきゃん氏がライトノベルについて公平中立な所見を述べていらしたので、私もこの場を借りてライトノベルを語ってみることにします。長くなることが予想されます。なお、ここではイラストについては言及しません。  
私は電撃文庫に限定されますがライトノベルを約百冊読みました。この中に作家二十三人、絵師二十九人、タイトル三十作品が含まれます。私はこれらの蔵書に基づいてライトノベルを語りますが、その出版時期はほとんどが二○○三年から二○○六年に集中しておりますので御了承ください。           
    
文学と呼ばれるもの(ライトノベルに対する蔑視に思え気に入らない用法ですが)に「文章」、ライトノベルに「内容」、のように役割分担ができるものではないと思います。文章に技巧を施されたライトノベルも、数はそう多くありませんが存在します。心情の描写が秀逸な『イリヤの空、UFOの夏』は電撃文庫から出版されているためにライトノベルと呼ばれるのであって、これを旺文社文庫や小学館文庫から出しても人気を博したでしょう。       
また、電撃文庫は「電撃小説大賞」においてジャンルを不問としていますが、実際はSFやその他の「非日常」を扱ったものが多く出版されているようです。その中にあって、「重病の少女との恋愛」という使い古されているであろうテーマを描いて人気を博した『半分の月がのぼる空』のような作品もあります。内容の目新しさが命というわけではないということの好例でしょう。           
これは私の思い過ごしかもしれませんが、電撃文庫においては、それまで分散して存在していた「異能の少女との出会い」「怪物との戦闘」「異能の少女と主人公と凡人の少女の三角関係」といった「非日常」の要素の多くを『灼眼のシャナ』が貪欲にも独り占めし、さらにそれが売れてしまったため、その影響から逃れられず、結果「シャナもどき」となってしまう作品が増えたような気がします(『イリスの虹』など)。このような状況の中で他の作品と差をつけるには、文章に凝ることか、知識事項を盛り込むことぐらいしかないのではないのかと思います。    
ただ、文章に凝ると簡単には言いますが、文章のテンポは作品全体の雰囲気を大きく左右する、すなわち内容に干渉するだけの力を持っています。そして、「文学と称されるもの」でも同じ事が言えます。それならば、「文学」とライトノベルの違いとは何でしょうか。 
最近ではその違いもなくなってきてはいますが、明治・大正に書かれた作品と二十一世紀のライトノベルを比べてみると、仮名遣いや言い回しの違いを除けば、最も大きな相違点は「改行の多さ」だと思います。一文が短く、改行や「一行空白」が多い。傍点や三点リーダを好んで使う作家もいる。これによる効果は恐らく「内容を感覚的に掴む事ができる」、より簡潔に言えば「臨場感」でしょうか。ライトノベルを読んでいる最中に気分が高揚したり感傷に浸ったりすることは比較的多いのではないでしょうか。  
           
結局私は、「ライトノベルは読者を引き込む力が強いというだけで、その他には従来の文学と変わらない」という少々強引で飛躍した結論に到達しました。皆さんのご意見を聞くことができれば幸いです。               

濁流の魔手 さんのコメント (2008/04/05) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
100冊ですか・・・。すごいですね。       
  
『イリヤ』読みましたよ。最高でした。泣きました。           
    
久方ぶりに小説部門の第三位を更新してくれやがりました。(先代三位:クリムゾンの迷宮)       
           
「シャナもどき」・・・。    
 
同意します。しかしながら、  
           
『シャナ』は古今東西における『ボーイミーツガール+戦闘』の雛型を         
    
今あらためて造ったようなものだと僕は認識しています。

ああまでベタな中身であそこまで面白くして引き込み嵌まらせるのは異常ですよね。僕も好きです。

僕は文字を「音や意味を伝える為だけの手段」としてのみとるのではなく

『シャナ』の随所に見られるように、「視覚として感覚として伝える」

と言うのが結構好きだったりします。

さて、唐突に自分の意見ですが。

最近のライトノベル、特に電撃文庫は作品の内容に全体的なマンネリ化が進んでいるような気もして

不安です。

「軽い」のではなく、「薄く」なってきてもいると思います。

不安です。

ライトノベルだからと言って、異能者、救世主が女じゃなきゃいけない道理は無いはずです。

読者は男だけではありません。多いのは事実ですが。

多少熱くなりました。謝罪します。

それでは。
両道の帝 さんのコメント (2008/03/30) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
アマンドの木さん、コメントありがとうございます。       
確かに文字数や文章量に着目した方が客観的な分析ができそうですね。ただ、ライトノベルの中でも作品ごとの差が激しいので、「そのような傾向がある」としか言えないのが現状です。                                               
アマンドの木 さんのコメント (2008/03/29) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)]
改行の多さはその通りだと思います。       
  
多分、ライトノベルは内容とか文章とかでなく、ページ数と文字数の比率によって決定できるのではないかと、個人的には思っているのですが。そういった定量的な分析の方が、上手くいきそうな気がする。                                            
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