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娯楽チャンバラ時代劇には、それぞれに 「お約束」 がある。
たとえば 「水戸黄門」 。終盤になると、悪役とその手下たちが黄門様一行に斬りかかる。助さん格さんが華麗な立ち回りを見せ、
ひとしきりチャンバラ場面が繰り広げられた後で印籠が取り出され、悪役どもはとたんに 「へへーっ」 とひれ伏す。
一方、 「暴れん坊将軍」 。 「余の顔、見忘れたか」 と吉宗に言われても、悪役は 「こんなところに上様が来るはずがない、偽者め」
などと言って向かってくる。 ( 昔、 「ええい、上様だろうとかまわん、斬れ」 というパターンも見たことがある。こりゃすごい。
この人たちは印籠ぐらいではまったくひるまないだろう)。
「水戸黄門」 と 「暴れん坊将軍」 、どちらも、それぞれの劇中世界の決まりがきっちり守られている。それに文句を言ってしまっては
その世界は成り立たないので、割り切って楽しむ。いやなら最初から見ない。
次に、 「桃太郎侍」 や 「三匹が斬る」 などを見ていると、主人公が悪い権力者を斬っても、世間で問題にならない。
桃太郎侍は昔、2話つづけて合計3人の奉行 (北町奉行、南町奉行、寺社奉行)を斬ったことがある。しかし、この 「お奉行様連続殺害事件」
で江戸の町が大騒ぎになったり、下手人探しが行われたりした気配はない。このあいだ再放送の 「また又 三匹が斬る」 を見たら、
どこかの藩の家老を斬り殺したが、そのあとも何も起きなかったようだ。 「暴れん坊将軍」 でも、上様の顔を知っているくらい地位の高い人が
殺されているわけだが、下手人探しはやっていないと思われる。
要するに、こういうチャンバラ・ドラマは見るほうも作るほうも絵空事だと了解している。出てくる悪役の 「奉行」 「家老」 「代官」 「目付け」 「越後屋」
などなどは、現実的に幕藩体制の中で重要な役割を果たしている人間ではなく、単に 「権力の座にあって悪いことをしてる奴」 をあらわす
記号なのだ。役割や肩書きにたいした意味はない。そして、 「悪い奴」 は斬っていいという約束事も、このての娯楽劇ではおおむね
決まりとして認められている。みねうちで済ますものもあるが。
ただ、このような約束事は、ある意味開き直って娯楽に徹した作品でないと通らない。本格時代劇 (大河ドラマなんか) でこういうことを
やったら、大ヒンシュクだろう。赤穂浪士が討ち入りしてもお咎めなし――そりゃないわ。
しかし逆に、チャンバラ娯楽作品を取り上げて、ストーリー展開にリアリズムがないと批判しても、しょうがないっていう気がする。
難しいのが、本格だか娯楽だかが見る人によって分かれてしまうような作品だろうなあ。真面目なメッセージ性を持つ作品だと捉える人は、
「設定にボロがありすぎる」 「展開が非現実的」 などと批判し、娯楽だと思っている人は、そんなことに目くじら立てなくても、と言う。
両者は作品の性格の捉え方といういちばんの前提が違うので、そういうことについて意見を述べあうのはいいと思うけど、どっちが正しいとか
間違ってるとかいうことじゃあないと思う。これはただのひとりごとだがSEEDの叩きと擁護もどこかこれに似てるのかな……。
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| 雪霞 さんのコメント (2007/01/29) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] 宇宙刑事ジャンギャバンさん、こんばんは。コメントどうもありがとうございます。 そうですね、勧善懲悪もののチャンバラ劇は、見た人がカタルシスを得られるように作られてますよね。 最後に悪者がやっつけられるのはわかっていても、どうやってそこまで話を進めていくかをハラハラしながら見守り、 クライマックスのかっこいい殺陣を見て爽快感を得て、さーて、じゃあ風呂はいってあしたからまた仕事がんばろう、とか。 あと、じいちゃんばあちゃんと孫が一緒に見て楽しめるっていうのも、チャンバラもののいいところですね。 宇宙刑事ジャンギャバン さんのコメント (2007/01/29) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] どうも、雪霞さん。宇宙刑事ジャンギャバンです。 私は、時代劇にリアリティは基本的に求めていないクチです。強いて言えば、けれん味ですかね。桃太郎侍等のヒーローが弱い善人を泣かす悪党どもを華麗に成敗する様にカタルシスを感じると言いますか、まあ小難しい言葉を使わんでもわくわくすると言うか爽快感を感じると言いますか。 とにかく、観終わった後に充実感があるんですな。 実際、TV時代劇は御伽噺だと私は思いますね。御伽噺の「桃太郎」を読んで「桃から人間が生まれるはずがない」「犬、猿、雉なんて貧弱な動物を連れて鬼を退治できるはずがない」なんて文句を言うのが無意味な様に、勧善懲悪の御伽噺であるTV時代劇にリアリティを云々するのは無意味です。 仰る様にどちらが良い悪いの問題ではないのでしょうね。 ではまた。 |
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