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ふう・・・前回から十日以上経ってしまいましたが、「チャーリーの災難」の続きを投稿致します。果たして、証拠品の中から殺人事件の真相究明の手がかりが得られるのか・・・。
「どうしたんですか、先生?」
「・・・気になる事があるのだ。ワトソン君、船べりに引っかかっていた物を見せてくれたまえ。」
チャールズはワトソンから渡された、歪曲した楕円状のものを眼前に掲げ、まじまじと見つめた。そして・・・。
「そうか、分かったぞ!!!」
「え?え!?」
眼を瞬かせる事しか出来ない愚鈍な助手を尻目に、自称・名探偵は船べりで拾った一品と、紫檀の箱の中から出てきた携帯用の拳銃を机の上に並べた。
「こいつは、銃のグリップだったんだ。そして、箱から出てきた未使用のデリンジャーと同型だ。つまり・・・。」
「つまり、これがブラウン氏殺害に使用された凶器である可能性が極めて高いと言う事ですね!!これは、大変な発見ですよ!!」
「うむ、その通りだ。例の弾丸と同型の銃の口径が一致する上に、発見された場所は殺害現場である四号室前の船べり・・・決定的だな。」
チャールズは不敵な笑みを浮かべると、やおら立ち上がりドアに向かって大股で歩き始めた。怪訝に思ったワトソンは彼を呼び止める。
「あの・・・先生。どこへいらっしゃるおつもりですか?」
「決まっているだろう・・・テーラーを告発するのだ。銃の持ち主は奴だからな。」
「なっ・・・何を言ってるんですか先生!証拠不十分で告発なんて出来ませんよ。」
「な、何故かねっ!!??」
出鼻をくじかれ、思わずつんのめってしまうチャールズ。動揺を隠せない雇い主とは対照的に、ワトソンは訥訥と語り始めた。
「確かに、凶器と思しき銃のグリップはテーラーさんの所持していた箱から出てきた物と同型です。しかし、それだけでは凶器がテーラーの持ち物で、尚且つ彼女が使用したと断言は出来ません。」
「何を言うか。殺人犯が犯行に使用した銃と同じものを、たまたま別な乗客が所持していたなど・・・幾らなんでも、そんな都合の良い偶然が起こるはずがなかろう。」
「ええ、私もそう思います。ですが、裁判ではそんな理屈は通用しません。確固たる証拠が無ければ、裁判官は一顧だにしないでしょう。」
「うぬっ・・・仕方がない。テーラーを告発するのはもっと証拠固めを行ってからにしよう(おのれ・・・私をやり込めるとはワトソンのくせに生意気な)。・・・ええい、くそおっ!!!」
ワトソンに現状でテーラーを告発する愚を諭されたチャールズは、苛立たしげに机の上に乗せられた紫檀の空箱を払いのけ、備え付けの椅子に身体を沈めた。
不機嫌な探偵の八つ当たりを受けた不運な箱は床に転げ落ち、その衝撃で中底が外れてしまう。
「な、何をなさるんですか先生!!この箱はテーラー参からの預かり物ですよ!!もし傷でもつけたらどうなさるおつもりですか(まったく、物に当たるなんて大人気ない人だな)。」
「ふん、その時はその時だ・・・って、何だあれは。」
チャールズの指差す先には黄色く変色した紙切れが落ちていた。どうやら、中底の下に敷いてあったものが出てきたようだ。
「これは・・・新聞の切り抜きですね。『その人はゴールデンである』と書いてあります。」
「その人とは、どの人なのかね?それに、ゴールデンとは本名かね?それとも通称かね?まったく分からんではないか。」
先ほど自分が箱を床に落とした事は棚に上げ、ワトソンに詰め寄るチャールズ。
対するワトソンは沈黙を保ったままだ。どうやら彼には件の一文しか判読できなかったらしい。まったく不可解な話ではある。
「ふん・・・まあいい。この切抜きは、特に事件には関係が無さそうだな。何故後生大事に箱の中に隠してあるのか分からんが。」
「まったくですね。次は、何を調べましょうか。」
「そうだな・・・船長室の金庫にあった切符にしよう。一体誰の持ち物で、何処に行く為の物なのだろう・・・見てみたまえ。」
ワトソンはチャールズに渡された切符をしげしげと眺めた。
「これは・・・ネバダ行きの切符ですね。テーラー、と書いてあります。」
「む、またしてもテーラーか。それでワトソンくん、ネバダには何があるのかね。」
「さあ・・・銀山がある事くらいしか知りませんが。」
「銀山か・・・どうも彼女とは繋がらない気がするな。まあ、現状では情報が不足しているから何とも言えんが。ワトソン君、まだ調べるものはあったかね。」
チャールズは切符を納めた紙入れを懐に入れると、ワトソンに更なる証拠品の提示を勧めた。
「はい、先生。ヘンリー君の部屋で発見したコットンが残っています。」
「ああ、あの油染みた香水の匂いがするコットンだな。香水をつけたのは何かに付着した油を拭き取りやすくする為だろうが・・・。」
「一体何を拭いたのでしょうか・・・あっ、もしかして!!」
「犯行に使用した銃を拭いたのかも知れんな。しかし、残念ながら凶器と思しきデリンジャーの銃口は欠けてしまっているので確認のし様がない。」
チャールズは仕方がない、といった風情で首をすくめてみせる。
「さて、証拠品を調べて分かった事をまとめてみるとするか。」
「分かりました、先生。」
「まず第一に、ウィリアムの所持していたコルト銃はブラウン殺害に使用されたものではなかった。次に、テーラーの所持していた紫檀の箱の鍵は落とし穴が仕掛けられていた一号室にあり、中から出て来たデリンジャーと同型の銃がブラウン殺害に使用された凶器である。そして、その銃の一部分と思しきグリップが、犯行現場である四号室前の船べりに引っかかっていた。更に、紫檀の箱の中底からは新聞の切り抜きが隠されており、記事の中に『その人はゴールデンである』と言う謎めいた記述があった。それから、船長室の金庫に保管されていた切符はテーラーの所持品であり、行き先は銀山のあるネバダだ。」
「う〜ん・・・どうやら、今のところはテーラーが限りなく黒に近いようですね。」
「そう言う事だ。今後の捜査では、奴の尻尾を掴む事に全力を尽くすぞ。証拠が固まったら即座に告発だ!!」
「はいっ!!」
二人はターゲットを怪しげな婦人・テーラーに定めると、鼻息も荒く自室を後にした。
つづく
普通にプレイしていれば、この時点でテーラーが怪しいと皆思うのではないでしょうかねえ。ですが、まだまだ分からない事だらけです。デイジーがテーラーから預かった手紙とか、油染みたコットンの使い道とか。
ちなみに、私が登場人物の声をどうイメージしているのかと申しますと・・・
チャールズ・フォックスワース卿:内海賢二
ワトソン:富田耕生
スタンリー・H・ネルソン:大塚明夫
ウィリアム・グレイル:西村知道
フィリップ・カーター:柴田秀勝
ヘンリー・ハッチンソン:うえだゆうじ
テーラー:田中敦子
デイジー・プリスキン:水谷優子
ヘレン・パーキンズ:池田昌子
こんな感じです。ベテランばかりですが・・・。
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| 宇宙刑事ジャンギャバン さんのコメント (2007/08/04) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] おはようございます、天零さん。そう言えば、私のページの総閲覧回数が170000を突破していたのをすっかり忘れていました(汗)。 お祝いのコメントをどうもありがとうございます。 >とにかく「書き物」執筆も既に半年以上達成されていて乗りに乗られているようですし、今後のますますのご活躍に期待しております♪ 毎回ネタを考えるのが大変ですが、我ながら良くここまで続けられたものだと感心しております。 それでは、これからも論客として色々頑張りましょう!!!ではまた。 天零 さんのコメント (2007/08/04) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] こんばんは、宇宙刑事ジャンギャバンさん。 このスレに書き込むコメントとしては不適切かもしれませんが――17万HIT達成おめでとうございます♪ 本当は朝訪問したときに書き込ませていただこうと思ったんですが、 宇宙刑事ジャンギャバンさんは毎回節目ごとに「書き物」に書かれていらっしゃるので、 今回も追加記事として投稿されるかなぁ? と予想して様子見をしておりました。 が、日付的には既に昨日の時点で投稿がなかったので、こうしてフライング的にお祝いさせていただきました(笑) とにかく「書き物」執筆も既に半年以上達成されていて乗りに乗られているようですし、今後のますますのご活躍に期待しております♪ それでは、今後もよろしくお願いしますm(__)m P.S.談話室には既に投稿させていただきましたが、#5 アンコールは意外と評判よろしいみたいですよ。 宇宙刑事ジャンギャバン さんのコメント (2007/08/03) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] こんにちわ、雪霞さん。いつも読んでくださって有難うございます。 >ああああぁぁ すみません、探偵さんの言っていることについていけません。 でしょうね。唐突に告発なんて言い出したり、とんでもなく無茶苦茶ですので。 >これで今まで探偵がつとまってきたのなら、私もタイムマシンで19世紀に行って名探偵の名をほしいままに できそうです。 ラッキーマンばりのツキと、忠実なる助手ワトソンのフォロー、強引な行動力とでどうにかやってこられたのでしょう(苦笑)。 ではまた。 雪霞 さんのコメント (2007/08/03) [編集/削除(書込み者/所有者が可能)] ああああぁぁ すみません、探偵さんの言っていることについていけません。 これで今まで探偵がつとまってきたのなら、私もタイムマシンで19世紀に行って名探偵の名をほしいままに できそうです。 |
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