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1. 2005/09/21 「ガン種運命レビュー第47話分(バレ注意)」 分類: レビュー
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■□■第47話 ミーア       
人の愚かさ。無知と欲望。前半部分のミーアの日記で愚かさの実態を描いておいて、後半部分の議長の語りへと収束。起承転結、見事にそろった構成が( ゜Д゜)ウマーな47話です。第2クールの焼き直しみたいなもんですね。ちなみに、ドムパイロットもAAに搭乗しているらしいです。なら、姿だけでも出陣式に出してやればよかったのに。  
           
■ミーアの日記から抜粋〜その1〜    
▼ミーアの目から見た他人の姿、世界の姿
       
その代行、身代わりなんて仕事、本当に大変だろうけど           
演説の時みたいに、いつも凛々しいのかな。うぅん、そんなことないよねぇ、ラクス様だって女の子なんだし    
ラクス様のお仕事は、まずは歌うこと 
大変なんだろうなとは思っていたけど  
地球にユニウス7が落ちちゃったとかで大変なんだって           
まじめそうでかっこよくて、ステキな人〜         
戦争のせいか、今日はずっとブスッとして    
お父さんを裏切っても、ラクス様のとこへ行っちゃった人だもんね〜
ラクス様にはやさしくて、ラブラブなんだろうな〜
ラクス様のように。ラクス様のように
アスランってけっこう照れ屋さんで(おかしい)
婚約者なんだから、もうちょっとそれらしくてもいいんだけどな。やぁっぱラクス様一筋なのね
議長の言ってることは正しいんだから、(みんなちゃんとそれを聞けばいいのに)
・(そんなことない!…ぁ、ぅん、)もしかしたらそうなのかもしれないけど、(でも、絶対そんなことない!)

■ミーアの日記から抜粋〜その2〜
▼ミーアの目から見える世界だけがスタンダード、それ以外は異常。という傲慢さ

大ファンのアタシが言うんだもの、間違いない
・(アスランってけっこう照れ屋さんで)おかしい
・(議長の言ってることは正しいんだから、)みんなちゃんとそれを聞けばいいのに
みんな、どうかアタシの声を聞いて
アスランっておかしい…
・(議長の言うことは正しいのよ、)なのになんで、こんなことするの
そんなことない!(…ぁ、ぅん、もしかしたらそうなのかもしれないけど、でも、)絶対そんなことない!
アタシは、アタシはラクスよ!アタシはラクス!ラクスなの!ラクスがいい!

■ミーアの日記から抜粋〜その3〜
▼自分の目から見える世界と、確かな現実としてそこに在る世界。その混濁

まぁみんな、ラクス様が言ってるんだと思って聞いてるんだろうけど。でも、今言ってるのはアタシ、原稿書いてるのはアタシじゃないけど、でも、アタシも本当にそう思うから。今いるのはアタシ。だからこれはアタシの言葉。で、いいのよね?
ラクス・クラインって…ラクス・クラインって…本当はなんだったんだろう。誰のことだった?アタシ!?議長は大丈夫って言ってた。アタシが、世界を救ったって。そうだよね、アタシがやった、だからアタシは、アタシが…!

■種のキャラクター描写
ざっくり区分けしただけなんで、上の箇条書きにも「その表現はその区分じゃないだろ」な箇所はあると思いますが、所詮は「ざっくり」ですから、大枠を見ていただければ。概容としてはこんなものかと。
要するに、47話のメインは、ミーアの心境を、ミーアという人間のドラマを伝えることではなかった、ということでしょうね。これは47話に限った話ではなく、種全体の人間描写に言えることですが、種の人間描写は、泥臭く生々しい葛藤や人間らしい感情の機微をそれほど盛りこまず、人間らしい感情や行動原理を度外視してまでも与えられた役割を優先させる、もろにロールプレイングな描写手法でしょう。
人間描写というよりキャラクター描写、記号描写といった方が適切かもしれませんが、寓話として成立させるために人間性が削られているという。どこぞのメロスや亀が休憩も取らずに走りつづけたようなもんですね。で、今回のミーアの描写を見ても、まぁ見事にそのまんま。ラクスという役割、ミーアという存在。その狭間で葛藤しはじめた36話以降の回想描写は、11分ほどある回想全体の中で、わずか3分に満たない程度。ミーアというキャラクターの人間性を掘り下げる気なんて、さらさらないでしょ、これ。

■世界の中心で天を動かす獣
なら何をメインに描いているのさ?と見てみると、ざっくり分けて三要素。一つは、ミーアの目から見た他人の姿、世界の姿。一つは、ミーアの目から見える世界だけがスタンダード、それ以外は異常、という傲慢さ。一つは、自分の目から見える世界と、確かな現実としてそこに在る世界の混濁。
ミーアの目からはこう見える、けれど、実際とは微妙に違う。最初はその繰り返し。ミーア自身は違いに気づきはしないものの、自分の目から見えるものこそが正しいと決めつけるような言葉は特になし。けれど、音楽が変わったあたりから、自分こそが正しい、自分の価値基準こそが絶対、という言葉が増えていく。自分は正しい、皆それに従えばいい、従わないものは「おかしい」のだ、という具合に。
そうして、自分の目から見える自分だけの世界と、自分以外の人間も生きている現実の世界が混濁してしまい、最後には、二つの世界の区別がつかなくなる。自分だけが生きている世界、自分以外の人間も生きている世界。その区分けができなくなり、自分だけが生きている世界を、自分以外の人間も生きている世界へと押しつける。
というのが、47話のメインの内容かと。自分だけの仮想現実と、皆が生きている絶対現実。その境目を乗りこえて、仮想現実を絶対現実へと押しつけるから、争いが起こるんだよね〜、といった内容でしょ。で、そんな仮想現実と絶対現実の混濁について、キラは「ラクスはこうだからって、決められるのは困る。そうじゃないラクスはいらないとか…。そんな世界は傲慢だよ」と語り、議長はそれこそが「いつになっても克服できない我ら自身の無知と欲望」の正体だとして告発する、という構成ですね。

■クルーゼという問題提起
なんというか、この仮想現実と絶対現実の混濁こそが、クルーゼが説いた「正義と信じ、わからぬと逃げ、知らず、引かず!」「知らぬさ!所詮人は己の知ることしか知らぬ!」という「人の業」でしょう。こうして見ると、DESITINYという物語は、クルーゼという文脈に対して真正面から向き合ったお話だったこと痛感させられます。
前作では、クルーゼの「人は己の知ることしか知らぬ!」という主張に対し、それでも「守りたい世界がある」「生きる方が戦いだ」と叫び、生きることへの渇望をもって「血の道」である生を肯定したキラたち旧主人公サイド。ですが、それはあくまで感情を振りかざしただけにすぎず、理性的な言葉による反論はできないまま、物語は終わりました。
そして今作。すべての登場人物が「己の知ることしか知らぬ」ままに生き、キラたちもまた、己が信ずる「正義」を振りかざして戦場を混乱させ、多くの犠牲者を出すことに。その報いとして、混乱した戦場から生まれたシンという「もう一つの正義」によって断罪された、というのが第3クールまでの顛末でしょう。

■クルーゼへの解
この時点では、誰一人として「正しい」存在がいなかったわけですが、その後の覚醒エピソードを経て、誰にも絶対的な正義などないことを踏まえた上で、なにが正しいかを自律して選ぶことが大切なんだよ、という地点に着地。互いの「正義」を、互いの「存在」を、ありのままに認めあうことこそが必要なんだよね、といったところでしょう。
が、このままだと単なるトートロジー。それが容易にできないからこそ、クルーゼは破滅を願ったのですから、ここで示すべきは「どうすれば互いを認めあうことができるのか」という具体的な方法論になるわけで。まぁ、これまでの話を汲めば、前作で力を持ちえなかった「言葉」こそが、相互受容を導く鍵になるんでしょうけどね。
ボンヤリ感じるところでは、種の相互理解は、同じ知識や経験を抱くことで到達しうる境地ですから、言葉を用いて互いの知識と経験を共有しましょうね、といったオチになるんじゃないかなぁと。そうした言葉による相互理解によって、クルーゼの説いた「正義と信じ、わからぬと逃げ、知らず、引かず!」「知らぬさ!所詮人は己の知ることしか知らぬ!」という主張に対し、アンチテーゼを示すんじゃないかと超予想中。

■技術の力、人の想い
正直、これまで議長は一貫して「自分ではなく他人が悪いんだ、世界が悪いんだ」「だから仕方ないことなんだ」と呼びかけてきましたから、ここで議長の口から「自分が悪いぜ!」とズバリ語られたのにはやられまくり。ここに持ってくるためのタメだったのね〜。ミスリード上手し!って感じです。
こうなると、42話で「悪いのは彼ら、世界。あなたではないのだという言葉の罠に、どうか陥らないでください」と提言したラクスと、今回「我ら自身の無知と欲望」を抑えようと提言した議長とでは、ほぼ同地点に到達。異なるのは、自分自身の間違いをどう克服すればいいのか、という「How」の部分でしょう。
で、議長サイドはデスティニープランという「技術の」による他制を推し、ラクスサイドは「どうか陥らないでください」という言葉どおり「人の想い」による自制を推す、と。これも例によって例のごとく、制作サイドからの「議長サイドの力重視、ラクスサイドの想い重視、どちらか一方が正しいのではない、どちらを選ぶかは視聴者が自分で考えましょうぜ」な問いかけなんでしょうが、はてさて。

■個人的には
どっちもどっちやね。規則やシステムなどを絶対規範として集団を管理するスタンスも、理念や目的意識などを共有することで集団を活性化させるスタンスも、どちらも大切なアプローチ法。好みとしては目的意識を共有するスタンスを押したいところですが、かといって、なんの規範もない状態でバラバラに動いても、統率も責任もあったもんじゃなく。あくまで戦争を知らない一日本人としての、特に仕事面での考え方ですけど、まぁ順当に「想いだけでも力だけでも」ってやつです。あ〜でも、大学時代にエリート主導の管理社会について考えていた記憶もあったりなかったり。

■白の女王、始動
今回の『君は僕に似ている』は、ここ数話で「同士」を強調してきたのに対し、もろに「反目」しあう関係を歌ってきました。ラクス再襲撃&ミーアの死によって、デスティニープランの暗部(役割を全うしないものは淘汰&調整)が明らかとなり、ラクス、議長にマジギレしています。悲壮な表情というのは何度か描かれましたが、怒りのラクスって今まであったかなぁ。
とはいえ、暗部が明らかとなりつつも、それが公にされないまま、デスティニープランは本格導入へと加速していく一方。デスティニープラン「だけ」が唯一無二の施策として、民へと示されつづけます。この調子だと、デスティニープランの導入を拒否しようもんなら、ロゴスの残党呼ばわりされた挙句、残ったレクイエムが「正義の鉄槌」を下しそうですな。そうすりゃ、悪を正義が討ったことにできるしね。一気に最終バトルの雰囲気全開です。

■ギルバート…
キタ━(゜∀゜)━ッ!! デュランダルでもなく、議長でもなく、ギルバートというファーストネーム。タリア&議長物語、本格始動の予感。物語は最終局面を迎えますが、タリアたんはどう動くんかねぇ。決断をせまられる局面で、8話でマリューさんが語りかけた「先のことはわからない」「今をもって信じたことをするしかないですから」「後で間違いだとわかったら、その時はその時で泣いて怒って、そしたらまた、次を探します」なんかが回想されたら燃え燃えなんですが。

■未消化伏線
前回の感想で「個人レベルの解は既に提示済み」といったことを書いたのですが、今回の話を見て、あらためて実感。あとは民全体の解をどう示してくるか。それが大きな見どころであって、それをシンの覚醒/闇化と絡めて描いてくるのが、残り3話のメイントピックになるんでしょうけど、そんなメイントピックとは別に、準メインの未消化伏線もいくつか。
ざっくり挙げると、ホーク姉妹、ギル&タリア、人造人間の悲哀、アスラン&カガリ、PP隊長としてのネオの罪清算、あたりかな。メイントピックに絡むあたりでは、ラクスの「言葉」発動やカガリの為政者モード、ラクスVS議長、なんかも必須事項でしょう。ミーアの真実もどこかで絡めてほしいっす。
残り3話、90分か…。粗筋として進めにゃならん部分もありますから、一シーンに複数のネタを盛りこむ構成にしないと、全部には手が回りきらんだろうねぇ。まぁ、個人的にはメインである「民全体&シンの選択」をきっちり描いた上で、残りの時間で準メイン要素を五つ六つも消化してもらえれば満足かな。というか、アスランとミーアの選択=個人レベルの解提示を描いてくれた時点で、7割がた満足している自分もいるんですけどね。そういう意味では、民を象徴するシンが選択→民全体は迷いながら考え中、みたいな得意の投げっ放しENDでもいいかも。

■20話と47話
47話を見て感じたイメージは、20話の「PAST」にかなり近いかなぁ。あれも、シンというキャラクターの心境を伝えることがメインだったのではなく、背景に前作の映像を流しながら、シンに自分の目線「だけ」から前大戦を語らせ、そんな自分の目から見える戦争観「だけ」を絶対視するシンの姿を描くことで、自分の目から見える世界こそが絶対だと盲信する人の愚かさを示すことが主な目的だったようですから。心情描写メインにしては、アカデミー時代の掘り下げが皆無ですしね。
で、シンは自分の目から見える世界こそが絶対だと盲信してしまい、たった一つだけシンに語りかけられた他人の言葉、トダカさんの「君だけでも、助かってよかった。きっとご家族は、そう思ってらっしゃるよ」には耳を貸さない、貸せない。赤一色に染りつつある内面世界に落とされた、穏やかな白の一滴。そこには目を向けず、完全なる赤へと変貌を遂げ、怒れる瞳を世界へと向ける。それこそが、それ「だけ」が、大切な全てを守り、世界を平和へと導く「唯一の」方法だと信じて…。
といった感じで、メインで描こうとしたものは同じじゃないっすかね。20話と47話。そんな具合に「人の愚かさ」を垣間見つつ、現実と幻想、その狭間でせいいっぱい生き、そして死んでいったミーアの「真実」が感じられて、ぶっちゃけボロ泣き。演出としては先週の方が細やかな手法が使い分けられていて楽しめたのですが、今週分で「陰」が示されたからこそ先週の「光」が際立ち、先週分の「光」が示されたからこそ今週の「陰」が際立って、そんなコントラストの妙が涙腺直撃。20話の時もそうだったのねん。ただ、世間一般では両話ともに「中身のない総集編」という扱いで叩かれているようで。どうなんかね〜。

■ミーアにとっての第1〜2クール
それと、47話を見ていて強烈に感じたのは、アスランにとっての女難パートだったミーア絡みのネタは、ミーアにとっての因果応報的なご褒美パートだったぽい気配。ラクスの代わりに平和に尽くす、というミーアの初心に偽りはなく、第1〜2クールでは、悪行三昧な連合への報復を阻止し、泥沼の殲滅戦を回避させる働きをしていたのも事実。そのご褒美が、因果応報理論的に「らぶりーアスランとの擬似恋愛」というご褒美パートとして与えられていたようです。女難ネタ、ルナの議長サイド伏線やら、メイリンの姉妹コンプレックスやら、ミーアのご褒美パートやら、いろいろ意味あったのね〜。

=====
そんなこんなで47話感想+αを終了。他所の感想サイトをいくつかまわって見ていると、今回の話のどこをどう見て感想を書いているか、まさに十人十色。その人の感想書きとしてのスタンスがよくわかるんですよね。あと、話のどこを中心に見ているのかも。ある意味、感想書きにとっての鏡みたいな一話です。まぁでも、そんなことをボケボケ考えていられるのも今回までかな? 残り3話、末脚一気に差しこまれそうなのねん。
どうでもいいけど、自分で書いた「仮想現実」って表現、どこぞの○学会が連想できてイヤだなぁ。スタンス真反対なのに。あと、さらにどうでもいいのですが、次回タイトルの「新世界へ」って聞くと「通天閣?」とか「風俗?」とか連想してしまうんですけど。今夜は豪遊だぜ!みたいな。
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