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漫画評価: 231位 <= 232位(4,056作品中/偏差値55.06) =>233位

邪眼は月輪に飛ぶ (漫画)

読み仮名: じゃがんはがちりんにとぶ
総合情報評価
(評価投稿)
日記
2007/11/27
懇談室画像/壁紙商品
(本/漫画)
直近発売の本/漫画: 2007/04/27 ():邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)
本/漫画(1件)
売上/新着

コミック:邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)

参考:\550
2007/04/27
()

1.「老人と海」よかスゴいんでね?
作者:藤田和日郎
協力:床井雅美
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
出版:小学館
連載開始日:2007/01/08(日本) 連載終了日:2007/02/19(日本)
最終変更日:2008/03/16 00:23:07 / 最終変更者:暁に吠え猛る獅子 / 提案者:堕天使 (更新履歴)
評価統計(1日1回定時に更新)
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1. 2008/05/04 とても良い by オヤシロ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:17(46%) 普通:2(5%) 悪い:18(49%)] / プロバイダー: 34710 ホスト:34602 ブラウザー: 3005(携帯)
なかなかの作品

藤田の作品でも絵は汚い方だが
そのフクロウの目を見たら死ぬ…という
斬新なストーリーはgoodだ
藤田ファン必見。
2. 2008/05/03 とても良い by YAMADA [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:26(68%) 普通:8(21%) 悪い:4(11%)] / プロバイダー: 37316 ホスト:37304 ブラウザー: 5533
非常に高名な漫画家であるにも関わらず
実は私はこの漫画家の作品をこれまで読んだ事が無かった。

敵がフクロウという個性、練られた独特な世界観、洗練されたコマ割り、わかり易く且つ深い物語。
何よりも昨今の漫画では容姿だけに頼りがちなキャラクターがこの漫画では実に生き生きとしている。
まさに命が宿っていると言っていい。

理屈抜きで面白い漫画を久々に読んだ気がする。
3. 2008/05/02 最悪 by ほっちゃ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:8(36%) 普通:0(0%) 悪い:14(64%)] / プロバイダー: 45370 ホスト:45512 ブラウザー: 3646
【良い点】
設定。

【悪い点】
暑苦しい内容
絵の汚さ。

【総合評価】
評判は良く、完成度が高いが個人的にあわなかった。
評価は「最悪」
4. 2007/12/11 最高! by ジュンイチ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:4(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 21462 ホスト:21179 ブラウザー: 6032
【良い点】
短編とは思えないくらいのスケールの大きさ。
フクロウという生き物を最大の敵にしたこと。
鵜平のデザインが仙人と呼ばれているのに相応しい。
最後の読者に語りかけている感がある最後には考えさせられる。

【悪い点】
ない。

【総合評価】
最初見たときはゾクと来るくらいの展開に驚いた。
長編で知られる藤田さんが短編も描けるのだと感じたね。
評価はもちろん最高で。
5. 2007/12/10 とても良い by 古代米ダブル [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:52(87%) 普通:0(0%) 悪い:8(13%) 推薦人:5 推薦評価:5] / プロバイダー: 34156 ホスト:34148 ブラウザー: 4656
藤田和日郎先生が掲載誌を少年誌から青年誌に移して連載した短編漫画ですね。
この漫画は『うしおととら』『からくりサーカス』とは異なり、1巻と実にコンパクトなものとなっています。
それにしても……フクロウを敵役とするのは面白いと思います。今じゃあ「不苦労」すなわち幸運のシンボルだったりと「良い」イメージがあるので驚く人も多いと思いますが、単行本の後記にもある通り、昔は逆でしたからねぇ(これと似たものにカラスがあり、今は「不吉」なイメージですが、昔の我が国ではいわゆる神の使いでした)

この漫画のテーマは、「自然に対する畏敬」「家族愛」のふたつだと私は定義します。
まず、この作品は「自然に対して畏敬の気持ちを忘れてはならない」というのを端的に表していると思います。最初のミネルヴァの惨劇は、事件を対岸の火事として現状を省みないことの愚かさを提示しております。しかし、最終的にその脅威を打ち破るのは「自然を畏敬し、自然と生きる」マタギである鵜平だったわけですね。
輪の台詞に「人間が、動物達の……いえ、この世界にとっての「邪眼」にならないよう……あたしは祈っています。」というのがありますが、これは地球環境を破壊し、その結果自然災害が増えている現状に対して我々に投げかけた警鐘なのかもしれません。

そして「家族愛」。これは藤田作品によく見られるテーマですね。この作品では鵜平と輪の関係を描いており、本当の親子では無いけれど鵜平は内心では輪のことを想っており、輪の危機を救う場面がありました。鵜平の「かつて家族を守れなかったこと」からの悔しさから「守れたこと」の喜びが表れております。
最終話の「おまえは子供が、欲しかったんだろ。オレにゃ、おるんだぜ。」という台詞からも解るように、ミネルヴァが「孤独」であるのに対して鵜平は「家族がいる」という表と裏の関係であることがうかがえ、結果的に鵜平が勝ちました。家族のいることによる「強さ」が、ミネルヴァを打ち破ったということですね。
この作品は「今の大人が未来に残せるものとは何か」を提示しており、以前の「少年に元気を与える」ものとは違った意味でメッセージ性の強いものだと思いました。

絵柄についてですが、この作品は青年漫画であるためか制限に縛られず自由に描いている印象を受けました。最初のミネルヴァの惨劇につきましては、もはや少年誌に掲載できない代物でしょう。この部分だけでも、藤田先生の「おどろおどろしさ」抜群の画力が十二分に発揮されていると思います。正直怖かったですね。また、兵器の描写もリアルで良かったです。

キャラクターはそれぞれ個性が出ており、いい味を出しています。主役の鵜平や輪もいいのですが、マイクも正義感があって好印象ですし、ケビンも何だかんだでいい人ですからね。

総評ですが、「最高」に近い「とても良い」とします。と言うのも、短いゆえに展開が予測できちゃいますし……また、設定は良かったのにこれが1巻で終わったのも残念でなりません。もっとこの作品の4人の活躍が見たかったものですね。
最後に余談ですが、鵜平の仮面って『からくり』の白銀が着けていた仮面に似てますよね?懺悔という意味では着けている理由は似てますし、やはり意図的なものを含んでいるのでしょうか?
6. 2007/08/17 とても良い by Tokyo16 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:79(72%) 普通:13(12%) 悪い:18(16%) 推薦人:24 推薦評価:30] / プロバイダー: 13951 ホスト:13771 ブラウザー: 2463
まさに理想的な冒険アクション漫画。
まず始まりからしてキャッチーだ。

岸壁に打ち上げられる、幽霊船と化した米空母!
乗員の全滅した艦内に残る謎の鳥かご!
血を噴き出しながらする死亡する総理大臣!
首都機能のマヒした東京の空を舞う一羽の怪鳥!
ふたりの米エージェントが訪ねた山村に待つ、仮面の老マタギ!

……なんだこのメチャクチャ面白そうな導入は。
スピリッツ誌上で第1話を読んだときの衝撃は忘れがたい。
久しくなかった「ドキドキワクワクする!」という感覚を、味わうことができた。

そして、そのワクワク感は最後まで裏切られることがなかった。
上記の導入部分も凄まじいスピードだったが、以降も最後までブレーキがかからない。
まさにジェットコースター・アクションの典型で、一息つく暇もなく読み進めてしまう。
藤田は大長編の構成力は疑問だが、単行本一冊単位での盛り上げ方はホント神がかっている。

それでいて情報量も多く、読み応えがあるのもいい。
老マタギVS殺人フクロウというメインストーリーに加え、親子関係や友情などのドラマも描かれているのだ。
特に巧みなのが、ウヘイ、リン、マイケル、ケビンの四者の配置だ。
序盤では、ペアで行動する相手がウヘイとリン/マイケルとケビンだったが、状況とともにこれが入れ替わっていく。
これが中盤ではウヘイとマイケル/リンとケビンになり、終盤はウヘイとケビン/リンとマイケルという構図になる。
彼らが「他の3人とちゃんと会話している」ことが解るだろうか。
それぞれの背負ったサブストーリーを互いに補完しながら、クライマックスに雪崩れ込んで行く様には感動すら覚える。

これに更に、藤田お得意のハッタリが加わる。
終盤いきなり出てくるハリアーには「何だ何だ?」と思ったもんだが(役割としてはヘリで十分)
最後の最後であのハッタリをかますために、わざわざハリアーを引っ張ってくる豪腕ぶりが楽しすぎる。

切ない余韻を残しつつ、爽やかで明るいエンディングもグッド。
この4人のハンティングをもっと見たいと思わせるものだった。

欠点と言える欠点は、ジェットコースターアクションというジャンル自体の宿命で片付けられるものばかりだ。
以前『マンガ夜話』でオタキング岡田が、藤田を「全盛期の平井和正チック」と評したが、本作はまさにそれである。

作者の持ち味である「爆発力」が存分に発揮された、B級冒険アクション漫画のひとつの理想形を見た。
藤田和日朗の作品を「1冊だけ他人に薦める」なら、まさに最適な一作となるだろう。
7. 2007/07/03 最高! by 元寇 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:5(83%) 普通:0(0%) 悪い:1(17%)] / プロバイダー: 4222 ホスト:4081 ブラウザー: 5237
これまで藤田さんの作品は短編含め全て読んできたけど、やっぱり凄い。
独特の世界観とストーリーの練り込まれ具合。今の漫画家でここまで深く完成された物語を描ける人といったら藤田さんくらいしかいないんじゃないだろうか?

鵜平を始め、娘の輪、軍人のマイク、CIAのケビンという4人のメインキャラが、
それぞれの想いを抱えて独自に動きますが、最後にはミネルヴァを倒すために全員で協力しあうところが感動的でした。
その根底にはやはり鵜平と輪の親子愛があると思います。
こんなにも「人間」を人間らしく描ける藤田さんは素晴らしいです。新連載ももう心待ちにしてます。
8. 2007/06/29 最高! by にゃん☆ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:195(81%) 普通:15(6%) 悪い:32(13%)] / プロバイダー: 13184 ホスト:13516 ブラウザー: 4487
思わず買ってみたんだけど、この作者さんの他の作品は読んだこと無い・・・。
短期連載の作品を読んでみて本当に素直に面白かった、物凄くスケール大きい〜。
この漫画家さん凄いです、しかも主人公が老人って言う感覚が珍しい
個人的には何度も読んで飽きない作品です。 フクロウは敵って言う発想も滅多にない・・・。
9. 2007/05/26 最高! by ロッタ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:206(68%) 普通:56(18%) 悪い:41(14%) 推薦人:6 推薦評価:6] / プロバイダー: 18003 ホスト:17792 ブラウザー: 4660
猛禽類といえば、人間が自然科学的に設定した
ピラミッドの中でも上位に位置するとされている鳥。

ミミズクもアイヌでは「死の使い」と呼ばれていたとか?

火の点らない夜の森で、
心音を乱す様にまとわり付く不規則で低音な鳴き声が響く中、知らない内に、
あの真円に真円を重ねどこか視点の定まらない空虚な眼がこちらを捕らえていたら??
昔の人にはそれはまさに無遠慮にこちらを窺う「死」の影に思えたかもしれません。

そんな心細い場面に出くわしたら、
せめて奴等が飛ぶよりもはるか頭上にぽっかりと浮かぶ丸い月の明りを頼りに、
弱い人間が寄添い生きる人の輪に戻ることを考え、
一番の支えにしたい。この作品を読んでいてつくづくそう思いました。

邪眼により、ただ一瞥するだけで相手を死にいたらしめてしまうため、
同族のつがいすら持てず、自分の生きた証を次に残すことも叶わない、
あらゆる関係性を見ないまま生きる
愛別離苦の言葉も生温い孤独な殺戮梟「ミネルヴァ」。
その強さと孤独のあまりやがてただ自分だけが頂点にいると思い込んでゆく。

家族のあるべき姿を反古にしたとして、鵜平に対するかたくなな態度を崩さない祈祷師・輪、
軍隊内の既製概念に縛られ任務を遂行した結果、多くの同僚を失った軍人マイク、
ルールに従わなかった為に生き残り、自分の生をもどこか見放している情報部員ケビン。
猟師・鵜平も片われを失い哀しみの仮面を着け、山の掟にも帰れない自分を憂いている。

みな各々のルールの中に一人置いていかれた者達である。
しかし、その全てのルールの下には人間関係という一本の大前提が敷かれている為、
人はそれに気付くきっかけさえあればルールを越え
何度でもその同一線上に仲間を見つけ再び集うことが出来る。

前者二人がプラス方向に突き進む力を持つ者なら、
後者二人は彼らに付き添う内に目覚め、封印していた力を発揮する者。

この物語は、彼等四人が、
無差別にあらゆる関係性を断ち切る梟を仕留めることに因縁調伏を求め、
新たな絆を築いて行く物語なのです。

やはり一番の注目株は鵜平さん。
妻に守られ一人残った命に後ろめたさを感じつつ、
不器用ながら遠巻きに子どもを精一杯愛することを
ささやかな生きる糧としてきた彼の小さい背中は、
何時の間にか「輪が…かわいいんだな…」というマイクに
「あったりめえよ」と自信を持って答える父親らしい姿に変わってゆく。
倒れた妻を「チーコ」と呼び続ける悲痛ながら愛に溢れる姿とあわせ、
これらのシーンは輪ならずとも泣いてしまいます。

猟師と獲物の間では片方が死に、片方が生き残る為の命の駆け引きが行われる。
ラストでは狩る者と狩る者、その立場が限りなく均衡した状態での対決となった。
その距離を縮めるほどお互いの致死率は高まる…。
軍配の決め手は、他者と交わる中での「猟師」としての自分の在り方にあった。

ハンター。相手との関係性を断ち切って自らの生を得る者。
鵜平が再び対した宿命の相手はつがいをも殺してしまう程ハンターとして特化した力を持つ。

猟師という枠の中でしか生きられないと思い込む鵜平は、
大事なパートナー愛する妻(猟師にとっての最大の味方「犬」と表現する)
を力及ばず殺してしまった。
彼は自分をミネルヴァに重ねる。

だが、妻は彼に娘・輪を残してくれていた。
殺すだけではない、自分にも人間として、
親として子という生を育むことも
当然の権利として与えられていたことにやっと気付く彼。
この戦いで新たな絆を得て邪眼の毒をも征服する力をここに得ることになったのだ。

生き物は「目玉」を怖がるものらしい。
虫達の中には捕食者から身を守るため、
体に目玉の紋様を施すものもある。
鵜平も以前ミネルヴァと対峙した際、
その恐怖から目を反らす為か自らの眼を潰している。

目は直接脳に繋がるものなので、自分の考えが直に出てしまう。
他者と交流するうえでお互いを解す為の「表情」を作る上でも重要なパーツであり、
それ程他者への働き掛けが強い部分だと思う。
実際に「邪眼」という思想も存在するらしいですし。

ミネルヴァの場合も、
即座に関係性を断ち切ってしまうハンターとしての能力と共に
何かしら力強い想念を持ってしまったことで、
それが「眼」から表に滲み出、
他を凌駕してしまうことになってしまったのでしょうか?

梟の眼と向き合うと眼があっているようであっていないような奇妙な感覚に襲われる。
ミネルヴァの眼から発せられる毒は相手の眼を避け、
死角である耳に撃ち込まれる。
相手の眼に決して標準を合わせようとしない。
彼は初めから相手の眼を見据えるのが、
相手との関係を結ぶのが怖かったのでしょうか…。

他者に無差別に不幸を撒き散らす様は、
むしろ人間にこそよく当てはまる表現であり、
最後の輪の言葉はとても良い警句でした。

自然に生きる猟師、オカルトな祈祷師、
冷静リアリストな諜報部員、正義の熱血軍人。
異色の組み合わせでありましたが、
一人で全方向を見渡せない弱い人間が、
警句を念頭に置きつつ世の中に対してとるべきちょうどいい
スタンスの一例が彼等なのかもしれないと思います。
10. 2007/05/21 最高! by ムチョ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
推薦人:堕天使
評価履歴[良い:17(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%) 推薦人:1 推薦評価:1] / プロバイダー: 25850 ホスト:25809 ブラウザー: 5315
「うしおととら」の白面。
「からくりサーカス」の白銀。
今回の白いフクロウも上記の二人?と似たような境遇にあるなァ。と思いました。
自分が生物を見ただけで、見られた生き物は有無を言わさず死んでしまう。
同じ仲間のフクロウとだって一緒に遊べない。
生まれたときから幸せがつかめない運命だったのかもしれません。

白面にしたって邪な気が固まって形成された妖怪。
大量殺戮を生業とする化け物として生まれました。人間に憧れながら。
そして最期は赤ん坊のシルエット。赤ちゃんになりたかったんだそうだ。
白面だって澄んだ正常な気が固まってできた人間だったら普通に暮らせたろうに・・・。

このような一見、極悪極まりないヤツがいなくなると私は必ず涙します。
もし生まれ変わったら、人間の暖かさがわかるものになりますように。と。

この作品を見てこんなことを考えさせられました。
ということは・・・最高!!
11. 2007/05/18 最高! by 針射 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:12(71%) 普通:2(12%) 悪い:3(18%)] / プロバイダー: 12040 ホスト:12404 ブラウザー: 4184
すばらしい。
すばらしい作品です。いやむしろすばらしい人です、藤田さん。
「からくりサーカス」を読み終えたとき、私は感動するとともに大きな心配もしていました。
つまり「もうこれで終わりではなかろうか」と。うしとらほど凄まじい作品を書き、
その上さらにからくりサーカスという世界を描ききった藤田さんには、
もう書くべきものはないのように感じたのです。
しかし藤田さんは止まりませんでした。「邪眼」という新たな世界をつれて帰ってきたのです。
それだけでなく、また連載も始めると聞きます。
期待しています。しかし確信もしています。「すばらしいだろう」と。

この作品のよさについてはとてもよい評価をなさってる方がいるので、
主観まみれの私の評価なんぞよりそちらを読んでいただけたらと思います。

ま、この作品の評価は「藤田和日郎作品である」で十分だと思いますが。
12. 2007/05/05 とても良い by 月夜の兎 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
推薦人:ロッタ
評価履歴[良い:104(67%) 普通:31(20%) 悪い:20(13%) 推薦人:6 推薦評価:9] / プロバイダー: 50576 ホスト:50571 ブラウザー: 6287
主人公は爺さん、脇役はおじさん、唯一の若い娘さんは主人公の娘で恋愛風味は一切無し、と画面的な華は
ありませんが、とても面白い作品です。作者のストーリーテリングの才能というものを見せ付けられる気がします。
「見られたら死ぬ」という邪眼のフクロウを扱った作品なので人死にが多く、流血が駄目な人にはお薦め
できませんが、そうでないなら一読の価値はあります。

「見られたら死ぬ」という設定は「見たら死ぬ」よりタチが悪いですね。カメラを通していてもその効果が
発揮されてしまうのには恐怖を感じます。大体こういう系統の相手を倒すには「カメラ等の電子機器を通せば
無効」という条件を付けておいて、それを利用して倒す作品が多いと思いますが、その便利な設定をあえて捨てた
所が本作の凄いところです。邪眼の主がフクロウである点も機動性、視界の広さの両面から見て素晴らしい選択
だと思います。視界だけなら多分ラクダが一番広い(ほぼ360度)けど、4つ足の動物は図体の大きさから「どこ
に潜んでいるか特定し難い」「標的が小さすぎて狙いにくい」「神出鬼没で移動も素早い」といった描写が難しく、
本作におけるフクロウほどの脅威にはなれなかったと思われます。

そのフクロウの「倒し方」も良かったですね。「奴は殺気の来る方向を見る。だから殺気を乗せない弾を撃た
なければならない」というのですが、これは昔ながらの猟師が持っている「山から与えられる獲物に対する
感謝と畏怖」の気持ちを持ち続けている鵜平だからこそできる技で、納得の行く結末になりました。

また、戦いの裏側では親子の確執の解消や、男同士のささやかな友情の芽生えなどもあり、読後感は爽やかでした。
輪の語る「人間が他の生き物にとっての邪眼となることがないように…」という言葉は心に留めておか
なければならないと思います。

1冊完結は勿体ない。彼らがチームで動く他の物語も是非読んでみたいと思わせる作品でした。
13. 2007/05/04 最高! by 堕天使 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:70(65%) 普通:0(0%) 悪い:38(35%) 推薦人:9 推薦評価:10] / プロバイダー: 21786 ホスト:21786 ブラウザー: 6520
ビッグコミックスピリッツで大反響を起こした藤田和日郎先生作
の読み切り漫画です。
その内容は藤田和日郎作品の最大の売りである「腰を抜かす程の
スケールの大きさ」が存分に表現されていました。

内容は突如現れた「見ただけで生き物を殺すフクロウ」<ミネル
ヴァ>とそれを撃退しようとする米軍と米軍に協力を要請された
老マタギ「杣口鵜平」との戦いを描いたものです。
最初の展開は正直「度肝を抜くはこのことか!」と言いたくなる
展開です。
見ただけで生き物を殺す・・・それはどういうことか?たった三日で新宿
をゴーストタウンにしてしまう程恐ろしいものなんです。
見た時私は開いた口が塞がらなかったですね。最初は鵜平のいた
村民、次は<ミネルヴァ>を捕獲した米軍艦隊、最後はその艦隊
が衝突した日本つまり新宿です。
一人死んで後三人死ぬ。三人死んだら後百人死ぬ。これだけでも
十分恐ろしい絵図なのにその後に描かれた展開がものすごく恐ろ
しいものでした。マスコミが<ミネルヴァ>を取り上げようと撮影し
たところカメラが<ミネルヴァ>に見られました。その瞬間TV
を見ていた人間が何百人も死にました。これを見ただけで私は背
筋が凍りつきました。
その後日本はマスコミの件で総理大臣まで死んでしまったので米
軍に助けを求めデルタフォースが出動するくらい話が大きくなり
ます。ですが対テロ鎮圧部隊デルタフォースですら見ただけで殺
すフクロウの前では無力でした。
そんな絶望的な状況でCIAが「杣口鵜平」の情報を得てエージ
ェントのマイクとケビンを派遣します。
気難しい鵜平に、さらに狩りの獲物を横取りしたアメリカ人が頼
みごとなんて無理な話でした。
「犬がいない」としか言わない鵜平にしびれをきらせた巫女であ
り<ミネルヴァ>に恨みのある娘の輪が無理矢理引きずりだして
ことは丸く収まります。
その後米軍の<ミネルヴァ>撃退作戦が展開します。その内容は
6方向からの一斉の狙撃です。いくら見て殺す鳥でも一度に6方
向は見れないと鷹をくくった米軍の作戦です。
ですがここで一つ疑問があります。狙撃するには明確な位置の情
報が必要です。300M離れているフクロウをその場で見つけ出
すなんて不可能な話です。ですがここでCIAのケビンから衝撃
の情報が入ります。「<ミネルヴァ>にはCPS発信機が埋め込
まれている」と。何故GPS発信機があるのか?それを使えばデ
ルタが全滅なんてなかったのでは?と思いますがそこは今後話さ
れる事実で明らかです。
作戦ですが予想どおりの結果です。「俺は最強だ」と抜かしてい
たスナイパーの負けです。敗因は凄まじい理由です。フクロウは
脊椎骨の多さで首がしなやかに曲がります。それが<ミネルヴァ>
最大の武器になりました。280度以上も周るフクロウには6方
向なんて朝飯前みたいな感じでひとひねりでした。これを見てフ
クロウの特性を使った逆転劇を描いた藤田氏には感激しました。
その後狙撃が失敗した米軍のとった行動はまさに軍という力の横
暴でした。<ミネルヴァ>の位置を明らかにした輪を利用しそこ
にミサイルを撃ち込むというのです。しかもそこは児童病院でた
くさんの子供が収容されている場所でした。
ケビンはやる気でしたがマイクはこれはできないと鵜平に助けを
求めました。仮には犬が必要という問題をマイクが「俺がいぬに
なる」という契約つきで。
その後の戦いは藤田氏特有の戦いでした。見られたら死ねという
ルールに基づき見られないようにする二人と猟銃から放たれる弾
をよけ続ける一羽はドキドキしました。
そして最後の勝負は最高でしたね。鵜平を乗せた米軍主力戦闘機
「ハリアー」とフクロウの一騎打ちです。
最後の一撃を決めた瞬間はきましたね。最高でした。

総合してこの作品が伝えたいのは「愛」だったのだと思います。
<ミネルヴァ>はその見たら殺すという鳥が故に愛すべき同族す
ら殺してしまいます。その<ミネルヴァ>が病院のシンボル像の
フクロウを愛でていた部分でそれを痛感しました。
そして最後の一騎打ちで鵜平が<ミネルヴァ>に勝利した理由が
愛すべき者がいるかいないかです。鵜平には輪という最愛の娘が
います。<ミネルヴァ>にはそれがいません。そこが「愛は邪眼
をも超える」という表現ができていたと思います。
最後<ミネルヴァ>が見たハリアーの姿も印象深いです。<ミネ
ルヴァ>はハリアーを邪眼のものとして見ました。これにより本
当の邪眼は<ミネルヴァ>ではなく人間なのだというのが痛感し
ました。

評価は「最高!」にします。藤田氏の作品はやはり完成度が高い
です。
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