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読み仮名: おとこおおぞら / 英語タイトル: OTOKOOHZORA
2007/12/13 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by パチモン 評価履歴[良い:100(81%) 普通:14(11%) 悪い:10(8%)] / プロバイダー: 2362 ホスト:2297 ブラウザー: 4184
「男組」の次に連載された雁屋・池上コンビの作品。初期の頃は旧来の財閥vs新興財閥の殺し合いという構図でそこに無理やり学園モノの要素を導入するといういささか無理がある物語が展開していくが途中から教育論的な内容を含んだ精神的闘争路線に転換した。この路線転換は同時期に「野望の王国」が連載されていたので雁屋の暴力性や権力への性向があちらで発散されたのでこの作品では精神な理想論に重きを置いた話になったと思われる。
主人公とライバルの対立の構図は男組のそれを援用しており二人の思想闘争的色彩が男組より精神性が強くなった分細かく描かれておりライバルの鬼堂凱は当初は日本の財界を支配するのが目的だったのが途中から主人公の祭俵太に武術においても思想においても凌駕する事を目的とするようになっていた。恐らく作者はニーチェの超人思想をベースに鬼堂を描いているように思われる。対する主人公の祭俵太は自分の家族や仲間を鬼堂家に殺され深い怨恨があるのに最終的には鬼堂を殺さず許す事で勝つ辺りキリスト教的な「愛」を打ち出す姿勢が見て取れる。この「暴力」と「愛」の対比の構図は梶原一騎の得意とするところだが雁屋も同じ方向に行った辺り時代性なのか暴力表現に疲れると最後は救済を求めるのかと考えさせられる。
男組や野望の王国のファンからは「奇麗事の多いヌルい作品」と批判される事が多いが個人的にはこの作品での「奇麗事」がそんなに嫌いではない。暴力による負の連鎖はどこかで断ち切らないと永遠に終わらないしどこかに救いがあってほしいと思うので。
男組でクローズアップされた中国拳法ネタは更に深くなり恐らく日本の漫画において最初に寸勁が登場している(「空手三国志」の寸勁は指を使って切りつける技術であり中国武術の寸勁とは別物)し、神骨拳法は骨法の設定に酷似している(骨法の方が真似たのか?)ところなどが後の漫画を色々先取りしてる感あり。
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