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| 作者:桂正和 掲載誌:週刊少年ジャンプ1989年51号から1992年31号まで連載。 出版:集英社 単行本;全15巻(ジャンプコミックス)、全9巻(愛蔵版)、全9巻(文庫版) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:1989 / 終了日:1992 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 最終変更日:2008/03/16 / 最終変更者:暁に吠え猛る獅子 / その他更新者: 羽幌炭鉱 / 提案者:爆音 (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| [推薦数:1] 2005/12/15 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 神 賢一 (表示スキップ) 評価履歴[良い:50(82%) 普通:5(8%) 悪い:6(10%)] / プロバイダ: 7706 ホスト:7387 ブラウザ: 5234 初期の代表作『ウイングマン』以降、暫く長編を連載していなかった桂正和の久々の長編連載にして、氏の代表作となった作品。 平凡な現実社会に生きる少年とファンタジックな虚構による、少年の成長を描いた作品は桂氏の真骨頂とも言え、丁寧に描きこまれた作画も相俟って非常に高い人気を博した作品である。 以下は主に「あい編」を中心に述べていく。 主人公である高校生・弄内洋太は友人から「モテナイヨーダ」と揶揄されるとおり、これまで一度も彼女が出来たことがないモテない平凡な少年である。これは先で述べた『ウイングマン』の広野健太が平凡な中学生であったのと相似する状況である。 同時に、当時は中高生の男女交際と言うのは現在ほど盛んではなく、特に中学時代などは同級生と交際していることが発覚した時点でクラスの晒し者となるような時代であり、ごく普通の男子中高生は洋太同様に彼女など出来たことがないというのは一般的であったため、自分自身を洋太に重ね合わせる部分が多分にあったと思われる。 洋太がそうであったように、当時は10代後半の男性向けファッション誌が流行になっており、いわゆる「マニュアル男」(大抵は「勘違い男、になるのだが)が多く存在した時期でもある。そう言う時代背景も加味して見てみると、洋太と言う存在はシンプルに抽象化された「一般的な」高校生男子であったことがよりはっきりと見えてくるであろう。 その洋太がふとしたきっかけで、本来は現世には存在しないビデオショップ「GOKURAKU」で一本のビデオを借りたことが、その後の洋太と彼を取り巻く友人たちを変えていくきっかけとなっていく。 借りてきたビデオに映った少女「あい」が画面から抜け出て、現実側に飛び出してくると言うアイデアは過去の何かのオマージュであると思われるが、桂氏は既に本作の前身となる短編においてこの手法を披露している。 母親は早くに亡くし、父親も殆ど不在で一人暮らし同然で寂しい生活を送っていた洋太にとって、目の前に好みの(だから「あい」のビデオを借りた)女の子がまさに「飛び出して」来たら、嬉しい反面驚くと同時に慌てるのも当然であり、しかもビデオデッキの故障で戻ることが出来なくなったあいとの生活は状況として「おいしい」ながらも「戸惑い」続ける洋太に、共感と羨望を持って読み進めた読者も多いことではないだろうか。 クラスメイトであり、洋太の憧れでもあるもえみの存在と言うのも、同世代であれば恐らく男女を問わず共感するところが多いと思われる。身近にいながら手を触れることがかなわない憧れの存在と言うものは、思春期を真っ当に過ごした人であれば誰であれ感じたことがあるものではないだろうか。 それに対し、いきなり現れた身近すぎる存在のあいとのギャップ、そして過ごした日々により、洋太の心情の変化が表情にも顕れ、いつしか「モテナイヨーダ」であった洋太にも彼女ができ、恋の喜び、そして本当の恋の苦しみを味わうことになる。 その最たるものが、ビデオショップGOKURAKUの主人(じいさん)によって導かれた、心情世界においてあいを取り戻すための試練の場面であろう。脆く崩れやすく、そして自分自身を傷つけるガラスの階段を踏みしめるように昇り続ける洋太は、既にモテなくマニュアルに頼る普通ながら情けない男ではなく、自分の意思で何が本当に大事なものなのか理解し、愛する者を取り戻すために覚悟を決めた一人前の男の姿であると言える。 それまでのもえみへの恋心や、伸子と重ねた日々も、貴志との確執も、最後に自分の選ぶべき道へと進むための糧であり、それがあったからこそ洋太は洋太として、一人前の男としてあいを取り戻しに向かうことが出来たのだと思われる。 なお、「あい編」に続き連載された「れん編」であるが、大反響で迎えた「あい編」エンディングの直後と言うこともあり、序盤の展開の速度がかったるく感じられたのか、読者から不評であることを理由に打ち切られてしまっている。 伏線の展開、「あい編」との絡み、キャラクターそのものの個性も含めて、私としては期待できる内容であったと思っていただけに残念である。正直言えば、1年ほどあえて間を開けてから「れん編」を始めていれば、読者の反応も全く違ったものであったのではないかと想像している。 余談であるが、桂氏は本作において、原稿用紙が極めて綺麗であることが関係者からの話でわかっている。通常、漫画家は原稿を執筆している時にミスなどがあると、用紙を切り貼りすることは珍しくないのだが、桂氏はこだわって一枚の原稿用紙で1ページ分を書き上げる気概で挑んでいたと言う。 但し、その為に桂氏はもちろんのこと、アシスタントには非常に負担を強いることになり、「週替わりアシスタント」と揶揄されていたことも事実である。 とは言え、丁寧に書き込まれた美少女キャラクターによる魅力的な絵はそれだけで秀逸であり、その努力と言うのはプロ意識の表れであることを鑑みれば、決してマイナス面だけを強調すべきことでは無いと考えられる。 その後の少年誌において、本作に触発されたと推測できる恋愛作品と言うのは後を絶たないことを考えても、本作品の影響力は理解できるものだと思われる。 この評価板に投稿する |
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