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漫画評価: 456位 <= 457位(4,056作品中/偏差値51.54) =>458位

奇子〜AYAKO〜 (漫画)

読み仮名: あやこ
総合情報評価
(評価投稿)
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(本/漫画)
直近発売の本/漫画: 2003/12 ()奇子(あやこ) (下巻) (KADOKAWA絶品コミック)
本/漫画(15件)
売上/新着
147332
文庫:奇子 (上) (角川文庫)

参考:\609
1996/06
()

1.奇子
149627
文庫:奇子 (下) (角川文庫)

参考:\609
1996/06
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1.恐ろしい世界
427506
単行本:奇子 (下巻)
参考:\1,121
1989/08
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1.恐ろしい世界
649136
単行本:奇子 下 奔流の章
参考:\632
1985/11
()
694448
単行本:奇子 (上巻)
参考:\1,121
1989/08
()

1.奇子
863400
単行本:奇子 上 深渕の章 (1)
参考:\632
1985/11
()

コミック:奇子(あやこ) (上巻) (KADOKAWA絶品コミック)

参考:\500
2003/12
()

1.素晴らしい 手塚治虫は本物だ

コミック:奇子(あやこ) (下巻) (KADOKAWA絶品コミック)

参考:\500
2003/12
()

コミック:奇子(あやこ) (1) (手塚治虫漫画全集 (197))

参考:\591
1981/08
()

1.救いのない話

コミック:奇子(あやこ) (2) (手塚治虫漫画全集 (198))

参考:\591
1981/09
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1.天下一家の不気味さ
作品紹介(あらすじ)

復員後、天外仁朗が久しぶりに帰る天外家は人間関係が汚れきっていた。
そしてGHQの秘密工作員として働く仁朗にある指示が・・・。

弟に密告され、警察に追われる身となった仁朗。だが兄・一朗は天下の家名を守るため仁朗を逃がし、
奇子の死亡届を出し地下牢に幽閉してしまった。村人の記憶から消し去られ、のろわれた出生を背負った
奇子は、地下牢で成長していく。

地方旧家、天外家の人々と、戦後史の裏側を描く問題作。

作者:手塚治虫
掲載誌:ビッグコミック
出版:小学館
連載開始日:1972(日本) 連載終了日:1973(日本)
公式サイト
1. Tezuka Osamu @World -奇子(あやこ)-
最終変更日:2007/01/09 22:02:07 / 最終変更者:孔明 / その他更新者: TCC / 提案者:ブリッジ (更新履歴)
評価統計(1日1回定時に更新)
 評価平均漫画評価順位偏差値評価ポイント最高の中の最高
日本とても良い(2.17)457位51.5413.02 

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1. 2008/02/29 とても良い by 634 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:1380(50%) 普通:541(20%) 悪い:851(31%) 推薦人:51 推薦評価:165] / プロバイダー: 10780 ホスト:11021 ブラウザー: 6342
一言で言えば、手塚治虫版『マタンゴ』とか『蝿の王』、または『八つ墓村』や『犬神家の一族』といったところでしょうか。とにかく暗い作風で、その意味では手塚作品の中では一番暗いものかも知れません。重いトーンと醜い人間模様に、結局はエゴによって引き返せる場を引き返そうとしない部分があり、その為に破滅へと向かっていく・・・という場面と、どんなに醜い人間の行動や素顔を映し出していても、それでも人間の希望とか、美しさを描いていた手塚作品の中では徹底的にダークサイドを描いたストーリーであり、『アラバスター』などにも近い作風ですが、えげつなさを描くという意味ではアラバスター以上です。

登場人物はどれも救いが無く、皆が自分自身のエゴで動いていき、全てが狂っていく・・・というものですが、この当時、作者はスランプに陥っていたという事もあったし、その中で描いた部分もかなりヘビーでした。そういった部分も本作の特徴でしたし、その中で妖艶な女性となった奇子が美しいのに、何故か抵抗を感じてしまう・・・というキャラクターになっていました。こういった毒の強さを出せたのも、さすが漫画の神様という印象を強く訴えました。

本来ならもっとこの作品は長期連載になるはずだったのですが、あまりにも毒が強すぎる作風だったのか、連載が打ち切られたような感じです。しかし、こういった作風の凄さを漫画の神様はよく出せたなと思うことしきりです。今だったら、こんな生々しい作風を書ける人は少ないと思います。

18禁のエルフゲームの『河原崎家の一族』のシリーズにも本作(とゆーよりも、横溝正治作品の印象が強いが)の影響を受けたような匂いがあるし、人間の醜さが、奇子の美しさとの対比として、作風に出ていたし、実際に家庭内での虐待や、拉致・監禁みたいな事が社会に大きな衝撃を与えた・・・という事件は今も起こるのだし、乱れた世の中に今をある意味、神様本人がこのような形で描いていた・・・というのは飛躍でしょうけれど、実際の現状を思えば、本作で描いていたことが・・・と思うと重い気持ちになります。

事実は小説よりも奇なりとはいえ、今の時代と、本作の内容を見比べていくと、絵空事では無かったようにも思えるし、人間のダークサイドを知らなければ、人は自分自身とも向き合えないとも思えるし、重いトーンの本作から学んだ絶望とエゴという側面は、真っ白なままでは生きられない人間というものを映し出していたといえそうです。

もう一度見るのには抵抗がありますが、非常に心に残る作品でした。
2. 2008/02/04 良い by pooh [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:25(62%) 普通:6(15%) 悪い:9(22%)] / プロバイダー: 2899 ホスト:2770 ブラウザー: 5234
「とても良い」の評価にしようか迷ったぐらいの考えさせられる作品でした。背景は暗いですが、人間の醜さを見事に描いています。
3. 2007/06/19 最高! by ぼっこ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:39(43%) 普通:2(2%) 悪い:50(55%) 推薦人:4 推薦評価:3] / プロバイダー: 12661 ホスト:12632 ブラウザー: 2753(携帯)
まさに、毒気を帯た"手塚作品"。

舞台は、戦後間もない地方。古くからの地方独特な閉鎖感がある、かなり歪んだ家系図を持つ旧家です。

そんな中、影の仕事をする主人公が義理の妹を殺害する証拠の鍵を、幼い"奇子"が握ってしまいます。更に奇子の事実上の父が財産に目がくらみ、様々な醜い人間の感情の吐け口として、幼い奇子は地下の古い蔵に閉じ込められてしまいます。

この"奇子"の描写"がすばらしい…。

蔵から僅かにかいまみえる外の景色や雨音が最高の楽しみであったり、蔵で初潮を迎えてしまい戸惑うシーンなど。

更に同情の延長なのか、責任からの感情なのか、血が濃く繋がりすぎる末の義母兄と、古い蔵で幾度となく体を重ねてしまうタブーを犯します。

やがて奇子は、"雨音"よりも“性への快楽“に執着してゆきます。

心はまだ幼女で純心無垢でもあるが、蔵の中で唯一知ってしまった性に執着するという、かなり難しい登場人物ですが、さすがは手塚氏。見事にえがききっております…。

母譲りの美貌、周囲の醜さを知らない無垢さと無知さ。まさに作中にある"マネキン"とゆう表現がマッチした人物像。

不気味な程に妖艶な女性として成長した彼女がふとしたきっかけで、とうとう蔵から普通の世界に脱出します。

奇子に歪みの皺寄せを全て押し付けていた旧家の人間達は、逆に全ての鍵を握る彼女が脅威となり、少しづつ脅かされてゆきます…。

ここまで人間同士、特に血の繋がる一族というものの醜さをえがいた作品は、この作品以降、現れる事は無いでしょう。

しかし醜さの中で唯一美しくみえたのが、末の義母兄の奇子への深い愛情…。

親近相◯というタブーを背負いつつ、最期の最期まで彼女を愛しつづけた末の義母兄は、奇子と共に、読者も救われていたかと思います。

手塚作品に抱きがちなイメージ、暖かいヒューマン劇では決してありません…。
戦後・地方・旧家・裏仕事・親近相ka…などなど、毒のある作品に抵抗が無い方はかなり楽しめると思います。

私的に、有無を言わず「最高」と評価致します。
4. 2007/06/18 とても良い by 清流滝哉 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:227(69%) 普通:35(11%) 悪い:69(21%) 推薦人:2 推薦評価:2] / プロバイダー: 2897 ホスト:2718 ブラウザー: 4184
今までブラックジャック、三つ目がとおるしか手塚作品は読んでいません。(あとは本当にマイナーもの)
ただこの話は本当に重かった。そしてけっこうエロかった記憶があります・・・・。
奇子は小さい頃に地下牢に閉じ込められそこで成長してきた。
小さい頃にはお涼を殺され、そして閉じ込められて死亡届まで出されてきた。
当時まだ私が小学生ぐらいの頃にこっそり読んでた記憶はありますが、この作品があまりにも衝撃的だったためか、大人になってまたもう1度読んでみたいという思いがあります。
この話を読んで手塚作品のこういった路線も新鮮なのではないかと感じさせられました。

評価は「とても良い」で。
5. 2006/08/17 最高! by HUNGRY SPIDER [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:168(41%) 普通:64(16%) 悪い:174(43%) 推薦人:45 推薦評価:70] / プロバイダー: 4807 ホスト:4512 ブラウザー: 7395
18年生きてきて、漫画でこれほどの衝撃を受けた経験はない。もっと早く出会っておればと、本気で後悔した経験も本作が初めてだ。

俺は人間のダークサイドというべき目を背けたくなる部分を描いた話が大好きだ。例えば宮崎アニメだが、あれは面白く楽しいストーリーにそっと暗さを潜ませる描き方をしている。本作はそれとは打って変わって、人間の醜さというものを「もうやめてくれ!!」とこっちが音を上げてしまうくらいに真正面から描ききっている。こんな話が書けることこそ、手塚治虫という人間がいかに強靭な精神や壮絶な知性を持ち合わせていたかを物語るように思う。本来人間には内部的にも痛みを避けるために醜い部分から目を背けるという機能が備わっているが、敢てそこから目を背けず、人間の、そして恐らくは自らの醜さと対峙しながら描いた手塚氏の姿が浮かぶようだ(実は手塚氏は「異例の女好き」だったようであるが(笑)、もしかしたら士郎は彼自身をモデルにしたのかも)。その為には自らの醜さを知らなければならないが、それがどれ程辛く苦しい作業かは想像に難くない。それを成し遂げた手塚氏には、最大の尊崇を抱いている。

それにしても「奇子」という名前はどうだ。どんなイカガワシイ漢字を並べた名前よりもエロティックなようで、最高に高尚な漢字の名前よりも澄んでいるようでもある。それはまさしく、彼女の存在を暗示しているように思える。穢れを知らぬが故に、汚らわしい行為を平気の沙汰でやってしまう、誰よりも「場慣れ」しているように見えて、誰よりも幼い美少女。幼さとは裏腹な女の体を持つ彼女の不思議な妖艶さはきっと真似できないだろう。しかし皮肉なことに、彼女の妖艶さは天外家の醜さ・彼女の不遇の運命によってしか際立つことがない。生きることすらも許されない日陰の暮らしという不遇故に、日の光で照らし出される醜さも知らず、そのことが奇子の特権になろうとは。本当の意味で彼女は汚れずに美しくなる。そして彼女が美しくなればなるほど、外界の人間の汚さが浮き彫りになる。証拠に、奇子は他の登場人物と描かれ方がかなり違っている。

上記の通り手塚氏自身が士郎のモデルだとしたら、本作は彼のペシミスティックな精神的現実であり、奇子という存在は、そんな現実から救われたいという彼の念が作り出した幻想だったと言えるかも知れない。とすれば彼女の成長とは、現実の醜さを知る中で膨らんでいく救済への欲求を表しているとも言えるだろう。醜き本性を知るほどに、自らにない美に憧れる。そんな切なさも、奇子の美しさを見るにつけ感じたものだ。最後のシーンでボロボロになった奇子の姿は、手塚氏が追い求めた精神的終着点だったのかも。醜き人間は全て死に絶え、汚れを知らぬ彼女だけが息も絶え絶えに笑っている…

重い。何て重い話だろう。俺は本作を読むと、重さで押し潰されそうになる。手塚治虫は「アトムが空を飛ぶ」だけのイメージで片付くほどわかりやすい人物ではないことが、十分過ぎるほど実感させられる。彼が漫画の神様と呼ばれるに相応しい人物であることも。俺のような小人は、その偉大な才能と努力の前に、ただ平伏すしかできない。本作の完成度は、それほどのものであると俺に映っている。
6. 2006/01/27 とても良い by ブリッジ [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:86(60%) 普通:13(9%) 悪い:45(31%) 推薦人:3 推薦評価:3] / プロバイダー: 40764 ホスト:40686 ブラウザー: 5234
鉄腕アトム、ブラックジャックなどとは違った手塚治虫先生の怪作。
戦後の没落地主である天外家の人間模様を中心に、戦後史最大の謎である下山事件(作中では
霜川事件)を絡めてストーリーが展開します。

この漫画の魅力はやはり天外家の人間関係にあると思います。土倉の地下に23年間もいれられた
奇子を中心に、彼女を取り巻く人間関係は正直言って暗いですが、非常に考えさせられる話に
なっています。

手塚治虫という人はスポコン以外なんでも書いたみたいですけど、各作品のクオリティの高さも
相当なものですし、漫画の神様と呼ばれるのも分かる気がしました。
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