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陽炎座


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読み仮名: かげろうざ / 英語タイトル: Kagerouza

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2007/09/16 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by どうか Kappa と発音してください。 評価履歴[良い:139(32%) 普通:190(43%) 悪い:108(25%)] / プロバイダー: 4926 ホスト:4780 ブラウザー: 4184
『ツィゴイネルワイゼン』、『夢二』と合わせて「大正浪漫三部作」と呼ばれる作品の2作目。

前作『ツィゴイネルワイゼン』で娯楽作品を撮ったつもりが、芸術作品として評価されてしまい、腹を立てたのか、やる気になったのかはわからないが、芸術作品を創ってやるよというスタンスで制作された作品だ。
このことから前作よりもさらに作品全体は難解になる。しかも原作が泉鏡花ということもあり、その奇異な映像空間はさらに摩訶不思議な世界となっている。映像もさらにその独特の美意識を強調すべき撮り方となっている。そして前作同様に女性を魔物のように美しくも恐るべき存在として扱い、その妖艶さを全面に広げている。

ともかく全体的に思い付きとも思える映像を強引につなぎ合わせ、それぞれを誇張表現していくような展開が終始続くのだ。現実と夢を交互に、しかも何の前触れもなくパカパカと切り替えていくことで、観賞者はさらに夢の深いところに連れて行かれるようだ。
この夢のような世界というのが、いわゆる"あの世"なのだが、その吸引力は凄まじい。そこに存在する女性たちは絶世の美しさを見せてくれる。
そして口から朱いホオズキがこぼれ、水でいっぱいの桶にホオズキが溢れてくる映像は感動的とも言える。この作品では赤と黒をうまく際立たせている。それは闇の中で蠢く血のような生々しさを感じるほどにだ。

生と死の狭間で翻弄される松崎(松田優作)は人形の会で己の死後の世界を垣間見る。彼は恐怖し、品子(大楠道代)から逃走する。が、夢(死の世界)と現実は交錯し、一つの現実として存在することを知るのだ。女の怨念ともいうべき結果が恐ろしい。

それにしても、楠田枝理子演じるイネが面白い。日本人が髪の毛金髪にして、ドイツ人を演じている。彼女の背の高さや西洋的な顔があるとはしても、かなり強引だ。ただ、すでに変な世界なので極端な違和感を覚えないところがある。
また当時、アクション俳優として有名だった松田優作に対して、監督が直径1メートルの円を描き「この中から出ないような演技をしてください」と指導し、彼の新境地を開かせたというエピソードは驚きだ。確かにそこにアクションスターとして動きはなく、内なる情熱を秘めながらも、悩める頼りない劇作家なのだ。

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