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[ゲーム]サイコドリーム


Psycho Dream
ゲーム総合点=平均点x評価数3,535位/4,566作品中(総合0/偏差値47.30) 3,534位<= =>3,536位
1992年ゲーム総合点109位/141作品中 108位<= =>110位

直近発売のゲーム 1992/12/11 ():PSYCHO DREAM 9,345
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24404
Video Game:PSYCHO DREAM

9,345
1992/12/11
()
1623621
新書:サイコ・ドリーム 1 (プリンセスコミックス)

398
1993/12
()
514320
CD:ブラック

2,548
1997/06/25
()
51068
VHS:サイコ・ドリーム [VHS]

15,572
1989/02/23
()
      
評価統計
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評価総合点0.00
ゲーム順位(総合点)3,535位(4,566作品中)
偏差値(総合点)47.30

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制作:RIOT
機種:スーパーファミコン
日本 発売日:1992/12/11(金)
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「来ないで…私を探さないで…」
儚く消え入りそうな声とともに、少女は暗い廃墟を駆けていく。やがてその姿は見えなくなって…
これが本作「サイコドリーム」のCMだ。ゲームであるということ以外、何がなんだかサッパリわからないCMだ。プレイ内容はおろか、作品のジャンルすらも明らかにはされない(MOTHER2もそうだが、あれは前作があるため予想は立てやすい)。しかし、一旦それを目にしたことがあるなら、本作がどれほど「普通でない」ゲームなのかと思うだろう。

もっとも私はそのCMに触発されて本作をプレイしたわけではない。なんのことはない、例によって中古屋を物色していた折、たまたま目に留まったからプレイに踏み切った(マイナーだったのか、なかなか値の張る買い物だった…)。だが、「サイコドリーム」という怪しげなタイトル、水中を思わせるバックに浮かび上がる毒々しいピンクの文字から、当惑と好奇の両方を感じたことは確かだ。そのときの私は、本作のCMを目の当たりにした方とあまり変わらない心境にあったのだと思う。


とまれ、前口上はともかく、さっそく内容に移ろう。
まず、本作のジャンルは、スタンダードな2Dアクションゲームだ。2人の中からプレイキャラを一人選び、ジャンプやダッシュに武器(アイテムによって近距離型と遠距離型を変えられる)、ときどき必殺技を駆使してステージを進み、ボスを倒していく。やることはそれだけだ。では、一本のアクションゲームとしてのみ考えるならば、どんな作品なのだろうか。

ダッシュの際に使うボタンがL/Rというのはかなり異質で、マリオ等メジャーどころに慣れたプレイヤーにとっては違和感がある…というのは、単に慣れの問題でしかないのでよしとするにしてもだ。ボタンの利きがやや悪い、ダッシュとジャンプ力の折り合いがわかりにくいなど、元の操作性が高いとは言えない。また、キャラによって多少の違いはあるものの、攻撃範囲が狭い上に、敵の当たり判定もザツだ。特にボス戦では、当たっているはずなのに利いていないことが多い。それに、近距離型と遠距離型の2種類のメインウェポンを使い分けられるとはいっても、遠距離型はモーションがとかくスローなので役立たずなこと甚だしく、ゲーム性を高めるソースにはならない。

このように、プレイキャラの性能自体は良いとは言えない。だが、そうであってもステージを進むことにはあまり支障が出ていない。というより、ステージの仕掛け、難易度面に手加減があったからこそ、操作性が少し悪くてもプレイできる水準に留まることができたと言えるだろう。
これはどこのステージにも共通することだが、敵の量があまり多くないし、飛び道具を使ってきたところで殆どが直線的な軌道しか描かない。また、敵の質…即ち出現パターンにしても、多彩にみえるが場面場面でほぼ固定されている。そのため、操作に慣れさえすれば、処理も割に難しくないのだ。それから、これも大きな特徴だが、本作では「即死トラップ」をはじめとする地形的な罠の類が少ないので、ほぼ敵との勝負に限定されがちだ。それでいて手持ちのライフは多く、残機の概念こそないもののコンティニューは無限にできるため、「詰み」は起こりにくい。つまり、あまり難しいアクションゲームではない、ということだ。
それに、本作のボリュームは全6ステージとやや小粒ながら、その中にエレベーターあり縦スクロールありジェットコースターあり、なかなかの多彩さをみせてくれるし、ボスの類はそれぞれが独特のパターンを持っていて、戦い方をしっかり確立している。つまるところ、「操作性の悪さをステージ構成でカヴァーしている」といったところか。

だが、だから良いアクションゲームかと言われると、残念ながら違う。ここで問題になってくるのが、かなり杜撰なバランスだ。ステージ構成の価値を粉砕するほどではないが、ケチはかなりつけてくる。
先述の、武器の使い分けの価値がないこともそうだが、それ以上にプレイキャラで問題なのは、パワーアップシステムだ。本作では、シューティングゲームにあるように、敵を倒せば出現するアイテムを取ることによってパワーアップするのだが、とある条件を満たしてメインウェポンが最強になったとき、途端にチート劇場が開幕する。その効力は6方向の反射ビームおよびホーミング弾で、しかも脅威的な弾速を誇り、その上3回敵に接触しなければ使い続けられるので、本作のやや少ない敵の量では、「強い」を通り越してしまっている感がある(ワギャンランドもそうだろうという批判もあろうが、あれはしりとり等の知力勝負がメインであるため、さして進行に影響を及ぼしていない)。ボスにしても、近距離攻撃を前提に設定されている以上、最強装備を使っていると最早、勝負にすらならないケースが多い。
それに、申し訳ないが、先程の「難易度はさして高くない」というのには、当てはまらない局面も存在する。それは6面およびラスボス戦で、これまでと比べて急激に難しくなっている。特にラスボスは、パターンの嫌らしさもさることながら、当たり判定、守備力設定がこれまで以上に酷いため、強いことは強いが、「悪質な強さ」を実現してしまった。そういう時こそチート…もとい最強装備を使えばいいだろう、と言えなくもないだろうが、6面はそれに必要なアイテムが出ない上、難易度自体が高いため、最強装備のままラスボスに辿り着くことすら困難だ。

…以上、本作はアクションゲームとしてのみ考えると、あまり優秀とは言い難い。確かに多彩ではあるが、調整面の粗さが目立つ、惜しい作品だ。


これだけなら、恐らく私の評価(感想)は「悪い」辺りに落ち着くだろう。しかし、実際はそうでもない。ゲーム性の弱さをフォローするポイントがあったからだ。
ここでようやく、冒頭に掲げたCMの話が登場する。暗く儚げで、どことなく常軌を逸した感のあるCM…本作の説明書を読んでプレイすると、なぜ、あのような作りになっていたかがわかる。

「サイコドリーム」…精神病的な夢、たるタイトルは、誇張でもなんでもない。なぜなら、本作の舞台は、CMに出てきた少女(サヤカという)の、文字通りの夢だからだ。「夢の世界が舞台」といえば、かの悪名高いキテレツ大百科を思い出してしまうし、あれも実際、夢にかこつけてかシュールな精神世界としか言いようがなかったが、本作は最初から、その精神世界を狙って作られているようだ。もう少し詳しく申せば、本作でプレイキャラ(リョウとマリア、とある機関のエージェントである)が冒険する夢世界というのは、母親の理不尽な仕打ちに耐えかねて逃避したサヤカの、様々な想いが渦巻くところで、先に進めば進むほど、彼女の深層心理に迫っていくことになる。

それだけに、本作で描かれている映像は、恐ろしく異様で、歪で、儚げだ。行く手を阻む敵の姿は、まるでホラー映画の怪物のようであったり、おぞましい蟲であったり、胎児を彷彿とさせたり。ふと背景をみると、整然としたビルの窓が全て割れていたり、新宿駅(実名が出てくる)に人がいないかわり奇妙な怪物で溢れ返っていたり、綺麗な桜が咲いている向こうで都市がゆらゆらと揺れていたり。中でも強烈なのは3面と6面だが、ここはあまり詳しく書きたくない。興味のある方は、是非ともご自身の目で確かめていただきたい。とまれ、これらの映像は、「美しいものと醜いもの、相反して然るべきものが同居すること」で成り立っていて、それが喚起させる気持ち悪さは大変なものだ。

加えて音楽も電波系を地で行くかの如く異様さを放っている。どこに行っても高音が醜くうねり、プレイヤーの頭を劈く。もし、本作のような曲を「普通の」ゲームで使っていたとしたら、私もひとこと「攻撃音波」と言って終わりだろう。だが、最初から精神を病んだ者の夢が舞台である本作では、斯様に醜い音が却ってその毒々しさを引き立て、またとない世界を形作る。マッチングだけを考えるとするならば、最も「合っている」部類に入るわけだ。

そのため、本作はゲーム性云々以前に、世界観で大いに人を選ぶ。私とて第一印象は「気持ち悪い」のひとことだったゆえ、早いうちに投げ出されたとしても、不思議だとは思わない。だいたい、オープニングの子供の泣き声を聴いて、何人が耐えられるものだろうか…などと考えてしまう。だが、斯様な気持ち悪さをある程度耐え忍んだとき、途端に本作の面白さが開かれてしまう。様々な不快感を催す映像や音楽が、実は驚くほど示唆に富んでいる、刺激的なものとして感じられてくる(こういうことを、カルト的な愉しさというのだろう)。そしてそのような目でみてみると、作中で示される画が、それだけで恐るべき情報量を持っていることに気付かされる。

例えば3面ボスの演出はサヤカの「来てほしくない」「助けてほしい」という2つの想いが形になったもので、6面ボス(ラスボス)は彼女のトラウマと求めていたものが奇妙に融合したもの。このように、一々に想いを巡らせていくことができてしまうわけだ。なお、背景についてはマニュアルに詳しいので、プレイ前は是非とも参照されたし(逆に言えば背景を知らないと「出来のよくないアクションゲーム」にしかならないかも知れない、本作はゲーム中で一切、斯様な情報を言葉で提示しないのだから)。

このような本作をして、「雰囲気ゲー」と仰る方は多い。とある方は抒情性について言及しておられた。現在の私としては、納得することしきりである。確かに本作に於ける最大の売りは、精神世界の異常性と、その行間に潜む少女のメッセージに宿っているのだろう。それを汲み取れるならば、本作は非常に刺激的な作品となるに違いない。だが、誰もがというわけにはいかないと思うし、世界観が受け入れられない場合、それこそ「最悪」だろう。


…以上、本作はタイトルと、そこから溢れ出す怪しさを一切裏切らない、正真正銘のカルト作品だ。ゲームとしての出来はあまり良くないが、キナ臭さ満点の異様な世界は、それを補って余りある。だからこそアクが強すぎ、誰にでもオススメできるゲームとは言えないけれど、もし興味を持たれたら、或いはカルティックな雰囲気への耐性に自信を持っておられるならば、プレイしていただきたいと思う。
「イデアの日」クリアからこれほど早く、「怪作」と呼べる作品に出会えるとは思ってもみなかった。私の本作に対する評価(感想)は「普通」とさせていただきたいと思う。

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