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私は貝になりたい(1958年TVドラマ版)(ドラマ)


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読み仮名: わたしわかいになりたい / 英語タイトル: Watashiwa kaini naritai
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自由形式掲示板日記
2007/10/01
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(DVD)
直近発売のDVD: 2008/10/24 ():私は貝になりたい <1959年度作品> \4,725
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VHS:私は貝になりたい
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1995/01/27
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1.涙が止まらない
3901
私は貝になりたい <1959年度作品>

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2008/10/24
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55271
真実の手記 BC級戦犯加藤哲太郎 私は貝になりたい

参考:\3,990
2008/02/27
()
16814
単行本:私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び

参考:\1,680
1994/10/25
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1.BC級戦犯による反戦への思い
104565
単行本:私は貝になりたい

参考:\1,575
2008/01
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111341
新書:BC級戦犯裁判 (岩波新書)

参考:\777
2005/06
()

1.まさしく名著です。
123614
単行本:私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び
参考:\1,680
1994/10
()

1.第2章 「戦争は犯罪であるか」はすべての日本人必読

:私は貝になりたい (1959年)
1959
()

単行本:反骨と愛の劇世界―乾一雄作品集戯曲編
参考:\2,548
1996/10
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65452
CD:ゆれる

参考:\822
2007/08/22
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1.のめり込みますよ
作品紹介(あらすじ)

清水豊松は家族3人、高知で理髪店を営む、気は弱いけどごく普通の市民でした。陸軍に招集された清水は、墜落したB29から脱出したアメリカ軍の捕虜を銃剣で突くように上官に命じられます。そして…。
復員した清水は、再び理髪店の仕事に精を出していました。そこにある日突然MPがやって来ました。清水を捕虜虐待の容疑で戦犯として逮捕するというのです。やがて軍事裁判が始まり、被告席で自分の境遇を懸命に訴える清水でしたが、下された判決は過酷なものでした。

演出:岡本愛彦
物語・構成:橋本忍
題名・遺書の原作:加藤哲太郎
放送:KRT(現TBS)

●出演
清水豊松:フランキー堺、清水房江:桜むつ子 、清水健一(子役):平山清、役場(赤紙配達係):増田順二、木村軍曹:清村耕治、下士官:小松方正、滝田二等兵:熊倉一雄、通訳:田中明夫、同房の死刑囚:内藤武敏、教誨師:河野秋武、弁護人:J・ファーネス、日高大尉(中隊長):南原伸二、矢野司令官(中将):佐分利信、 他
放送開始日:1958/10/31(日本) 放送終了日:1958/10/31(日本)
最終変更日:2007/09/29 21:32:23 / 最終変更者:37moto / 提案者:37moto (更新履歴)
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2008/01/05 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 37moto 評価履歴[良い:99(99%) 普通:1(1%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 16891 ホスト:16931 ブラウザー: 7133
太平洋戦争中、召集を受け従軍したごく普通の市民が、終戦後BC級戦犯として裁かれる姿を通じて、戦争の悲惨さ
を問いかけるTVドラマ。1959年に映画化、1994年にリメイク版TVドラマ(主演は所ジョージ)、2008年に再度映画化
予定。本稿で述べるのは1958年制作のオリジナル版TVドラマ(主演はフランキー堺)=芸術祭大賞受賞。なお、2007
年の同名TVドラマは別作品。

「日本TVドラマの金字塔」という評価が本作に与えられている事は、広く知られている通り。その一方、本作がど
のようなドラマだったかを実際に知っている人は、現在TVドラマの制作に携わっている人々でもそれほど多くはな
い。ちょうどアニメにおける「ハイジ」や「フランダースの犬」と同じように、作品内容そのものが理解されない
まま、ある種のうたい文句だけが先行してしまっている事は、本作にとって極めて不幸な事だと思う。多くの人が
一度は見ている、主人公が13階段を上ってゆく有名なシーンに至るまで、どのようなドラマが演じられたのかをしっ
かり見つめる事で、初めて「日本ドラマの金字塔」といううたい文句が鑑賞者にとって妥当かどうかが確かめられ
るだろう。クララが立つまでの物語を、ネロが天に召されるまでの物語を、しっかり見つめるのと同じように。
その体験は、筆者にとってかけがえのないものになった。

本作のテーマは、まだ「戦後」という言葉がぎこちなく用いられていた当時としては、極めて重い(極東軍事裁判に
おけるA級戦犯の死刑が執行されたのは本作放映の約10年前=1948年12月)。細かいことだが、豊松らの弁護人役とし
て特別出演したJ・ファーネスなる人物が何者か、当時の視聴者が理解していたのかを考えることは、極めて興味深
い。もちろん筆者は知る由もなく、後日真相を知ったときの衝撃はちょっと言葉では表現できない。彼にしても豊
松の「罪」を減じられなかったのか、という空虚な思いが、テーマの重みをより深めていくと筆者が気づいたのは、
さらに後のことだった。
ただ、それだけでは本作の意義を正しく表現する事は難しい。その重さをきちんと「重さ」として表現し、2時間弱
のドラマで見事に表現した演出の力強さがすばらしい。そして、その演出に見事に答えた俳優達の超絶的な名演が
あることで、初めて私達はこの作品が持つ重みから目を逸らす事なく、真摯に向き合う事ができる。この限りなく
深い、暗い、そして冷たい重みは、確かに堪え難いほど辛い。でも、それを感じ取る事ができる幸せは、他のどん
なTVドラマよりも深く、輝かしく、そしてあたたかい。本作には処刑室の扉が閉まってからごく短いエピローグが
つく事はほとんど知られていないが、そこに秘められたやり場のない怒りと人間のぬくもりという相反する二つの
感覚を、大切に感じたい。

本作がTVドラマ技術において重要な作品である=VTRを本格的に用いた事実上初めての作品=である事は、映像に興味
のある方ならよくご存知のところ。ところが、実際の放送映像を見ると、答えを知らない限りどこまでがVTRなのか
判別する事は容易ではない。予備知識なしで観た筆者は全く区別がつかなかった。
これには理由があって、当時の制作局ではVTRを編集する事は事実上不可能だったため、収録はやり直しなしの一発
勝負だった。要するに、生放送と同じ事をVTRでやっただけ。これだけ読むとずっこけてしまうところだが、それが
どんな効果をもたらしているか。OPで(おそらく生放送で演奏している)生オーケストラが(チャイコフスキーの第5
交響曲そっくりの)メインテーマを奏ではじめてから、エンドマークが表示されるまでの間、画面から絶えることな
く満ちあふれるエネルギーは、テレビの中に本物の俳優がいて、その全員が一世一代の名演技を繰り広げているかの
よう。
そして実際、彼らの演技はまさに一世一代と言ってふさわしいものだった。戦時中であってもささやかな家族の幸せ
を大切に思う豊松一家の姿(妻と息子がすばらしい名演)。判決での理不尽な刑に怒りをあらわにする豊松。自分の命
令で死刑に追いやってしまった男(豊松)に散髪してもらうかつての将軍。そして1日のうちに天国と地獄を体験する
豊松…ささやかな最後の晩餐をむさぼりながら「生まれ変わるなら、絶対金持ちになってやる」と涙ながらに教誨師
に叫んだ彼が、粗末な便箋に「お父さんは生まれ代わっても、もう人間になんかなりたくありません…」と書き綴る
に至る心境の変化は、まるで神が宿ったかのようなフランキー堺の演技によって、人間のもっとも崇高な理念にまで
到達したかのような感覚を私達に与えてくれる。これはうち震えるなんてものじゃない。涙なんか流すこともできな
い、もっと、もっと強い何かが、見る者の心を突き動かす。
…これを生放送で演じていたなんて、実際にこのドラマを観た今になっても、とても信じられない。もちろん、本作
の時空間のあり方は本質的に舞台演劇と同じということは百も承知だが、その生の舞台を撮影した番組をTVで観て、
ここまでの臨場感を味わえるかと問われると、答えは否だとはっきり言える。
それは、本作がTVドラマとしての演出を誠実に行ったから、それに俳優が見事に応えたから、そしてもう一つ、抜群
のカメラワーク・美術・照明効果があったから。本作の画面構成を古くさいなんて思う事なかれ。この力強い画面作
りはむしろ新鮮で雄弁。繰り返すが、それを生放送で破綻なくやってのけたスタッフの技術力の高さに、筆者は賛辞
を贈りたい。

本作に対して、例えば「戦争の被害者としての一面しか描けていない」という批判があるのは事実。でも、それは本
作を正しく評価しているとは言いがたいと筆者は考える。日本でTV文化と言えるものががようやく芽生えたあの時期
に、日本という存在そのものにとってまだ傷跡も生々しいテーマに挑んだことこそが重要であって、手塚治虫の「あ
る街角の物語」同様、その勇気をまずは称えるべきだろう。そこから広がる新しい視点に挑むのは、次の世代を担う
人々にこそ課せられるべき。作り手だけでなく、受け手である私達がそれに応えられているのかどうか、これこそが
もっとも大切なことではなかろうか。

…ああ、ダメ。2ヶ月かかっても筆者の筆力ではとてもまとめきれない。だけど、最後の最後に本作だけはどうしても
残しておきたかった。放送後半世紀を経ようとして、未だに「日本TVドラマの金字塔」という評価がもっともふさわ
しい本作に出会えた幸せを、筆者は忘れない。
この冗長な文章を最後まで読んでいただいた、辛抱強いあなたに一つだけお願いがあります。
本作は2008年1月現在、横浜市にある「放送ライブラリー」にて無料で鑑賞することができます(所ジョージ主演のリ
メイク版もあるので、見比べるのも一興)。
この作品を、どうか、観てください。
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