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| ドラマ総合点=平均点x評価数 | 551位/1,416作品中(総合3/偏差値49.99) | 550位<= =>552位 |
| 1983年ドラマ総合点 | 6位/13作品中 | 5位<= =>7位 |
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評価統計
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| 作品紹介(あらすじ)西武スペシャル「波の盆」はテレビドラマ部門で昭和58年度芸術祭大賞を受賞いたしました。 明治の末、ハワイへ渡った一人の男が、日系移民一世として生き抜いてきた今、年老いて日本とアメリカの二つの国の間で自分の帰るべき故郷を求めるドラマ「波の盆」は、私たち多くの日本人の心を揺り動かしました。(1984年2月4日、再放映時のOPナレーションより再録) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 制作:梅谷茂 脚本:倉本聰 音楽:武満徹 撮影:中堀正夫 照明:牛場賢二 美術:池谷仙克 編集:浦岡敬一 プロデューサー:吉川正澄、山口剛 監督:実相寺昭雄 製作:日本テレビ、テレビマンユニオン 出演 笠智衆、加藤治子、中井貴一、石田えり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:1983/11/15(火) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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| 最終変更日:2007/01/14 / 最終変更者:クラシ / 提案者:クラシ (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 2007/01/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by クラシ (表示スキップ) 評価履歴[良い:158(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 31117 ホスト:30989 ブラウザ: 2876 私にとっては実相寺監督の新作をリアルタイムで見られる最初のチャンスでした。 が、私は当日この番組のことを知らなかった! ようやく見たのは翌年の再放映でした。 83年度の芸術祭大賞を受賞し、それを記念しての再放映です。 授賞式の様子を映した番組冒頭では、後に首相となる森喜朗文部大臣の姿が見られます。 主演の笠智衆が「一つにはホン(脚本)が素晴らしかったから。そしてまた監督が良いしね。僕は大分ぶっ壊したと心配しとったんですけども、芸術祭大賞を貰ったと。だから僕がぶっ壊してないことを証明して貰った訳で、嬉しかったですね」とコメントしてます。 舞台は全編がハワイ。人生の大半をマウイで暮らす日系移民一世・山波コウサク(笠智衆)(劇中で人物の漢字表記はほぼ不明)の元を、孫娘と名乗る美沙(石田えり)が訪れる。美沙の父親サクタロウ(中井貴一)はある事情でコウサクから勘当され、日本に移住していたが、3年前に他界。美沙は新婚旅行を兼ねて、生前サクタロウが母親(=コウサクの妻。加藤治子)に宛てて書いた未送付の手紙を、持参したのだ。しかしコウサクの妻…孫と同じくミサという…も昨年亡くなっていた。 コウサクとミサは1913年に結婚、床屋を営み、たくさんの子宝に恵まれた。しかし日本軍の真珠湾急襲により生活は一変する。コウサクたち日系一世の国籍は日本だが、子供達はアメリカ人であった。苦悩の末、四男サクタロウは米軍入隊を志願する。そうすることで日系一世の立場を少しでも良くすることができるから、と考えたのだ。しかし皮肉にもサクタロウたちが集めた寄付金で作られた爆撃機が、ミサの故郷・広島を空襲、ミサの家族を殺してしまった…。コウサクはサクタロウを勘当した。 時は流れ…日系一世が正式にアメリカ国籍を得ることができ…1979年、日本のテレビ局スタッフが、コウサクら日系一世を取材したいと申し出てきた。口数の少ないコウサクも、妻の苦労を伝えたいという一心からそれを了承。だがスタッフの都合から、その約束は延期(事実上の中止)となった。82年、ミサの他界を機に、コウサクに痴呆の症状が現れ出す。今もまだコウサクは取材を待っている。ミサのために…。 当時はテレビで積極的に痴呆症を扱うようになり、そんな中の一作と捉えられます。 笠智衆演ずる主人公コウサクは、亡くなったミサの幻影(魂?)と話すことができます。 できますと言っても、そのような描写があるというだけで、本人の空想かも知れません。 そういった一種のファンタジー性に結び付けたのは大きな特徴と言えるでしょう。 幻想的な映像美に定評ある実相寺監督の演出で強いインパクトを持って、またハワイの風景とも相まって視聴者に訴えてきます。 普段のコウサクは明らかに痴呆の徴候があり、どこか不安感を残す人物ですが、ミサの幻影と話すコウサクは流暢で、病的な要素はまったくありません。この主演・笠智衆の演じ分けがまず素晴らしく、また回想シーンに登場する40代のコウサクも多少メイクしているものの、それ以上に年齢相応に若い動作・口調が実現していることにも驚きます。 コウサクはミサに苦労ばかり掛けてきたこと、開戦時ミサと共に日本に帰るチャンスがあったのに自分の一存で取りやめたこと、勘当したサクタロウと再会させられなかったこと等を気にしていました。だからミサに何もしてやれないまま死に別れたことを、いつまでも悔やみます。 扱うテーマは戦争と痴呆・老後なので、何となく暗いドラマをイメージするかも知れませんが、例えば日系役の登場人物の、日本語と英語が混じったセリフなど面白味もたくさんあります。 「言いたいことはトゥーマッチあるもんのう、イエー」 「素晴らしい釣り竿、サンキューベリマッチ」 その面では、床屋を受け継いだ末っ子(と思われる)スエキチ役の伊東四朗の個性が存分に活かされてます。ちなみにその妻の役は原知佐子(実相寺監督の奥さん)です。 ミサの幻影はコウサクに、サクタロウとその妻フサヨの魂を引き合わせる。サクタロウは罪の意識から口をきけなくなり、広島生まれのフサヨは原爆の後遺症で視力を失っていた…。 コウサクは美沙に思い出を語る内、ミサが亡くなる一月前のことを思い返す。 「その船賃でミーの魂、パシフィックオーシャンゆっくり波の上、ジャパンへ向こうて帰ろうかねぇ」 「ユーが逝ったら、わしゃどうなるんじゃ?」夕陽を浴び、コウサクはミサに泣きすがるのだった。 ハワイで亡くなった日系人を弔う精霊流し、盆踊りの情景で本編は終わります。 精霊流しは西方浄土の儀式で、日本がちょうどハワイの西にあることから魂を故国に戻す意味もあることが劇中でも語られています。 つまりコウサクがミサを束縛することをやめ、魂を故国に帰してあげる所で幕が降ります。もうコウサクがミサの幻影と話すことはできないかも知れない。しかしまた会えるだろうという希望がコウサクにはあるのかも知れません。 ドラマの中では並行して、美沙とその夫(石田純一)の冷めた関係も描かれてます。マウイに行って親戚に会うことを「しんどいから」と断った夫が、最後の最後に美沙の元にやってくるものの、美沙はあまり嬉しい様子は見せません。 この二人がどうなっていくのかは物語に直接は関係ありませんが、少なくとも美沙は、生涯の伴侶というものに考えが改まったのではないかと思えます。 倉本聰の巧みな脚本に、ドラマを美しく盛り上げる武満徹の音楽と、お馴染みコダイグループのチームワークが揃って、テレビドラマとしては10年以上のブランクがある実相寺監督を支えました。笠智衆、加藤治子ら名優を得て、実に見応えある希有な作品に結実したと思います。 この評価板に投稿する |
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