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小説評価: 1,269位 <= 1,270位(2,343作品中/偏差値48.47) =>1,271位

遠い日の戦争 (小説)

読み仮名: とおいひのせんそう
総合情報評価
(評価投稿)
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(本/漫画)
直近発売の本/漫画: 1991/09 ()遠い日の戦争・破獄 (吉村昭自選作品集)
本/漫画(4件)
売上/新着
104480
文庫:遠い日の戦争 (新潮文庫)
参考:\460
1984/07
()

1.国民性
234566
単行本:遠い日の戦争・破獄 (吉村昭自選作品集)
参考:\3,059
1991/09
()
935914
:遠い日の戦争 (1978年)
参考:\945
1978/10
()
940750
単行本:遠い日の戦争
参考:\945
1978/01
()
著者:吉村昭 出版社:新潮文庫
発売日:1978/10(日本)
最終変更日:2008/04/22 20:00:58 / 最終変更者:管理人さん / 提案者:634 (更新履歴)
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1. 2008/04/22 とても良い by 634 [編集・削除/削除・改善提案//論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿]
評価履歴[良い:1380(50%) 普通:541(20%) 悪い:851(31%) 推薦人:51 推薦評価:165] / プロバイダー: 10719 ホスト:10804 ブラウザー: 6342
元日本兵の、アメリカ占領下で東京裁判により、進駐軍や、それに従う日本政府と警察によって、追われる・・・という話で、ドキュメンタリー形式に、逃亡劇を描いています。その内容は、鬼畜米英と呼ばれたアメリカのモノホンの鬼畜モンのルメイによる民間人虐殺の非道な真相や、東京裁判による日本悪の一方的な部分の強調が良く出ています。

しかし、そちらの方に重点が置かれすぎている訳ではありません。東京裁判が一方的な日本悪を強調されたものという部分は確かにありますが、結局の所、起こしてしまった戦争によって、こういった逃亡する兵士や、民間人が虫けらのように殺されていったというアメリカの残忍非道な行為は確かに許せませんが、だったら、この残忍なアメリカに対し、日本は何ができたのか?となると、日本はそんな国民を守ることが出来なかったのだし、国民よりも天皇陛下・・・という当時の事情と、国の構造を考えると、一方的にアメリカを許せないのは当然としても、そんなアメリカに好き放題にされ、結局天皇にしろ、軍部にしろ、民間人や日本国民を軽視し、顧みようとはしなかった歴史に触れてみると、そんな逃走劇に巻き込まれた一人の元兵士の姿を描いているものであり、決して日本賛美ではないし、アメリカ悪を伝えていても、肝心のアメリカに対し、日本軍が何ができたのかという部分に、その日本軍に参加したが故の兵士の運命を描いているものです。

そういう意味で戦争に触れてみると、有色人種やアジア人種を家畜と見ているような残忍なアメリカは許せませんが、そんなアメリカの喧嘩を勝って、結局・・・という部分では軍隊は戦争に勝とうが負けようが責任を取らされるものなのだし、勝った米軍にしても、負けた日本軍にしても、戦争に参加した兵士や、殺した民間人に、アジア諸国の人々への苦痛を与えた事に変わりはないのだし、それを主人公の一兵士の姿でも表しています。そして、この兵士の苦闘にしても、そういった戦後処理のほんの一面に過ぎません。

この作品はよく、連合軍の不当裁判による悲劇とか、米軍の非道性を当時は無視された事を描いている作品と捉えがちな人が多いと思いますが、私はこの作品がそんなものとは思いません。作者が描いているのはそんな時代に生きた一人の元兵士の姿であり、別に米軍の非道性で米悪とかを一方的に強調している最近のそういった関係のものではないし、むしろ、軍隊にしろ、戦争にしろ、やったものはみんな悪という視点で捉えてみると、兵士の悲劇であり、負けた日本軍にしろ、勝った連合軍にしろ、敗戦処理や戦争中にしでかした面を考えると、戦争というものが形がどうあれ・・・と思うし、兵士の苦闘の視点には、アメリカにも日本にも・・・という形があるのだし、戦争や、その戦争を起こす力=悪という面でみれば、そういった戦争に参加したが故に・・・という形で見ることが出来ます。

作者がもともと第三者視点から描くのだし、そういった部分で見たり、戦争に於ける戦勝国、敗戦国に関係ない戦争という人類最大の犯罪を知ると、日本善、連合国悪という偏った視点ではない面であるし、又、そうでないと作者の作品ではないと思います。

一気に読んだので、結構疲れたのですが、そういった戦争という愚行は勝とうが負けようが、裁判を起こそうが、戦争を行った人類の愚かさが見えてくるのだし、そんな愚かさの犠牲者であり、加害者でもある兵士の姿は、戦争に運命を翻弄されていった一人の人間という部分を描いていたものでした。
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