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| 注意: これは文学版。その他メディアのページ: 特撮/人形劇:ひげよさらば |
| 文学総合点=平均点x評価数 | 953位/3,067作品中(総合3/偏差値49.02) | 952位<= =>954位 |
| 1982年文学総合点 | 10位/28作品中 | 9位<= =>11位 |
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評価統計
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| 作品紹介(あらすじ)ある日突然記憶を失った猫のヨゴロウザ。たどりついた所はナナツカマツカの丘と呼ばれる小さな山の中。 一癖も二癖もある猫たちが喧嘩ばかりしながら暮らしている。おりしも、"タレミミ"率いる野良犬の集団と猫たちが、縄張りをめぐって一触即発の不穏な空気。「猫族は団結して野良犬軍団に立ち向かわなければならない。リーダーはお前だ!」夢と冒険に満ちた壮大な物語はこうして始まる・・・。 (新潮文庫版、上巻より) 片目、黒ひげ、さがし猫、歌い猫、そして、まねき猫・・・。一筋縄ではいかない猫たちは、果たして野良猫共同体をつくりうるか?タレミミの率いる野良犬たち、キバをはじめとする野ネズミの群れ、じいさま蛙やふくろうのじいさま。記憶喪失のリーダー猫ヨゴロウザ、さまざまな出会いの中で、過去を確かめようと試みるが・・・・・・。理想の共和国を求めて織りなす夢と冒険の一大叙事詩! (新潮文庫版、下巻より) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 出版社:理論社:新潮社 作者:上野瞭 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:1982/03 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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| 最終変更日:2011/12/05 / 最終変更者:羽幌炭鉱 / 提案者:円 (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 2006/12/16 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 円 (表示スキップ) 評価履歴[良い:147(92%) 普通:7(4%) 悪い:6(4%)] / プロバイダ: 7283 ホスト:7376 ブラウザ: 5234 地の底まで堕ちていくような喪失感を、こんなに魅力的に描いた物語があったろうか、って初めて読んだ時には思った。 片目の絶望感が、錯乱していく様が、ものすごく面白かった。強烈に魅力的で、やばかった。ななめ読みもした。 こんなの子供に見せちゃいかん、と子供心に思ったですよ、18禁にしなきゃ!とか。 おおざっぱな筋は、記憶を失った猫、ヨゴロウザがナナツカマツカ(猫たちのテリトリー)のガタロヤドリ(池)に辿り着き、 片目のつぶれた猫、片目と出会い、その庇護の元で他の猫ともその他の生きもの (オンビキヤドリのじいさま蛙やふくろうのオオダンナ、野ねずみのサグリなど)ともふれあいつつ 敵対勢力のアカゲラフセゴに生息する野良犬軍団(2大トップはハリガネ、タレミミ)に 対抗すべく片目や学者猫によって「作られたリーダー」に仕立て上げられ、それに疑問をいだきつつ また失われた時を求めながら冒険をし(アカゲラフセゴへの遠征、大蛇オオウネリとの戦闘など)、 途中で自身もかたほうの目を失い、自棄になり麻薬(マタタビだけど)に逃避、しかしいろいろあって 猫の共和国なる夢を実現、するものの、野良犬たちの食餌による大量死によりユートピアの崩壊が起こり、 絶望しきった片目により無理心中を強要され(人くらい夜叉堂のお供えのろうそくを使って火災を起こすことにより)、 焼き殺されそうになる中で昔の記憶を取り戻す、その記憶とは飼い猫であったヨゴロウザが主人たる二本足の老婆(ばあさま)に やはり無理心中を強要されたこと、片目と同じ思考・同じような手段によって…、 これらを猫の陣地となったアカゲラフセゴで年老いたヨゴロウザが若い猫たちに若い頃の話を語り聞かせていた、 と言う形式で物語は幕を閉じます。完璧です。まさに璧(玉のごとし)、美しい循環です。 ぶって言えば作品の主題はユートピアの実現と崩壊、トップの堕落、流れていく時間の無常。 解説あたりでうきうきと知ったかぶって言いたい題材に満ちていた。 猫の片目と二本足の老婆との同調の描かれ方も見事だったし、麻薬に溺れていくのもリアルさが見事。マタタビだけど。 また初めて触れたカタストロフィ落ちの物語でもありました。映画で吉原が炎上するのを見る前に触れました。 話の筋自体にもとても楽しめる要素があったことを認めます。 だけど、…新潮文庫にくっついてる有識者の解説に(作者後書きでは決して、無い!)、制服着ていた時代には 強烈な反発を感じて再読不可能な作品になっていたのでした、これ。 かなり長い間。 「大人」の小説でやりたいことを、わざわざこっちに来てやらなくてもいいじゃん、て思って。 「降りてきました」、って感じ?と、思って、バカにされてると勝手に感じていた。完璧な話の分、 どっぷり漬かっていた分、跳ね返る気持ちもでかかった。作品本体にはまったく無関係な解説なんだけど。 それを「理に適った見方」と反発しながらも受け入れた自分 の合理性にもうんざりしてました。 年食ってだんだん擦れてきて、面白いと感じられるならなんでもいいんじゃないですか、と言う考え方になって、 やっと再読してみて、自分がこの話に惚れたのは骨太のストーリー展開だけではないのだな、と言うことに やっと気がついた。気がつけました。 立派な屋敷にはもちろん立派な柱組みも屋台骨も必要(この作品、大黒柱はどこよりもぶっとい。)だけど、 まずそれをもっといっぱい素敵な家になるためにはいろんななものがたくさん存在してなきゃいかんのだ。 使い込まれなおかつ清潔に保たれている台所が魅力的であるように。日々の手入れがものを言う、花の咲き誇る庭のように。 主題を語るためには、いらないかもしれないもの、こそが魅力的なのでした。 回り道、かもしれない細かい切り捨てることも出来るような箇所、韻を余計に踏む回りくどい、 でもだからこそ面白いことば使い、行きつ戻りつしまくりのいらないエピソードこそを愛する。 立派な舞台だからこそ、些末なことをいとおしむことができる。 面白い語感の単語群や、ぷふっと笑ってしまう歌い猫の歌や、猫のことわざとか。 ことわざ、ホントに言葉の技だった。 気持ちを込めて丁寧に大事に手入れをされているものだけが纏える空気を感じたからこそ、 子供時代にぞんぶんに楽しめたのだ、と認識を新たにしたのでした。 気持ちが寄り掛かれるような何かはそう言った作品からしか味わえないのだ、と。 忘れられない言葉が、あの解説と一緒なのがしゃくなんだけど・・・ふくろうのオオダンナの台詞がよかった。 「この世界がすばらしいもののように思える日がある。そのうちに、この世界を、どうしてすばらしいなどと 考えたのじゃろうと思う日がくる。それから、この世界が、わしらの考えにおかまいなしにあるものじゃとわかる日がくる」 人生の早い時期に触れた、はじめての哲学でもありました。 この評価板に投稿する |
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