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大本営が震えた日(小説)(日付順)


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読み仮名: だいほんえいがふるえたひ / 英語タイトル: BEGININGDAYOFIMPERIALFORCE
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2006/10/19 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 634 評価履歴[良い:1406(50%) 普通:548(19%) 悪い:858(31%)] / プロバイダー: 20475 ホスト:20388 ブラウザー: 5234
今では悪名高きハルノートでの日米開戦の決定の部分が有名なのですが、これはそんな日米開戦が始まる少し前の日本軍の行動と内情が記録されており、その中身も非常に注目できるもので、上海号墜落事件や、それに伴う現地ゲリラとの衝突と、生存者の苦闘から始まり、志那周辺部から徐々に異様な空気を帯びてきて、やがて戦争というものに走っていく・・・というのが何とも知れない興奮と、不気味さと不安、そして「賽は投げられた」「矢は放たれた」という意味合いが出てきそうな印象とインパクトが文面から伝わってきますが、同時に太平洋戦争が結果的に無惨な敗戦に終わった部分が強く残る故に「こういう行動を止めることは出来なかったのだろうか?」という気持ちが出てこない訳ではありません。

その意味では本作の戦争に至るまでの過程がかなり軍人視点になっており、諜報活動とそれに伴う緊張感と緊迫感、そして危険性と恐怖感もでており、こういった作品は異様な興奮と怖さのような部分を感じることは出来ます。それは戦争という道に走る場合と、それによって国民も、当事者達も・・・・・・という部分が隠れた怖さになって現れているようにも思えます。

形はどうあれ、戦争とは大規模な人殺しであり、人類の犯す最大の犯罪行為です。そういった戦争に突入してしまう場合と、その流れの中にいたら人はまともな思考になることは出来ないのではないのだろうか?と思えそうなドラスティックな部分も出ていそうです。こうなると、本作の持つイメージとしては戦争が始まる課程の異様な緊張感と、その流れに乗っかってしまった場合、人は正気を保つことは出来るのだろうかという恐怖が二つの面で描かれているように感じられる作品です。

今でも「日米開戦は不可避だったのか?」とか「こうすれば犠牲は抑えられたのだろうか?」と思えそうな部分はあります。勿論、調べたところで正史を変えることは出来ないし、今更調べたところで・・・・・・という気もしない訳ではありません。しかし、そういった部分を調べてみると綿密だったり、呆れる程短慮だったりといろいろです。そして、綿密にしろ、大雑把にしろ、その人間の行動一つで・・・という部分が本作の中にも表れているように思えます。

怖いのはこういったノリで戦争へと走っていく人間の集団心理という怖さだったり、短慮さで戦争に流れ、綿密さを回避の為の努力に使わず、武力という方向へ・・・・・・という部分です。こうした戦争というものに対しての人間の行動と、その中の怖さという部分がこの作品に出ているし、実際、太平洋戦争にしても、その前の対中戦争にしてもノリと短慮さだけで進んでいった怖さがあります。そして辿った道は日本が焼け野原になって・・・・・・という結果でした。

人間の持つ狂気と怖さ、そして戦争という流れの中で人は本当に冷静になれるのだろうかという部分がこの作品内にもあり、大東亜戦争の結末を考えると本作の異様な雰囲気と怖さは「こうなったら日本は終わりだ」という部分も出ているように思えます。
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