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[小説]姑獲鳥の夏


うぶめのなつ / Ubume no Natsu
注意: これは文学版。その他メディアのページ: 日本映画:姑獲鳥の夏
文学総合点=平均点x評価数31位/3,067作品中(総合47/偏差値90.61) 30位<= =>32位
文学平均点(評価10個以上限)76位/231作品中(平均1.68=とても良い/28評価) 75位<= =>77位
1994年文学総合点2位/57作品中 1位<= =>3位

直近発売の本/漫画 2012/01/28 ():いるの いないの (怪談えほん3) 1,575
本/漫画(11)
売上/新着
Bray/DVD(9)
売上/新着
音楽(1)
売上/新着
玩具(3)
売上/新着
11027
単行本:いるの いないの (怪談えほん3)

1,575
2012/01/28
()
20356
文庫:文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

840
1998/09/14
()
72791
文庫:分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下 (講談社文庫)

600
2005/04/16
()
73003
文庫:分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)

560
2005/04/17
()
253427
新書:姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)

1,155
1994/08/31
()
277751
単行本:後巷説百物語 (Kwai books)

2,100
2003/12
()
489428
単行本:姑獲鳥の夏

2,730
2003/08
()
23264
姑獲鳥の夏 [DVD]

1,800
2009/07/08
()
221883
CD:オリジナル・サウンドトラック「姑獲鳥の夏」

2,940
2005/06/22
()
227850
おもちゃ&ホビー:映画パンフレット 「姑獲鳥の夏」 主演 堤真一
評価統計
評価平均とても良い(1.68 pnt)
評価総合点47.04
文学順位(平均点)76位(231作品中)
文学順位(総合点)31位(3,067作品中)
偏差値(総合点)90.61

人数51372100
割合17.9%46.4%25.0%7.1%3.6%0.0%0.0%
加算分布17.9%64.3%89.3%96.4%100%100%100%
分布要約89.3%7.1%3.6%
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キャラ・設定3.00(最高)1
ストーリー2.00(とても良い)1
悲しい100%1人/1人中
美しい100%1人/1人中
ロマンチックな気分100%1人/1人中
怖い100%1人/1人中
考えさせられた100%1人/1人中
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作品紹介(あらすじ)

梅雨も明けようという夏のある日、関口巽は、古くからの友人である中禅寺秋彦の家を訪ねるべく眩暈坂を登っていた。中禅寺は古本屋「京極堂」の主人であるが、家業は宮司であり、さらに副業として「憑物落とし」も行う。人間の心の奥に潜む負の感情に妖怪の名前を付け、自慢の長広舌で以ってそれを言葉巧みに祓うのである。関口は最近耳にした久遠寺家にまつわる奇怪な噂について、そのような京極堂ならば或いは真相を解き明かすことができるのではないかと考えていた。関口は切り出す。「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか」と。京極堂は驚く様子もなく、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と返す。その後、妊婦の消えた夫や代々伝わる久遠寺家の「憑物筋の呪い」について、人の記憶を視ることができる超能力探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である編集記者・中禅寺敦子、東京警視庁の刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。さらに、この事件は、持ち出した関口自身の過去とも深く関係していた。
※ このあらすじ部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。

著者:京極夏彦 出版社:講談社
日本 開始日:1994/09
利用状況
日本15,1543228
海外1,59200
最近の閲覧数
38010475336
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(階位と権限/特典の関係の説明)
最終変更日:2009/12/21 / 最終変更者:雪霞 / その他更新者: あっちゃん / TCC / 提案者:もろっち (更新履歴)
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2011/09/18 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:131(80%) 普通:9(5%) 悪い:24(15%)] / プロバイダ: 43305 ホスト:43295 ブラウザ: 10806
600ページ以上もある書物を一気に読んでしまったのは初めてだ。

と、この後書いていた人間の常識、日常、人格などを考察した長文章が手違いで消えてしまい、一気に気持ちが萎えたのでもう端的に書くことにする。

とにかく今まで読んできた〜殺人事件とは違うレベルのミステリーです。殺人犯に都合のよい偶然と刑事に都合のよい偶然から生まれ、犯人確定と同時に急に終わりを迎え、余韻をほとんど必要としないミステリーもいいが、人間の記憶、日常、常識の根底をゆさぶり、根源的な不安感からうまれるこの作品は背筋が寒くなるほど

前世の記憶のようなあいまいな記憶のなかで。頼まれた手紙を届けにいき、玄関に出てきた白いブラウスの美しい少女のスカートからのぞく白い足に赤い筋がつーっと流れ落ちる

あそびましょ

行間、ページの空白が不安感をあおる。そして主人公と感情がシンクロしていく。記憶までもが共有されるような。

脳内で膨らむイメージが加速度的にスピード感を増しつつ最高のドラマとなって物語は進んでいく。私の中では、白いブラウスに黒のスカートの、美しいが目を閉じると存在自体が消えてしまいそうな涼子という女性が確かにいる。
そういったしっかりしたイメージをあたえつつ、理屈やの京極堂のセリフも飽きの来させない説得力、途中からは目が離せないスピード感。

驚愕の一シーン。呪文を唱える京極堂の横ではじけるように妊婦から生まれてきた ○○!
もちろん挿絵などは1つもないが、私の脳内でしばらくはこの場面は鮮明なまま、折に触れてよみがえるだろう。

なにより他のサスペンスと違い本件が解決した後も主人公が日常に戻るまでが愛をもってしっかり書かれている所が私は素晴らしいと思った。

漫画大好きな私だが、漫画50冊読む時間が有れば、この本を読んだ方が面白いと感じた。評価は最高。他のも読んでみよう。

2010/05/30 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2(67%) 普通:1(33%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 13857 ホスト:13981 ブラウザ: 8732
一つ一つのエピソードが絡まり合い、結末に昇華する様は見事です。相当に分厚い本だというのに全く長さを感じませんでした。
ミステリ面では謎解きの苦手な私でも叙述系なんだろうなあ、というのは予想がついたくらいですから、皆さんには物足りない感じはあったのでしょう。
しかし、この作品の真に素晴らしいところはそんなところにはなく、「何が狂気で、何が正気なのか」、「この世界は突きつめれば個人の主観にすぎないのだ」とか、「この世の中は欺瞞で満ちているのだ」いうミステリの根本とも言えるような問いを明確に発しているところにあると思います。
このような哲学的な思索を呼び起こす素晴らしい作品には滅多に出会えるものではありません。評価は文句なしの最高です。

2009/12/09 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:136(76%) 普通:20(11%) 悪い:22(12%)] / プロバイダ: 5331 ホスト:5100 ブラウザ: 8914
講談社のメフィスト賞設立の契機にもなった京極先生の記念すべきデビュー作。

謎解きのミステリとして接すると裏切られたという思いが募る作品であり、「こんなのミステリじゃない!」と立腹してしまう人もいることでしょうが、私は間違いなくこれは完成されたミステリ作品だと評価しています。

本作で印象的なのが、冒頭から延々と繰り広げられる京極堂による知識・薀蓄の披瀝ですが(なかなか事件の現場に赴かないだから凄い!)、そこに黄金期のアメリカを代表する長編作家ヴァン・ダイン氏(特に初期の作品)に見られる作者のあざとさ・周到さを強く感じてしまいます。
ヴァン・ダイン氏初期の作品では、その探偵役ファイロ・ヴァンスに「物的証拠を排し、心的証拠のみを重視して推理を行う」という独自の探偵法を採らせています。決してそれが完成された形で表現されているとは思えませんし、瑕疵もなくはないのですがそれを読者に納得させてしまう強烈な説得力を物語は秘めています。それはペダンチックと表現される氏の作風の中で繰り広げられるヴァンスの悪く言えば饒舌な詭弁によって物語独自のロジックを構築してしまう上手さによって齎されるものだと言えるでしょう。
この京極氏の作品でもやはりその上手さが光っています。それが冒頭で京極堂によって延々と刷り込まれる「記憶/認識の曖昧さ」ということであり、この段階で読者は既に最終的な真相に対する作品中のロジックを受け入れさせられているということになるでしょう。それを関口との会話の中で自然と成し得ているのが見事ですし、また、アン・フェアともいえるトリックを成立可能とさせている点が見事としか言いようがありません。
加えて、この独自のロジックの構築が本書を代表する印象的な
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
という台詞を体現させています。

もう一点印象的なのが探偵・榎津という男の設定と役割の上手さ。このシリーズは実に魅力的な登場人物が多いのですが、彼がその最たる存在だと思います。そしてその威力が最も発揮されているのが本書ということになるでしょう。
人の見えざるもの、人の記憶を見てしまう幻視家の榎津の特異体質と、自由奔放な彼の性格を知らしめた上で最初の久遠寺家訪問で既に真相を見せておきながら読者には悟られず、終局に於いて関口とともに見てきたものが一変するカタルシスを演出する鮮やかさが作品の魅力を更に高めているのではないでしょうか。

評価としては初読時には「最高」と思っていましたが、更なる物語性の充実で進化を見せた『魍魎の匣』なる傑作の誕生があったために「とても良い」とします。

2009/02/02 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:25(53%) 普通:18(38%) 悪い:4(9%)] / プロバイダ: 36101 ホスト:36109 ブラウザ: 6392
冒頭部から数十ページにわたって続く、関口と京極堂の会話に度肝を抜かれた。
「長っ!」と最初はそう思ったが、次第に京極堂の蘊蓄に惹きこまれていった。
知識を、ただ知識として披露するのではなく、会話に巧みに織り交ぜて読者の頭に刷り込む。
作者の技量が高いからこそ為せることだろう。
また、その蘊蓄が一分の無駄も無くストーリーに絡んでゆく。
読者に隙を与えない小説である。

文体も、作品の世界観とマッチしており、一見高尚に見えるが、けっして回りくどいとか解りにくいいうわけでもない。
人に「読ませる」文章がしっかりと練られている。

キャラクターも魅力的である。
語り手である関口は鬱気味なのだが、彼の心理描写がじつにリアルだ。
関口と同じような性格の者なら思わず「ああ、わかる、わかる」と手を打つだろう。
京極堂や榎木津をはじめ、「まとも」から少し、あるいは大きく外れた人間が多く登場するが、登場人物の異質性が物語の異質性と同調して、むしろ自然な世界観を作り出している。
黒装束の陰陽師としての京極堂はエンターテイメント性にも優れている。京極堂が謎解きに立ち上がるシーンはなかなか見物である。

ミステリー作品として、「トリック」にあたる部分で評価が分かれそうだが、作者の配慮は十分なされているので、決して「アンフェア」ではない。
もっと「ミステリー」の範疇を広げれば間違いなく名作の一つである。

2008/11/25 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:4(40%) 普通:1(10%) 悪い:5(50%)] / プロバイダ: 48714 ホスト:48860 ブラウザ: 7590
トリックとかが無茶すぎる。だけど、日本語は綺麗だし、登場人物が妙にかっこよかった。

2008/05/04 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:28(67%) 普通:8(19%) 悪い:6(14%)] / プロバイダ: 37316 ホスト:37323 ブラウザ: 5533
前半の長い、一見無駄に思える薀蓄は後半のトリックの説得力を持たせるための伏線なんですよね。
このシリーズはどれもこれもブ厚いページ数なんですが、
それらの長い薀蓄・伏線も軽妙なキャラクターで退屈しないよう工夫しているのだと感じます。
なので、京極氏のこれらの妖怪シリーズは必ずこの姑獲鳥の夏から読み始める事をオススメします。

2008/03/24 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:11(65%) 普通:2(12%) 悪い:4(24%)] / プロバイダ: 48513 ホスト:48614 ブラウザ: 4317
戦後という時代設定でありながら妖怪の設定を持ってくるのは面白い試み。
最初は小難しそうな内容に堅そうな文章に辟易していたのですがこれが案外読みやすい。
京極シリーズを読んだのはこの本と「魍魎の箱」だけなのですが、その時点での評価を。
この京極シリーズで面白いのはやっぱり登場人物だろう。
鬱病持ちの小説作家、関口に頑固な刑事の木場、破天荒極まる性格の探偵、榎津。
古本屋の店主でもあり神主でもあり陰陽師でもある中禅寺秋彦。別称「京極堂」。
そんな一癖二癖もある彼等を軸に人の因果が絡みついた事件を解決していく話。
久遠寺家の悲しき歴史とそれ故に犯した業と姉妹の狂気的なまでの女という性に対しての執着。
そして今回の主役である関口の過去ますら巻き込んで話は進む。
この作品を読んだ方が評価でよく言われるのがトリックに無理があるという事です。
確かに色々と「推理でそれってアリなんだ・・・」と思った箇所が多々ありました。
多重人格のくだりもそうですし藤牧の死体とかダチュラの花とかも。
しかしそんな風に矛盾は見られたものの、物語はとても奥が深く、面白い。
「姑獲鳥の夏」という題名にちゃんと意味があって最後に繋がるのも良いです。
今度は塗仏の宴か、女郎蜘蛛の理(字が違うかも)あたりも読みたい所。

評価は「とても良い」です。

2008/03/17 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:15(88%) 普通:0(0%) 悪い:2(12%)] / プロバイダ: 19811 ホスト:19948 ブラウザ: 8090
【良い点】
意外と読みやすいところ。
メインキャラクターが面白い人ばかり。
文章がとても綺麗。
【悪い点】
特にありません。

【総合評価】
あまりすすんで小説を読まないのですがこの作品は今まで読んだ中で一番面白かったので京極堂シリーズをすべて読んでみたいと思いました。

2007/09/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:53(76%) 普通:17(24%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 2688 ホスト:2558 ブラウザ: 5540
ご存じ、京極堂が活躍するシリーズの一作目。初めて手に取ったときはあまりの分厚さにビックリしたもんだ(笑)。
でも厚いのは量的な厚さだけじゃない。京極堂の機知に富んだ台詞回しや「憑物落とし」など、妙な説得力に気圧されてしまった。
キャラクターの好みでは、僕は京極堂より榎木津のが好きかな。あの自由奔放さが何とも小気味良いね。基本的に皆魅力的だけど。
このシリーズを読むと、京極夏彦の知的レベルの高さが窺える。極めて客観的な視点に豊潤な知識。非常に僕が好きなタイプの作品だ。

[推薦数:1] 2007/08/23 普通の立場コメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴 / プロバイダ: 49730 ホスト:49811 ブラウザ: 5234
好きなんです、このシリーズが
リアリティとかどうでもよくって、ただ好きで
通勤の電車で読むために、レンガ本持ち運んじゃうくらい

初めて読んだ頃は前半の京極堂と関口の会話を読めるほどの根気がなくて
「悪ィな学がなくって!!」
と筋肉質な脳みそが悲痛な叫びを上げていました
や、今も頭の出来は同程度ですが、根気がついたんです
そしてしっかり感覚に叩きこむまで読みました
そうしたら…暗がりを直視できなくなりました
何かが見えるようで

2007/06/08 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:184(72%) 普通:34(13%) 悪い:36(14%)] / プロバイダ: 21376 ホスト:21493 ブラウザ: 4665
普通の推理小説だと「ありえねー」と思わざるを得ないようなトリックを、
京極堂の膨大すぎる薀蓄とそれを支えにした長広舌(詭弁?)によって、
「ああ、人間ってのは間違ってしまうものなんだなー」と納得させられてしまうような、
物凄い力業っぷりに脱帽しました。
当時は賛否両論巻き起こったんだろうなぁとか思ったり。
見た目は引くくらい分厚いし中身も陰鬱な話なんですが、
後々レギュラーになる個性的な面々の小気味よいやり取りなど、
キャラクター小説的な読みやすさも随所にあって、
意外なほどすんなり読破できたのは好印象。
とはいえ、さすがに無理のない話だとは思わないし、
同じ京極夏彦なら「巷説百物語」の方がずっと楽しめたので「とても良い」ということで。

それにしても、このシリーズは個々に評価欄があるんですね。
話を忘れないうちに全部評価できるかな・・・。

2006/12/23 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:143(57%) 普通:47(19%) 悪い:60(24%)] / プロバイダ: 3813 ホスト:3717 ブラウザ: 6342
京極堂シリーズ・第1弾

語り手の関口の不可解さや危うさも手伝ってか、中盤辺りで犯人の見当は付いてしまいました・・・が、本作は犯人当てにはさほど重きが置かれていません。真の見所はやはり、民族学、心理学、医学、宗教・・・等々、様々な蘊蓄を語る京極堂の弁舌の冴えでしょう。単語だけ聞くと敬遠してしまいそうなものもありましたが、一般人の関口に分かりやすく噛み砕いて説明するという形で語られるので興味深く読めました。・・しかも単なる知識の披露というワケではなく、全てが事件の解決の為の伏線となっており、ストーリーの構成に無駄がありません。“妖怪"という名の幻想を言葉を以てただの現象としてしまう京極堂の“憑物落とし"によって、伏線が一気に収束するクライマックスはまさに圧巻でした。関口と犯人が対峙するラストも、さながら映画を彷彿とさせる様な美しさで印象的。
定めた独自のルールを破綻させずに、読み手を納得させるだけの論理的な解を提示するという事をデビュー作でやってのけたのは見事の一言。京極堂、榎木津といったキャラクターも非常に魅力的なので、本シリーズも読み進めてみるつもりです。・・・二作目以降の本の分厚さと言ったら相当なものですが(苦笑)。
・・・・・余談ですが、京極夏彦氏と森博嗣氏の作品にはどこか類似性を感じますね。例えば、人は理解出来ない物事に直面すると、曲解してでも仮初の安心感に浸ろうとする・・・等、「人間が如何に固定観念に縛られているか」という事に関する言及は、森作品でも至る所で見られましたし。理系色が強い森作品に対して京極作品は文系的であるという相違点はありますが、根底に流れている類似性が一見堅苦しい本作にすんなりと入り込めた理由の一つかも知れません。
最後に京極堂の口癖・・・もとい、座右の銘を(笑)。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

2006/12/01 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:2(20%) 普通:0(0%) 悪い:8(80%)] / プロバイダ: 36678 ホスト:36649 ブラウザ: 5944
これはミステリーでは無いなと思った作品ですね。
そもそもミステリーであるというのに謎解きはそれほど重視されていませんし
根っからのミステリーファンとしては何とも物足りない感じでした。
問題点としては展開が強引すぎる、トリックが陳腐すぎる、何となくラストが予想できてしまった、無駄な蘊蓄が多い。
ここですかね。
特に酷いのは二番目。
長々となるので簡単にしか書きませんが、(ネタバレ注意)
「実は二人目の人格が全てやったことなんだよー!!」
「何だってー!!」
「実は三人目の人格が全てやったことなんだよー!!」
「何だってー!!」
謎解きの部分はこれで解決してしまいます。
初めにも記しましたがこれはミステリーではないです。
どちらかと言えば伝奇かな。
まあ文章はそれほど酷い物ではないし伝奇として読めばそれなりに楽しめるから評価は普通に近い「悪い」で。

2006/05/10 良いと思うコメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:430(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 18384 ホスト:18446 ブラウザ: 6287
〔 ネタバレあり 〕
再読して結構好きになりましたが、何故ラストで女性を助ける事ができないのかという事については疑問を感じますね。
それは、これが小説だからではないでしょうか。
現実の出来事ならば、もっとドタバタしてしまい、あのように美しくは終わらないと思います。
とはいうものの、最初とラスト両方の文章は特に綺麗で気に入っています。
このシリーズの 「 塗仏の宴 」 までの中では、、私は本作の最初の場面の、関口が京極堂を訪れるところが 1番好きですね。

[推薦数:1] 2006/05/05 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:250(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 7995 ホスト:8080 ブラウザ: 4184
言わずもがな、京極堂シリーズ一作目です。世間的(?)に見れば、充分な厚さであろう本書も、後に出版された同シリーズ作品を読んだ後だと、薄く感じてしまうのが不思議です。それどころか、何とはなしに物足りなく思ってしまう。なんだか毒されてしまっているなあ。

分類するならばミステリーですが、いまいち釈然としないのは何故だろう……。
ホラーと云うのも、また少しズレているような気がします。幻想小説の匂いが強い気がするのですが、これは関口巽視点で執筆されているからなのでしょうね。

本作は、彼が中心となって描かれているが故に、矢鱈と沢山、回り道を踏まされてしまいます。思考の泥沼の道連れにされたり、手の上で踊らされたり。
別の人物視点であれば、多分もっと、筋道の明瞭な作品に成っただろうけれど、それではきっとつまらないと思ってしまうのだろうな。
関口視点での京極堂との問答には、一緒になって、してやられてしまいました。
それにしても、著者の知識の幅は物凄い。一見関係ないような場所をぐるりと回らせておいて、ちゃんと本題に連れ戻してくる手腕は流石です。

古くから連綿と続く、「家」の因習に囚われた人々に纏わる物語。廃院一歩手前の病院、という舞台設定が、何とはなしにおどろおどろしく、魅力的。そこから発生する物語も、また、舞台に相応しい色彩を纏っている。
戦後の復興めざましい時代の暗がり、混濁としたさま。新しく伸びゆくものの影で未だ、わだかまるものたち。
一癖も二癖もある登場人物が、明るい部分と暗く湿った部分を行き来し、精緻な作品を織り上げています。

本作、序盤部分は場面転換も殆ど無い上に、後半部分への基盤となり、伏線へと繋がる論述がどんどん積まれてゆきます。
脳と心、意識の関係や、読み手を巧みに翻弄する論述など、大変興味深く、また楽しいのですが、如何せん目が疲れてしまう(笑)
しかし、久遠時涼子の登場後、物語が転がり出してからは、その疲れを吹き飛ばしてしまう位に面白い。終盤まで、一気に読み耽ってしまいました。

2重3重の仕掛けが解かれて行く過程は、ただただ圧巻。
終盤の展開の鮮やかさ、構成も凄まじい。描写は可也グロテスクだなあ、と思うのだけれど、独特の筆遣いに酔わされて、緩和されているようにも。秘されていた事実が明かされ、新たな展開を迎える度に、深みに嵌ってゆくのを感じました。

ラストはあまりに救いなく、遣り切れない。否、救いはあったのかもしれませんが、それでも矢張り、ひどく切ない。
しかし、構成の妙故か、据わりの悪さを感じることは無く、寧ろ、落ちる所に落ちてくれたという充足感に満たされました。
虚ろに乾いたような締めかたも良かった。

見た目にも相当のボリュームですが、中身はそれ以上。一読の価値、大いに有りです。
因みに文庫の方は、偶数頁の行が次の頁にかからないよう、編集が為されているそうです。これもまた、凄い。

2006/01/12 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:792(58%) 普通:430(31%) 悪い:147(11%)] / プロバイダ: 17942 ホスト:17881 ブラウザ: 3646
本格物の形をした新本格作品で、トリックには最初否定的でしたが、今はアリかなと思っています。
文章に趣があるのと、登場人物、とくに京極堂に存在感があるように感じられます。
榎木津が持つ不思議な力と1952年という舞台設定のギャップも面白いです。
個人的には、2段組のノベルズよりも 1段組の文庫のほうが読み易く、文体の美しさが引き立つと感じています。

2005/10/02 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:73(71%) 普通:19(18%) 悪い:11(11%)] / プロバイダ: 47186 ホスト:47137 ブラウザ: 4184
怖いものが苦手なので先入観だけでずっと避けていましたが、
映画のCMを見て気になって、思い切って読んでみました。
あ〜も〜何で今まで読まなかったんだ〜!!という思いで一杯です。

怖いではなく、しんみりしました。
『この世には不思議なものなど何ひとつないのだよ』の一言が
すべてを表しているような気がします。
不可解なものの怖さが拭い去られ、逆に理不尽なものの怖さが増しました。
今までは「怖い」というだけで思考を停止していましたが、
考える事を放棄しちゃ駄目だと感じました。
最後、関口の『姑獲鳥からうぶめになったんだ』というくだりで
じわりときました。辛いお話でした。
個人的にはミステリーとしても結構良かったと思います。
クリスティーのアクロイド殺しみたいなもんでしょうか。

この作品を読んで、先入観というものがいかに愚かかよくわかりました。
食わず嫌いはいけませんね。食べてみて不味かったら嫌いでも仕方ないですが。
私の口には合いました。

2005/09/12 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:358(87%) 普通:23(6%) 悪い:31(8%)] / プロバイダ: 12661 ホスト:12506 ブラウザ: 3177(携帯)
以前から興味はあったし、時間もあったので約一週間かけて読み終えましたので感想をば。
終戦後の日本を舞台にし、価値観が崩壊した大人達を中心に上手く描かれているなというのが第一印象。
このページの分厚さには当初は引くが、読み出すと次から次へとページをめくる手が止まらないという感じ。とてもデビュー作とは思えない。そうとしか言えないですね。映画も、二作目以降も見てませんが、機会があれば見てみたい。そんな作品。

2005/08/11 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:259(76%) 普通:28(8%) 悪い:52(15%)] / プロバイダ: 17884 ホスト:17531 ブラウザ: 4184
京極堂の薀蓄が楽しいだけでなく、ちゃんと解決への伏線となっている点は見事。キャラクターも立ち過ぎるほど立っているし、普通のミステリー小説からすれば反則スレスレの種明かしも京極堂の「この世に不思議なことなど何ひとつ無いのだよ」の一言で妙に納得します。
作品の肝は京極堂の「解決編」というべき「憑き物落とし」にあるわけですが、それ以外にも「関口と涼子さんの悲劇」「日本型家庭の因習」「見えているけど見えていないトリック」「妖怪をモチーフとした事件」「各キャラクターの感情のうねり」等等、見所も沢山!濃密な物語がみっしり(これは次回作か)詰まっており、分厚い小説なのに一気に読ませてくれます。

2作目以降に比べると関口、榎木津などレギュラーのはっちゃけぶりが足りないような気がしますが、シリーズ化を想定していないデビュー作という事を考えると、これはこれでアリかと。

どうでも良い事ですが、京極堂の出で立ちのシーンは何故か「必殺仕事人」を思い出します。

2005/07/17 普通の立場コメント [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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自分にとって京極作品の原点です。今読み返すと登場人物たちがまだまともであろうとする姿が微笑ましい(!?)ですね。
他の作品にもいえることですが、ミステリーとして狭い視点で求めるよりも、もっと腰を据えて向き合う作品ではないかなと思います。

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「ミステリーはそんなに重視してない・・・・・けど面白い。デビュー作ゆえに粗も目立つが京極さんらしさが発...」 by Fake


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