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| 文学総合点=平均点x評価数 | 1,701位/3,067作品中(総合2/偏差値48.08) | 1,700位<= =>1,702位 |
| 2005年文学総合点 | 61位/134作品中 | 60位<= =>62位 |
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| 作品紹介(あらすじ)はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ――「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 著者:梨木香歩 出版社:新潮社 単行本・2005年8月31日発行 文庫版・2008年12月1日発行 第16回 紫式部文学賞受賞作 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:2005/08/31(水) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 公式サイト 1. 梨木香歩『沼地のある森を抜けて』|新潮社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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| 最終変更日:2009/08/26 / 最終変更者:遠野 / 提案者:遠野 (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 2009/08/26 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 遠野 (表示スキップ) 評価履歴[良い:250(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 28399 ホスト:28370 ブラウザ: 4550 言葉を用いて形容する事に、困ってしまう小説でした。決して散漫な訳ではありません。最後まで頁を捲り、振り返ってみれば、そこにすっとした道筋があるのが見える。けれど、それを言葉として形作れない。形容することに、違和感を感じてしまう――これは紛れも無くフィクションだけれど、私自身に、人というもの全てに、無関係ではない、と内側で響くからなのでしょうか。 主人公、久美の家系に伝わるぬか床は、何だかよく解らないけれど、とんでもない代物だった……物語は、奇妙で寓話的な風に、はじまります。やがて、旧知の男性との再会、新たな存在の発生を経て、展開は微細に広大な色彩を帯びてゆく。 序盤読中は、柔らかで不可思議な構造の作品なのかな、と思っていたのですが(余談ですが、「フリオのために」は、独立した短編として読んでも、非常に優れた一編です。)、「カッサンドラ」の登場により、これは想像以上に抉られる小説だぞ、と気づいた次第です。 「からくりからくさ」と、根っこを同じくしているのでしょうか、同じような苦味を感じました。 性を持って生まれてきた生物の宿命、とでも言えば良いのでしょうか。恋愛と生殖、遺伝子の関係のくだりは、まあそうだよなあ、と思いつつも、少しばかり微妙に凹んでしまいました(笑) 「カッサンドラ」以降の展開は、がらりと変わる感。嘗て久美たちの先祖が住まい、今は廃墟となった島へ、探求と開放の為に向かう。 個人的に、廃墟の島には凄く惹かれるものがあるのですが、それを抜きにしても、描写が良い。特に、間に挟まる、「安世文書」が、とても素晴らしいのです。 安世視点で紡がれる、文章に織り交ぜられた不思議と不可解の味。読み手にとって今現在、集落が滅んでいる、という前提の上にひろがる、生きていた記録。展開の陰に、美しい寂寥があるように思えてなりません。 二章ごとに配された寓話――と書いても良いのでしょうか――は、些かペースを乱されましたが、終盤付近で、ああ、と納得してしまいました。最初はぬか床の世界の話だと思っていた、のですが・・・考えてみれば、そう大差ないのかもしれません。(生物学なぞさっぱりですので、勘違いも甚だしいかもしれませんが) 只、解釈の幅が広いので、多少不安になってしまいました。ベースにあるものを読み解こうとするならば、これは少し、難易度が高いやもしれません。著者の踏み込んだ解説が欲しいな、とも。 男性であることを捨てた、と言う男性、風野との顛末には賛否両論あるかもしれないけれど、あのラストはもう、行き着く形以外の何物でも無かった、そう思えてなりません。 足元から髪の先まで、振動するような描写には、息を呑みました。 プロローグとエピローグを飾る詩も、併せて良いのですよね。絶望を覆って余りある喜びに、諸々が解けるようでした。 因みに再読しての印象なのですが、本作、著者のプライヴェートな部分に踏み込んだ小説のように思えてなりません。陰りとある種の前向きさに、深読みをしたくなってしまいました(笑) もっと語りたいこと、突っ込みたいこともあるのですが、尋常でなく長くなってしまいそうなので、これにて。万人向けではありませんが、唸って考えさせられる、そんな一作です。 この評価板に投稿する |
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