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| 文学総合点=平均点x評価数 | 1,178位/3,067作品中(総合3/偏差値49.02) | 1,177位<= =>1,179位 |
| 1969年文学総合点 | 7位/12作品中 | 6位<= =>8位 |
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評価統計
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| 作品紹介(あらすじ)11代徳川家斉の治世。転びバテレンを父に持ち、世に身の置き場の 無い育ちから虚無に苛まれ成人した妖剣士、眠狂四郎。 正当剣術を極めながら、捨て身の邪険「円月殺法」に開眼、 師から破門された身の上である。彼の行くところ風雲急を告げ、 嵐が捲き起こる。 江戸の町で行き逢った旗本の子を救おうと、剣を振るった狂四郎が 巻き込まれたのは、知己である将軍家世継ぎ、徳川家慶のご乱心と 暴虐、そこに隠された恐るべき陰謀だった。次々と襲い来る刺客の 果てに待つ真相は如何に。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 著者:柴田錬三郎 出版社:新潮社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:1969 週刊新潮 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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| 最終変更日:2011/12/02 / 最終変更者:古典主義 / 提案者:古典主義 (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 2011/12/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 古典主義 (表示スキップ) 評価履歴[良い:494(42%) 普通:284(24%) 悪い:396(34%)] / プロバイダ: 8410 ホスト:8587 ブラウザ: 4786 【良い点】 ・魅力的なキャラクター。本作は、眠狂四郎物の長編としては5作目に あたるが、従来作品を通じて血肉を備えてきた狂四郎自身の性格や 言動が最も堅実で実在感を伴っている。当初の狂四郎は、生まれだけでなく 妻、美保代を喪ったことなど度重なる不幸からか虚無と厭世がことさらに 強調されていたが、本作では捨て鉢で命知らずな無鉄砲さと同時に、 他を思いやる言動を見せる、屈折しつつも人間味のある描写が光っている。 また、主人公に拮抗する刺客として「明日心剣」が登場する。 「むろん偽名でござる」とにこやかに笑い、卑怯を嫌う快男児だが、 狂四郎を倒さんと必殺剣を編み出す事に邁進、ついに完成させる。 陰の狂四郎に対する陽の剣客であり、対決の帰趨と「どちらも死んで 欲しくない」との思いで、読者をやきもきさせる名キャラクターと言える。 ・飛び交うけれんの嵐と着実な取材。次々襲い来る刺客との対決、 史実を覆すが如くの陰謀とその真相。荒唐無稽な設定と思わせつつ、 差し挟まれる年号や風景には、作者の堅実な取材がうかがえる。 「もしかすると本当にこういう事件があったのかも?」と空想に耽る 楽しみはデュマの「三銃士」を思わせる。だいぶ三銃士を意識している 気配も濃厚だし(読めば判る)。 【悪い点】 ・従来長編、特に「孤剣五十三次」のように、次々登場する刺客との対決は、 既読者にとっては既視感間違いなし。 ・狂四郎物としては本作独自の欠点ではないが、狂四郎自身の人となりや 彼を慕う江戸の場末衆、円月殺法の由来などは講釈されないので、 初読者は彼らの人間関係や言動の背景が判らず、戸惑ったり不審に思う 場面も多いと思われる。 【総合評価】 「最高」。眠狂四郎ならこれを読め、という感じ。眠狂四郎シリーズは、 柴田錬三郎の代表作でありながら、映像化作品のイメージが強すぎ、 一般には活字原作の良さ、魅力が伝わっていなかったり、キャラクターが 誤解されている点を多々感じる。バンチの漫画版はヒドい出来だったし。 市川雷蔵が映画で当たり役となった狂四郎はひたすら虚無を強調していた 初期の頃のイメージだが、実は私は初期連作はあまり評価していない。 主人公の性格とその背景に関する描写が淡白であっさりし過ぎ、実在感が 薄いからだ。重要なはずのエピソードが数行で片付けられてしまう事が ほとんど。初期は虚無感が表現されている、と言うより、描写が足りない、 と言う方が正確だろう。 だが、本作にはそれまで積み重ねてきた人物描写の集大成とも言うべき 実在感があり、本作の狂四郎は孤独と虚無に苛まれつつも他人の不幸と 健気に心揺さぶられる。屈折しつつも侠気に無縁でない魅力的な人物として 描かれている。 登場する刺客達も、突拍子も無い技と個性の持ち主ばかりで、漫画的とさえ 言える荒唐無稽と対決の嵐である本作だが、活劇好きには堪えられない魅力に 溢れている。狂四郎の初期を読んで挫折した、あるいは映像化作品が気に 入らなかった、読んだことが無い、という向きには是非薦めたい。 「最高」で。 ※一応、初読者に解説。眠狂四郎は勿論偽名で、若い時分は松平主馬と 名乗っていた。世間をさすらっていた時に名を聞かれ、即興で 思いついた名を通り名と決めたらしい。 無頼の徒を決め込み、「据え膳は必ず喰う主義」と自嘲気味に語るとおり、 罠であろうが事情があろうが抱ける女性は拒まぬ主義・・・と言いつつ、 実際には己の良心の痛みそうな相手は抱かず、自分を慕う町衆を守ろうと したり、それなりに情は深い。が、自分の身の安全はほとんど顧みないため、 かえって敵に惚れられたり、女性に庇護心を起こさせる。 自身で円月殺法について殊更語ったことはないが、対決する剣客側が わざと隙を作って敵を誘う捨て身の邪険、と言うような論評をしていた ような。 ※風貌、言動からエルリックと比較されることも多い狂四郎だが、初期よりも 本作の方が近いイメージ。偽悪的だが無情に徹しきれない屈折と複雑が 非常に良く似ている。柴錬もムアコックを読んだのか?と当初は思ったが、 発表年を考えると狂四郎の方が先。むしろムアコックがパクったのかも。 愛した女性が必ず不幸に、夢想正宗とストームブリンガー、複雑な生まれと 生い立ちから、自分の生命に対する執着の薄さ・・・偶然にしては似過ぎている。 この評価板に投稿する |
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