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海軍乙事件(小説)(日付順)


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読み仮名: かいぐんおつじけん / 英語タイトル: Navy otsu accident
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2007/07/29 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 634 評価履歴[良い:1406(50%) 普通:548(19%) 悪い:858(31%)] / プロバイダー: 11695 ホスト:11850 ブラウザー: 5234
山本長官戦死後、その後任である古賀峰一長官がフィリピンに向かう途中の飛行艇に乗っていたところで遭難し、行方不明となってそのまま殉死という形になったのですが、残った福留繁参謀長らが難破しながらもフィリピン住民に助けられたものの、実はそこに住んでいる住人達のなかに米軍のスパイが・・・・・・というノンフィクションでした。

太平洋戦争が後半に突入し、日本が連敗を重ね、今後どのような作戦を立てていくかと考え、対策も決まらないうちにこの事件が起こり、そしてZ作戦の資料が持ち出され、マリアナ沖海戦の惨敗に繋がっていく・・・・・・ということに繋がっていくのですが、そういった日本にはもはや、味方してくれるものはいなかったという感じがしますし、悪い方向へと向かっていく状態には歯がゆささえ覚えます。

しかし、これがある意味現実を映し出しているようだし、日本の戦争という問題という事に関し、あまりにもよく知らなかったのでは?という感じがするし、万が一という状況を考えていなかったようにも覚えるし、『大本営が震えた日』のような異様な緊迫感と緊張感はあまり感じず、むしろ倦怠感のような印象も受けますが、これはこの事件を敵に知られ、後に多くの犠牲を強いてしまったことも影響しているだろうという感もあります。

戦争する人間達には多かれ少なかれ、異様な緊迫感が・・・という感じがしますが、変な話、戦争状況に慣れてしまい、緊張感が無くなってしまったような感じもするし、日本人特有の「起こったので仕方がない、でも、しょーがない」のような感じがします。つまり、緊張感があまりなく、このような状況を本当に予測できずとも、何かに備えることが出来たのだろうかというと、そういったムードがあまりに感じられないように思います。

勿論、結果論なので、本当に事故にあった当事者達の気持ちと状況を計ることは出来ませんが、それでも軍人であり、戦争をしていた筈じゃないか?というムードがどうしても感じられます。しかし、人生は何があるか判らないし、戦争はそれ以上に何があるのか判らない世界です。その中で何万人という人の命が敵味方関係なく奪われていくという事態を本当に認識していたのかどうかというと、疑問を覚えてしまうところもあります。

人生は思い通りにならないのだし、戦争はそれ以上に何が起こるか判らないものでしたし、事実、太平洋戦争は戦艦中心の戦いから、航空機動力中心の戦いへと移行したし、日露戦争での戦術が太平洋戦争では全く意味の成さないものへと変わってしまいました。

そういった戦争と情勢の変化というものを考えていなかったか、あるいはそれがあっても日本にはその状況に応じた戦略を転換するだけの力がなかったことは歴史的にも明らかにされています。
そういった部分で考えると、この事件が起ころうと起こるまいと、日本が辿った運命の皮肉さを感じるし、もし、この事件が起こらなければ、マリアナはどうだったか、あるいは終戦を迎えられたかなどとも考えるのですが、しかし、こういった事件にしても、戦争というものが引き起こしたという事実と現実も変わらないし、行き着く先はやはり、戦争をしてはいけないという方向になるのだと思います。
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