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| 文学総合点=平均点x評価数 | 40位/3,067作品中(総合42/偏差値85.85) | 39位<= =>41位 |
| 文学平均点(評価10個以上限) | 151位/231作品中(平均1.05=良い/40評価) | 150位<= =>152位 |
| 1918年文学総合点 | 1位/10作品中 | =>2位 |
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評価統計
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| 作者:芥川龍之介 掲載:赤い鳥 出版:新潮社 筑摩書房ほか | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:1918/07 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 公式サイト 1. 図書カード:蜘蛛の糸 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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最近の閲覧数
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| 最終変更日:2009/10/30 / 最終変更者:雪霞 / その他更新者: Janus01 / TCC / 提案者:若鶏カレー (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| [推薦数:1] 2012/05/10 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by cipherxx (表示スキップ) 評価履歴[良い:42(82%) 普通:9(18%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 31271 ホスト:31145 ブラウザ: 7910 非常に日本人的な心情を表した作品です。 日本で発達した大乗仏教では、御仏の慈悲に縋れば罪人も許されるという母性的な考えが中世以降主流となりました。釈迦が全てを包み込み、罪をも許す"母性"を表す女性の姿形を取っているのも象徴的です。またこうした母性的な考えから派生した衆生の為に自己を犠牲するという価値観も尊ばれてきました。特に、中世にベストセラーになった経典「大般涅槃経」では、虫けらと言えども生あるものすべてに仏性があると説いています(一切衆生悉有仏性)。カンダタはその観点からすれば蜘蛛を救った時点で、十分救われるべき存在となったのかもしれません。 しかし、その後、蜘蛛の糸を昇る際に、カンダタは同じ場に所属する仲間を見捨て、貶し、自分だけ助かろうという行為をします。これは日本的な皆一緒という「場の倫理」を汚す、日本人からすれば自分勝手と取られる行動です。この倫理観からすれば、カンダタは再度地獄に落とされても当然でしょう。 この作品は西欧化し、近代化へと歩み始めた大正時代にあって、古来の"日本的なもの"を象徴的、心情的に表しています。ただ、穿った見方をすれば、カンダタは芥川自身であり、彼1人近代的自我に目覚めても、日本社会の個を滅す、旧来の圧力に負け、"向こう側"に行くことは叶わなかったとも読めます。やや皮肉な目で見れば集団の為に個を犠牲にする「自己犠牲」の物語であったらもっと一般に受けたかもしれません。 芥川自身、帝大英文科を卒業しており、西欧や近代文明への理解が深かった小説家でもあるので、彼の苦悩と葛藤がこの作品から読み取れます。 尚、この作品が面白くなかった人は小松左京のパロディがお勧めかもしれません。あまりにもB級映画的で皮肉が効いており、爆笑しました。こちらは非常に合理的精神に満ちています。 【余談】 こうした日本的思想は、今なお有効で、組織に対する忠誠心、従順さ、平和的で安全な社会を築くことに成功させ、日本人の美質として世界に日本を知らしめさせましたが、一方で従わない者に対する懲罰的傾向、個を滅す態度、年長者から下の者に集団の意識を強制的に共有さす働きとなって作用してきました。 技術の革新は日進月歩でありながら、人の意識変化はなかなか進まず、日本は云わば「新幹線が走る江戸時代」に未だ住んでいるのかもしれません。 しかし、今、グローバル化が急激に進む現代では島国日本社会にも変化の波が押し寄せ、こうした日本固有の考え方だけでは通用しなくなってきました。能力主義の導入、年功序列制度の取りやめなどがそうでしょう。とはいっても、まだまだ"旧来の日本的な考え方"は混在しています。今の20代30代はその矛盾や混乱を社会でもろに背負わされているのかもしれません。 2011/11/29 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 1933 (表示スキップ) 評価履歴[良い:10(83%) 普通:2(17%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 39069 ホスト:39322 ブラウザ: 9466 【良い点】 子供にもわかりやすい教訓のメッセージが込められている。 【悪い点】 ストーリーが短くて物足りない。お釈迦様の行動が理解できない。悪人に甘すぎるのでは? 【総合評価】 悪いことをしているカンダタを蜘蛛を助けるというだけで天国へ行かせようとしているお釈迦さまには不信心に思われても仕方ないですが浅はかに思います。ただラストでのカンダタが地獄に落ちる結末には人間のエゴが感じられ、教訓的なものも感じられたのでそういう意味ではいい作品だったのではないかと。ストーリーの短さに物足りなさを感じたのですが裏を返すとそれだけ簡潔にテーマをまとめられているので読みやすい自分好みの作品でした。評価は短いのが響いて「良い」ですね。 [推薦数:1] 2011/09/11 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 墨汁一滴 (表示スキップ) 評価履歴[良い:448(81%) 普通:50(9%) 悪い:56(10%)] / プロバイダ: 21846 ホスト:21763 ブラウザ: 2413(携帯) 高校の国語の教科書に載っており、授業で習いました。 個人的な印象としては近代の日本文学としては子ども向けのメルヘンチックな作品だと思います。 だってそうじゃありませんか。天国に続いている蜘蛛の糸をカンダタが登る…まるでジャックと豆の木に似ています。しかし、この作品はただ子どもの夢のある展開に持っていくだけでなく、自分が真っ先に助かろうとするあまり後から登って行く人たちにカンダタが降りろと叫んだために糸が切れて落ちていく描写を描くことで自分優先にするとロクなことはないという戒めをしています。 ただ個人的に思ったんですけどさんざん悪いことしていたカンダタを蜘蛛を助けたぐらいで神様が天国に行くチャンスを与えるなんてどうも悪人を美化しようとする印象があってよろしくないですね。 まあ、結果的にカンダタは再び地獄に落ちる結果になったので評価は良い寄りのとても良いで。
2011/05/25 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by SWAN (表示スキップ) 評価履歴[良い:212(87%) 普通:20(8%) 悪い:12(5%)] / プロバイダ: 4239 ホスト:4410 ブラウザ: 11751 【良い点】 有名な話ですが、自分が特別と思ってはいけないと言うテーマが書かれている点でしょうか。(ありきたりな表現ですが) 【悪い点】 お釈迦様は主人公は他の罪人と違うと思っているのに違わないのでは。 【総合評価】 蜘蛛を助けたから他の人とは違うというのは大袈裟な気もしますが、ただ糸が下りてくると自分でも同じパターンにはまりそうですが。 カンタダはちがうと言う気持ちが裏切られた虚しさを感じました。一片の情けを与える事で信じると言う事でしょうか。 2011/01/27 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by KOS-SUI (表示スキップ) 評価履歴[良い:230(70%) 普通:48(15%) 悪い:51(16%)] / プロバイダ: 27921 ホスト:28065 ブラウザ: 10067 面白いけどいろいろとつっこみ所がある作品。 まず蜘蛛を助けたからといって御釈迦様が助けてくれたという点。他の罪人だってそれくらいの経験は一回くらいはありそうだけど。 そして、後半で蜘蛛の糸で主人公にチャンスを与えるのですが、蜘蛛の糸ではさすがに細い、主人公が別の罪人が登ってくるのを落とすという行為にでるのはちょっと気持ちわかるよ。 ということでつまり自分が言いたいのは、御釈迦様の行動が良くわからないと思いました。 とはいえ芥川龍之介さんらしい作品で好きです。 2010/11/14 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by soka (表示スキップ) 評価履歴[良い:505(79%) 普通:87(14%) 悪い:45(7%)] / プロバイダ: 4045 ホスト:3981 ブラウザ: 9673 【良い点】 ・カンダタとお釈迦様の人間味 助かりたい一心で罵声を放ってしまったカンダタと、 地獄で散々苦しんで心がさらにすさんだと知りながら、 一度の暴言で見限ってしまったお釈迦様。 どちらも不完全ということでしょうか…。 ・良くも悪くも短いこと。 【悪い点】 ・短いので、高評価がつけづらいこと 【総合評価】 芥川龍之介の代表作。短くまとめた童話だが、 インドに関する知識もちらほら見られる。 2010/10/01 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 名もなき詩人 (表示スキップ) 評価履歴[良い:537(86%) 普通:57(9%) 悪い:33(5%)] / プロバイダ: 10552 ホスト:10509 ブラウザ: 3876 最高にしたいところだが、さすがに短すぎる…。 だがこの作品の評価が高いのは短い事だ。 この作品4コマの様なイメージを受ける。本当に短い。 この短さの中に言うべき必要な事がすべて詰っている。 冗長で退屈するとかそういうレベルの長さじゃない。どこまで短い文章で物語が出来るかそんな極限の挑戦を感じる。 しかもこれだけの短さに面白さもきっちり入っている。 私はこういう作品が大好き。虫は小さいのに人間の様に生を持っている。この作品は、ああいったものに対する感動と似たものを感じる。 ただすごく不思議なのはこれだけの短さの文章に天上の描写が結構丁寧にされていることだ。この意味がどうしても分からない。しかも物語に直接絡んでない。これは私の中で蜘蛛の糸の謎としてミステリーになっている。 [推薦数:1] 2009/12/06 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by KAMIKAZE (表示スキップ) 評価履歴[良い:294(55%) 普通:0(0%) 悪い:244(45%)] / プロバイダ: 53383 ホスト:53360 ブラウザ: 6770 【良い点】 大泥棒、カンダタの人間味がそれなりに感じられた。 【悪い点】 敢えて言うなら、自分だけ助かろうとして結局ダメだったというオチは、ちょっとベタだったかな、と。 【総合評価】 地獄にいる大泥棒であるカンダタが、かつて一匹の蜘蛛を助けたこともあって、それをお釈迦様に認められてか、蜘蛛の糸が目前に垂れているのを見てそれを上れば地獄から脱出できると思って必死に登るのですが、それを他の罪人に目撃されて彼らが必死に登るのを拒んだ為に結果的にはそれが切れて再度落っこちてしまうという、ベタ、というかありがちな感じのオチではありましたが・・・・ もし、彼が他の罪人に構わず昇りきっていたらどうなっていたのか?とも考えさせられます。 しかし、蜘蛛の糸は非常に細いものだったので、自分以外の者もつかんできてしまったらきっと切れてしまうだろう、という危機感も彼の中にあったかもしれません。 結末そのものが自分だけ助かろうというエゴが彼の中に生じたが故の当然の結果と言ってしまえばそこまでですが・・・・ (余談ですが、このカンダタという名前、どこかのゲームで聞いたことがあるような気が?) 2008/09/25 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by mind (表示スキップ) 評価履歴[良い:427(69%) 普通:101(16%) 悪い:89(14%)] / プロバイダ: 29983 ホスト:29908 ブラウザ: 8090 道徳の授業で「糸が切れたのは囚人たちの重さ(単に物理的な要因)のせいか、 それともカンダタが一人で助かろうとしてお釈迦様の怒りを買った(徳が尽きた)せいか?」という議論をしたのを思い出しました。 完全に結論を書かず、複数の解釈が入る余地を幾許か残しておいて、作者に考えさせるようにしてある所が また作品のインパクトを大きくしていて良いのでしょう。 子供にも理解でき、大人が読んでも味わい深い作品。 「ございます」調の丁寧な文体で書かれているので、却ってカンダタの浅ましさが浮き彫りになっています。 「蜘蛛の糸」を、「希望の光」「人間の欲望」などと色々解釈できる所も好きです。 但し、お釈迦様の本心や行動基準について深く考えていくとおかしな部分が出てくるので評価はこの辺で。 [推薦数:1] 2008/09/19 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by herba (表示スキップ) 評価履歴[良い:309(84%) 普通:30(8%) 悪い:29(8%)] / プロバイダ: 7567 ホスト:7709 ブラウザ: 6701 これ、三節に別れていて、人間のエゴ/信心/慈悲話としては二節目までで事足りる様に思えるのだが、最後の一節に微妙な味がある。 蓮みたいな作為の無い存在に何かを語らせるのが何と言うか、洗練されている。 最後の所、極楽の蓮が放つ甘い匂いの中、お釈迦様が上から目線で自己満足に浸ってるようにもとれなくはない。そう考えると、何万里も離れた極楽から糸垂らして無駄に希望を持たせるなんて人が悪過ぎじゃぁないか? とか、挙げ句の果てには糸切った真犯人は誰だ!?なんてことにも。 案外、この世に神も仏もあったもんじゃねえ! といったものを暗に示したかった? (作者さん自殺しちゃったしなあ…しかも、そのおかげで我々はいつでも無料で氏の著作が読めるという) もっとも、こうした見方はお釈迦様を我々俗人と同格に据えるから可能になるわけで、作者の時代ではどうだったのか。釈迦に説法という諺まであるぐらいなのだ。 地獄も極楽もお釈迦様も仏教理念の一部として捉えられそうなものだが、釈迦が実在の人物(仏教の開祖)とされているから話がややこしい。 んまあ、ちょっと騙し絵みたいな所がある。信心深い人からは有り難いお話、懐疑的な人からは釈迦への皮肉にもとれる巧妙な仕掛け? 様々な表現規制をかいくぐりながらこっそり主張を忍ばせる高度なテクニックとか。 ところで、いかにも頼り無げに見える蜘蛛の糸ですが絹よりも強靭だそうだ。 作者の、あるいは作者の時代の自然観が現れているのではないだろうか。 つーことで、蓮さんと蜘蛛さんに一票ずつ差し上げたいと思うのですよ。 2008/04/18 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 青いエビータ (表示スキップ) 評価履歴[良い:283(74%) 普通:24(6%) 悪い:77(20%)] / プロバイダ: 19923 ホスト:20010 ブラウザ: 3264 いつだったか教科書で読みましたね。 確かにカンダタが再び地獄に送り返されるのは、「悪い」ことをしたからそうなったというのは誰にでも分かるでしょう。 でも、もしあのような状況で、自分の身を犠牲にしてでも他人を救える人は一体どれだけいるのでしょうか…?私にはそんなことできる自信がありません。 つまりこの作品は、ただ単に「思いやりの尊さ」だけではなく、人間の醜いエゴイズムを描いた作品なのです。そう考えると、なかなか鋭く重いですね。 2008/04/18 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by ヒック (表示スキップ) 評価履歴[良い:47(65%) 普通:11(15%) 悪い:14(19%)] / プロバイダ: 18003 ホスト:17757 ブラウザ: 4731(携帯) 日本人の道徳心として最も大切なこと。他者への『思いやり』を仏教の世界観を通じて分かりやすく描かれているように思う。(人間の煩悩に関してもまた然りである。) まさに、日本文学の神髄。子どもに読んでほしい本であり、後世に語り継ぎたい本である。 2007/04/26 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by アインシュタイン (表示スキップ) 評価履歴[良い:171(65%) 普通:29(11%) 悪い:62(24%)] / プロバイダ: 3907 ホスト:3833 ブラウザ: 6287 この短いページ数でこれだけ内容の濃い文章を書き上げた芥川さんは素直に凄いと思いました。 もし自分が「カンダタ」のような状況になったら真っ先に上ってしまいそうです。 やはり人間は基本的には自分が一番大切ですよね・・・ 人間のエゴを見事に描いていたと思います。 ただ、お釈迦様が微妙に説教くさかったのが好きになれなかったので 「良い」で。 2006/08/28 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by カジマさん (表示スキップ) 評価履歴[良い:604(82%) 普通:77(10%) 悪い:53(7%)] / プロバイダ: 9525 ホスト:9722 ブラウザ: 6213 芥川氏は子供が病気になった時に自分の作品を読み聞かせていたといいます。 その代表格がこれではないかと思うんですよね。子供向けにはピッタリな話ですし。 あらすじは他の皆さんが書いているので、ここでは言及しませんが 読んでいると本当にメッセージ性が強い作品ということを思わせます。 自分だけ助かればそれでいいというのは悪とかそういう問題ではなく、自己中心の典型的な例ですよね。 そういう人間にはならず、他への思いやりを忘れるなという作者の意見が込められている作品です。 現代で極端にまで自己中心な方が多いと聞いたことがありますが(個人的には人間は皆自分勝手だと思う) そんな方にこそ読んで欲しい作品。現代にもそういう部分で通じていると感じます。 芥川氏がどうしてこのような物を書こうと思ったのかは真相は分からないですが 昔も今も自分が助かればそれでいいとかいう極端な人間は多かったのかもしれませんね。 [推薦数:4] 2006/08/10 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by HUNGRY SPIDER (表示スキップ) 評価履歴[良い:267(37%) 普通:158(22%) 悪い:298(41%)] / プロバイダ: 14019 ホスト:14176 ブラウザ: 7395 蜘蛛の糸の強度は今非常に注目されていて、新たなる時代の新素材となるべく日々研究が進められている。要は、それだけ強いということだ。 本作にてお釈迦様がカンダタに与えたのは斯様な「蜘蛛の糸」。最も強い素材の命綱を与えることは、お釈迦様の慈悲の深さを表しているとも取れるが、同時にその厳しさも暗示しているように思う。いくら強いとはいえあんな細い糸1本しか頼るものがない状況は常に恐怖と戦い続けなくてはならないし、地獄と天界では数にならないほどの隔たりがあるためいつ気持ちが切れても可笑しくないだろう。救いを求めるのは想像を絶する困難な道であり、カンダタのように少しでも欲を出したり脇目を振るともうその道は絶たれてしまう、勿論慈悲も忘れてはいけない…これはカンダタを修行者に投影した、宗教的な求道者に対する戒めでもあったのではないか。そう考えると地獄の亡者は世俗に生きる人間、即ち我々のことにも思えるが、俺はそれを否定はしない。基本的に我々は自覚の有無に関わらず悪行を繰り返しているのだから。お釈迦様が蜘蛛の糸をカンダタにだけ与えたのは、少しの信心(本作では善行が相当するだろう)さえあれば誰にでも道は開けるのに、何故それをしないのだろう、という皮肉にも見える。当然その道は長く苦しい、半端な覚悟では失敗しますよ、とも。 いや、本作はもっと多角的。その皮肉が宗教的なものでないと捉えても立派に成立してしまう。勉強を例にとって見ると、少しのやる気(これが蜘蛛の糸)さえあればテストでもいい点取れるし、信じられない有名大学に受かるかも知れない。カンダタはたまたま(?)やる気が出た稀な学生だが、あまりの遠さに気が折れそうになる。疲れてふと下界を見てみると、カンダタを見て俺も俺もと勉強して有名大学に入ろうとする輩が一杯いる。そこで彼が放った言葉は「勉強していい思いするのは俺だけで十分だ!!」そして足の引っ張り合いをしてるうちに勉強のやる気も萎え、結局大学にも入れずじまい。世俗的な話と捉えてみると、エゴとは醜いというよりいかに損をする代物かというお話。しかしそれでもエゴを捨てきれない、愚かな人間の本質を突いた話でもある。もっともエゴを発揮することで道が開ける場合も多々あるのだが、本作はエゴというものの一面は見事に抉り出しているように思う。 と、同時に芥川氏の苦悩も滲み出ているように思えるのは気のせいだろうか。自分は何とか助かりたい、でも助かるに値する人間なのか?カンダタと同じような末路を辿るのではないか?芥川氏自身がカンダタに自己を投影して書いたのが本作ならば、様々な皮肉と共に、芥川龍之介という男の精神世界をも見て取れる仕上がりになっている。彼の精神が地獄のような状況だったことも。とすれば本作には半ば皮肉めいた自虐も含まれていることになる。そんなことを考えるのも、本作の醍醐味。 これほど短い物語に、こうも何通りもの捉え方ができるほどの物を含ませる凄腕。芥川龍之介は今まであまり読まなかったが、本作を期に読んでみようと思う。それほどのものを芥川は持っているだろうから。こんな話を書けたのだから信用していいだろう。
2006/03/25 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by TCC (表示スキップ) 評価履歴[良い:2148(46%) 普通:1434(31%) 悪い:1069(23%)] / プロバイダ: 8866 ホスト:8952 ブラウザ: 4184 ※2007年10月訂正。 道徳的教訓を説いていた作品でしたね。これは。 【良い点】 ・「人間の浅ましさ」 生前に遺した、唯一の善行に免じてカンタダに 救いの手を差し伸べたお釈迦様でしたが、その慈悲 は残念ながら伝わりませんでしたな。しかし、彼を 笑う事は出来ないですね。我々生きている人間には 想像は出来ても、完全に理解できるわけがない苦痛な日々とオサラバ できそうだったのですから。人間は日頃口で何とでも 言っても、結局は自分が一番可愛い生き物で、それは 恥ずかしい事でも何でもないんですな。最後の、カンタダのエゴ に残念がりながら歩き出していったお釈迦様の姿と 日が開ける極楽の池の風景にはもの悲しい余韻を感じましたな。 【悪い点】 特にはありません。 【総合評価】 30代半ばで命を絶ったのが惜しまれる芥川龍之介氏ですが、 子孫の方々もそれぞれ芸の道を歩まれているし、晩年は 「ぼんやりとした不安」に悩まされていた同氏も満足しているの かもしれない・・・・・・・・・・・・ 読んで凄い鱗が落ちるほどではないですが、これも人間の 浅ましさを醸しだした名作短編でしたな。 2005/12/25 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 634 (表示スキップ) 評価履歴[良い:1670(50%) 普通:656(20%) 悪い:1009(30%)] / プロバイダ: 13637 ホスト:13529 ブラウザ: 5234 中学校時代の英語の教科書でも習った思い出深い作品といえます。 国語じゃなくて、英語でこの小説の事をやっていたので、その意味では変な具合で印象に残りました。 しかし、その内容は犯してきた悪行の数々に比べ、ほんの少しの善行だけで来世も救えるなどという甘ったれた感情や偽善などを吹き飛ばしてしまう内容でした。 あさましい人間性は描かれているし、沈没寸前の船の上の極限状態でヘリコプターがロープを吊って救助に来ても、本作のような事が起こらないと断言出来るか?と思わせるシビアな視点はどんな聖人君子であろうと、どんな優れた人間であろうと、一皮剥けば只の煩悩と本能だけが詰まった有機体という事なので、悪人カンダータ(ともいう)と人に置き換えて見ているという事は、作者ならではのシビアさと、人間の弱さと脆さが再確認出来るといえます。 地獄でなくても、こんな極限状態になってしまうと人は冷静な判断だって出来なくなるだろうし、昔の小説はシビアな視点で現実を捉えていたものが多いと再認識させてくれそうです。地獄の世界があるかどうかはともかく、現実の世界の紛争地域などの実情を考えると・・・・・・。 今はこういった作品が出来なくなった環境だと改めて思います。 2005/12/25 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by たお (表示スキップ) 評価履歴[良い:155(82%) 普通:9(5%) 悪い:26(14%)] / プロバイダ: 23107 ホスト:22941 ブラウザ: 5832 芥川らしい、切れ味の良い佳作。 本著は道徳教育の教材として使われることが多いようで、 善行をしなければ罰が当たる教訓談と捉える向きが多いようだが、果たしてそうだろうか? 私は違うような気がする。 芥川は、人間の業の深さやあさましきエゴをそのまま描こうとしただけで、 そこに教訓を与えようとしたわけではないと思う。 生前のたったひとつの善行(蜘蛛を助けたこと)によって、天国へ昇るチャンスを お釈迦さまから与えられるカンダタだが、他者を退ける言動で結局そのチャンスを失ってしまう。 強欲で業が深い利己主義者の姿は、人間誰しもが持っている暗黒面。 また、カンダタに群がる地獄の亡者たちは、富める者、成功する者に群がる人間(俗物)の姿そのもの。 お釈迦さまはそのような人間のありようをよくよく認識されていたから、 糸が切れて地獄へと落ちるカンダタと亡者たちの姿を見て顔を曇らせることになる。 ああ、やはりこうなったか、と。 2005/06/17 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by バキ (表示スキップ) 評価履歴[良い:40(63%) 普通:5(8%) 悪い:18(29%)] / プロバイダ: 34156 ホスト:34043 ブラウザ: 2058(携帯) 誰しもが一度は読んだ作品ではなかろーかー。 これほど、分かりやすい例え、分かりやすい文章、分かりやすい表現で、人間の本質をついてるというのが素晴らしいですー。 そして一見、誰でも気付きそうな着眼点を発見し、それを描いたというだけで、芥川氏という人物が、どれほどかというのを想像するにかたくないですー。 文学とは如何なるものか、決して難しい語句や美辞麗句など使わなくても、小説は成り立つ、その答えとなるリーディングケースの一つですねー。 2005/06/17 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 羽幌炭鉱 (表示スキップ) 評価履歴[良い:773(45%) 普通:469(27%) 悪い:473(28%)] / プロバイダ: 21860 ホスト:21698 ブラウザ: 4487 「悪党はどう転がっても悪党!!」なんて言葉を カンダタの姿に思い浮かべてしまう。 しかし実際はアンナ状態になったら誰であろうと カンダタになってしまうのではないのか?地獄か ら救いの蜘蛛の糸というたいそうなものでもない 日常の多くの出来事において。 そう思うと、人間誰しものなかにカンダタは存在 する。そしてカンダタの姿を愚か者と笑ってはい けない。そう、みんなカンダタなのだから。 こういう作品も最初は娯楽作として世に出たと言 うのだからコレを書いた芥川龍之介は見事に文豪 だ。夭折が惜しまれるほどの…。 もっと読む「これも小学生の時、教科書で読んだ覚えがあります。生前に蜘蛛を助けた主人公が、お釈迦様から地獄から這い...」 by SOUTA 次のページを読む この評価板に投稿する |
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