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| 注意: これは文学版。その他メディアのページ: 漫画:風が強く吹いている / 日本映画:風が強く吹いている |
| 文学総合点=平均点x評価数 | 200位/3,067作品中(総合13/偏差値58.48) | 199位<= =>201位 |
| 2006年文学総合点 | 17位/143作品中 | 16位<= =>18位 |
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| 作品紹介(あらすじ)箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして……。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚! 超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。 (Amazon「BOOK」データベースより) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 著者:三浦しをん 装画・挿画:山口晃 出版社:新潮社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 日本 開始日:2006/09/20(水) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
利用状況
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| 最終変更日:2007/05/09 / 最終変更者:遠野 / 提案者:遠野 (更新履歴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| [推薦数:1] 2007/05/10 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/] by 遠野 (表示スキップ) 評価履歴[良い:250(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 28399 ホスト:28449 ブラウザ: 4184 箱根駅伝と、それに挑戦する十人の大学生を描いた青春小説です。 ずっと手に取りたいと思っていた一冊だったのですが、この度ようやっと念願叶いました。 ――凄く、面白かったです。想像した以上に、のめり込んでしまいました。今迄、正月恒例の箱根駅伝を、熱心に視聴応援する心理が、いまいち解っていなかったのに、本書を読んで、(単純にも)駅伝って凄く面白いじゃないか! ……と、嵌ってしまいました。 ストーリーも登場人物も、非常に秀逸で魅力的です。主人公である蔵原走、清瀬灰二もさることながら、竹青荘に住まうメンバー全員のキャラクターが確りと立っていて、兎に角濃いのです。 それぞれの在りように、笑ったり、共感したり、感情移入したりしていまう。誰かの陰に隠れて、霞んでしまう人物が、ひとりも居ない。執着する事がある、悩むことがある。笑ったり騒いだり、喧嘩をしたり諭したり、ときに反目しあい、共にたたかう。寮の大家(兼コーチ)や、商店街の面々の協力を仰ぎながら、9ヶ月間のあいだに、着実に、けれど目覚しい成長を遂げてゆく。 彼らの踏んでゆくプロセスが、とても良いのです。恥ずかしい言葉で申し訳ないのですが、足跡のひとつひとつが、きらきらしている。 上手く行き過ぎだろう、と突っ込むのは野暮だと思う。竹青荘の住人が、灰二に牽引されて、それぞれの足で伸びやかに、力強く成長してゆく姿の鮮やかさ。少しずつ強くなる結びつきや、お互いがお互いを思うさまは、読んでいてとても、嬉しくなってしまいました。 全500頁にわたる構成も、とても秀でています。寄せ集めの駅伝チームの発足から、いまいち頼りない練習風景、記録会に合宿、予選会へ。いままで駅伝に馴染みの無かった人間にも、解り易く砕きながら、がっつりと興味を持てるよう、積み上げられています。 はじめのうちは、この面子で本当に行けるのかな、と訝しんでいたのですが、物語が進むにつれ、嫌が応にもモチベーションが上がってゆきます。著者の手腕に舌を巻きつつも、最期に齎されたメンバー全員の走りには、本当に、胸が締め付けられるようでした。素晴らしいものを見せてもらった、そのひとことに尽きます。 私的に涙したのは、(田舎限定)神童の走りでした。マラソンや駅伝では、トラブルは付き物――なのかどうかは知りませんが、幾度か目にしたことはありました。けれどこうやって、9ヶ月の軌跡を見続けてきた彼が、ここへ来て、この場所へ来て、こんな事になろうとは。 走る彼を見るのが苦しい。でも走って欲しい。何よりも彼が、走ることを望んでいる。けれど、それまで上げてきた順位が、どんどん下がってゆく。抜かれた、という記述を見るたびに、どんどん遣り切れなくなってゆく。このままでは、10分以上のタイム差がついてしまう。足がもつれている。朦朧としている。 ゴールした神童の強さ、見守り続け、迎え入れたメンバーの遣り取りには、本気で泣かされてしまいました。 9区を走った走の走り、その美しさには、息を呑みました。どきどきすると同時に、彼がこの場所へ、この仲間達と来ることが出来た僥倖を、思わずにはいられませんでした。 最後に襷を受け取った灰二の、集大成ともいえる走りは矢張り、圧巻でした。願う場所へ行って欲しい、そう祈ると同時に、モノローグはこちらも、泣かされてしまいました。ゴールが近づくにつれ、痛いくらいに胸が高鳴る。ひとつの物語にここまで心拍数が上がるなんて。言葉にするのが難しいくらいの感情の波に、襲われてしまいました。 勢いと輝きと、強さのある小説でした。今迄三浦氏の著書に触れたことは無かったのですが、がぜん、他作品も読みたくなってしまいました。 そういえば、本書に影響されて、走りたくなってしまった人、実際に走り始めてしまった人、結構居るのではないでしょうか。何はともあれ私は、次の正月が楽しみで仕方ありません(笑)
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