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[小説]アルジャーノンに花束を


あるじゃーのんにはなたばを / Flowers for Algernon
注意: これは文学版。その他メディアのページ: ドラマ:アルジャーノンに花束を / 海外映画:アルジャーノンに花束を ( まごころを君に )(1968年版)
文学総合点=平均点x評価数33位/3,067作品中(総合46/偏差値89.55) 32位<= =>34位
文学平均点(評価10個以上限)82位/231作品中(平均1.64=とても良い/28評価) 81位<= =>83位
1978年文学総合点1位/21作品中 =>2位

直近発売の本/漫画 1999/11 ())心の鏡 (ダニエル・キイス文庫) 756
本/漫画(9)
売上/新着
Bray/DVD(12)
売上/新着
364
新書:アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

861
1999/10
()
19205
単行本:アルジャーノンに花束を

1,575
1989/04
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37670
新書:アルジャーノンに花束を [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブック...

1,418
1999/04/28
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119730
文庫:心の鏡 (ダニエル・キイス文庫)

756
1999/11
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327447
単行本:アルジャーノンに花束を (講談社ワールドブックス)

1,223
1995/11
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377427
単行本:アルジャーノンに花束を (海外SFノヴェルズ)

1,529
1978/07
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410355
:アルジャーノンに花束を (1978年) (海外SFノヴェルズ)

1,029
1978/07
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549113
単行本:アルジャーノンに花束を―原書で愉しむ

1,260
1993/12
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596435
単行本:戯曲 アルジャーノンに花束を

1,575
1992/09
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10458
VHS:アルジャーノンに花束を Vol.5 [VHS]

7,140
2003/02/19
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評価統計
評価平均とても良い(1.64 pnt)
評価総合点45.92
文学順位(平均点)82位(231作品中)
文学順位(総合点)33位(3,067作品中)
偏差値(総合点)89.55

人数77113000
割合25.0%25.0%39.3%10.7%0.0%0.0%0.0%
加算分布25%50%89.3%100%100%100%100%
分布要約89.3%10.7%0%
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作品紹介(あらすじ)

パン屋で働く知恵遅れの青年チャーリイは、時々いたずらされることがあっても、職場の仲間たちにかわいがられて幸せでした。彼の望みは、今よりもう少しだけ頭が良くなって、もう少しだけ幸せになれること。ある日、知能を高める実験に協力して欲しいと偉い先生に頼まれたチャーリイは、自分の望みがかなえられると思って引き受けます。手術を受けたチャーリイの知能はどんどん高くなってゆきますが、チャーリイは自分が偉くなっても幸せを手に入れたわけではないことに、次第に気づいてゆきます…。

著者:ダニエル・キイス 訳者:小尾芙佐渡辺容子 出版:早川書房講談社インターナショナル
ダニエル・キイス文庫、カバーイラスト:おおやちき
※ この説明部分にはWikipediaを参考/または引用した部分があり、GFDLのラインスが適用されます。
日本 開始日:1978
海外 :開始日:1966
公式サイト
1. ・マ・茹ォ・。ヲ・ェ・鬣、・テチ眤鋻優掘▲曄Α・ケ・
利用状況
日本12,4852828
海外1,72000
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最終変更日:2009/10/11 / 最終変更者:管理人さん / その他更新者: 雪霞 / 37moto / 提案者:incoinco (更新履歴)
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2012/02/05 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:810(57%) 普通:238(17%) 悪い:366(26%)] / プロバイダ: 20089 ホスト:20180 ブラウザ: 7541
【良い点】
・ある意味SF的な要素を持っているのに、なんだか身近なもののようにリアルに描かれていたこと。
・色々と考えさせられるテーマが多かった。高い能力を持つことによって孤独に近付き、今までの自分の友人は自分を嫌っていたことに気づいてしまう…本来人間に必要なのは優しさなのだと思わされました。
・家族との再会。優しかったはずの母は冷たかったけれど、冷たかったはずの妹は優しかった…というのが面白かった。妹と再会するシーンは一番好きです。
・ラストの一文で泣いた。

【悪い点】
・本当に読みにくい。最初の方と最後の方は、どんな難解で気取った文より読むのが苦痛です。

【総合評価】

感動しました。最高です。

2010/10/30 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:537(86%) 普通:57(9%) 悪い:33(5%)] / プロバイダ: 1740 ホスト:1778 ブラウザ: 3876
この作品は嵌りましたね。知を得た事で人の善意の裏に隠れた悪意を知ってしまう。あのくだりが特に面白かったです。

この作品ラストが好きですね。結局上手くいかなくて元の知恵の足りない男に戻ってしまうところですけど、好きな人との別れ。様々な事を失くしてしまう事。でもなんだか最後元のように養護学校の人達とのんびりと社会復帰のための勉強をしているシーンで締めるシーン好きな所もあります。悲しいラストのはずなんですが、ほのぼのしてる雰囲気が全否定できない部分があります。

後アルジャーノンって名の鼠はこの物語の重要なキーマンですよね。今でもこの手の実験が鼠で続けられていて、そのたびにアルジャーノンの名前が出てきます。それぐらい影響を与えた作品だなと感じます。

本来人並みの知性が欲しかったのに、過ぎたる知性を得たため物語として面白くなってしまったなと思う思いがあります。主人公が持っていた視点が逆転したのがこの物語の面白いところでした。

後どこまで知恵遅れの人たといの心理に突っ込みきれているのか分かりませんが、豊かな心情も知性がベースになっているって点が最後の女性との別れのシーン悲しくなるものが有りましたね。感情が無くなってしまうそんな風に受け取れるほどでした。感受性と言った方が妥当なのかもしれません。

自分もこういう実験で賢くなりたいなと言う願望をちょっと持っています。読んだ当時は大学生だったのですが、今はそんなに強くないです。当時は羨ましいなと思ってみてました。ただこういう事するなら自分だけが良いです。そうでないなら意味が無いから。

私は高いIQの友人が居たので、どれだけIQと言うものが高い方が有利かと言う事を身にしみて分かっていて、平凡な私はこれらの友人から知性では劣るという扱いを良く受けていたので、羨ましいなと思う気持ちがやはりあります。努力して手に入るものじゃないので、天賦の才と言うものは、羨ましい限りです。立場はかなり違いますが、どこと無く主人公には共感するものがあります。ただ実際そういう人に囲まれた事の無い人は、自分が劣ると言う気持ちを抱く事は無いでしょう。私は平均レベルで言えば全く問題が無いので。多くの人もそうでしょう。

2009/11/27 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:138(81%) 普通:19(11%) 悪い:13(8%)] / プロバイダ: 6573 ホスト:6475 ブラウザ: 6209
友人から「賢いネズミの話だ」と聞いていて読んだのですが
全然趣旨が違ってたのでびっくりしました。
賢いネズミは伏線ですね、最初は、ひらがなだけで読みにくかったですが
それが後半の知能発達の変化に意味を持たせて逆に良い手法だと感じました。
ダニエルキースの作品はイマイチな物が大半ですが
この作品はおもしろかったです、高い知能故の葛藤が上手に描写されてました。

2009/11/19 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:62(78%) 普通:5(6%) 悪い:13(16%)] / プロバイダ: 9715 ホスト:9602 ブラウザ: 3876
性犯罪を犯し、刑務所に入れられて後の精神鑑定で、

24もの人格に分裂した多重人格ということが判明した男の生涯を追った、「24人のビリー・ミリガン」、

同様に多重人格の女性の半生を書いた「5番目のサリー」、

人間の心の闇、潜在意識の闇を一貫して書き続ける作家、ダニエル・キイスが、

「人間が知ることとはどういうことか」を突き詰めた処女作。



処女作だけあって、着想は良いけど、話の広げ方、展開が惜しい。

でも、その後のダニエル・キイスの問題提起の仕方があらわれてると思う。

発想と構成は今見ても新しいので「良い」。




わたしは頭が悪い。

14歳のとき学校でIQテストを受けたことがあるけど、

これって知恵遅れレベルのIQなんじゃないかって思うくらいのレベルだった。

よく頭の中が、真っ白に、空っぽになる。

そういう時、自分がどこにいるのか、何時にいるのか、わからなくなる。

多分わたしには、知能とかIQってものが、無いんだと思う。

頭が悪いということは、罪であり、憐れむべき障害だった。

だから、頭が悪いことの証左が見られると、罰としての痛みを与えられる。



知というものは、実際に力を持った武器にもなるし、

生存の上で有利なコミュニケーションを可能にすることでもある。

現代では、人間の生存条件は、いかに知識を集積するかということと同義だと思う。

人間とは、知識によって人間になり、知識によって自然から切り離された文明社会を作り、

知識によって文明を危ぶませ、知識によって生じた社会の危機を、

知識によって解決しなければならなくなった生き物だ。



人間は、知恵の果実を食べ、果実の種を文明社会として巨大成長させながら、

あまりに巨大になり、自らの手に負えなくなったそれを持て余し、

一度得た神と同等の知恵という罪を、捨てることも殺すこともできず、

その果てに、殺し合い、すべてを滅ぼすしかなくなった生き物なのかもしれない。

人間の手には負えない果実だから、知恵の果実は、禁忌の果実だったのかもしれない。

そして、手に入れてみて初めて、その知は人の手に負えないものだったのだと気がつく知、

全てが破壊されて、初めて知る、罪の知の実を、再び、何度も実らせることを繰り返しているのが、

人間なのかもしれない。



そして、太古の物語では、知識の果実を食べるという罪を犯した人類の始祖が、

その禁忌を犯したことによって、神と共にいた楽園から追い出されたことが、

人間の罪の始まりであり、帰るべき場所を失った人間の永遠の流転が始まった原点だとする。

人間とは、「知」という罪から始まった生き物なのだ。




わたしには、知的障害者の姉がいる。

障害者の姉に対して、健常者の自分に罪悪感がした。

姉には知ることのできないものを、一つ知るごとに、

私は姉から一つ遠ざかり、一つ知るごとに、一つ姉を裏切るのだ。

いっそ、姉と同じ知的障害者でいたいとさえ思った。



姉は、知恵遅れだから親の期待から外され、

親の希望という名の負担を一身に背負ったわたしを一方的に敵視し、妬んだ。

障害者の姉は、家族の恥部だった。

というか、この作品のように、親にとっての感情の負担、罪悪感、恐怖、不安であり、

親の、自分で手一杯な負担が、そのまま子供に感情的な負担になっていた。



姉と喧嘩をすれば、障害者になんてことをするんだ、という形で責められた。

障害者を障害者として差別することは、姉と同じレベルで喧嘩することと、

姉を障害者として一定の距離を保つことと、どちらだろうか。

障害者を理解できない健常者と、健常者を理解できない障害者と、

障害があるのはどちらだろうか。




頭がよくなりたい、と思うことは当たり前にある。

人間は、知ることで人間になっていく動物だ。

女は女に生まれるのではない、女になっていくのだ、というけど、

人間は人間に生まれるのではない、人間になっていくのだ、と思う。

狼に育てられた子は、狼にしかなれない。



人間は、自分が今、何を知っているか、何を知らないか、

何を知らなければならないか、を知る動物だ。

それが人間が人間であることだと思う。

自分が知っていることと、知らないことを知り、それに苦悩する動物、それが人間だと思う。

知ることに苦悩し、知らないことに苦悩する、

「知」それ自体に苦悩する、それが人間だと思う。




知ることは、何かを得るだけのものじゃなく、

知ることで、知らなかった自分を失うこと、

知らないままで済ませられた世界のある面を失うことだと、

この作品は訴えてると思う。



人間が知るべきことは、何なのか、知ったからといって、何を得られるのか、

知ったからといって、何を変えられるのか、良く変えられるのか、悪く変えるのか、

知ることで失われるものもあるのだということ。

核爆弾の発明のように。



ただ、でもじゃあ、知らないことばかりがいいのか、

知らないことは、無垢なのか、といったら、違うと思う。

この作品は、そういう書き方をしているように思う。

人々に馬鹿にされていても、それを知らずに笑っていられたのは、チャーリーがそれを知らなかったから。

じゃあ、チャーリーが何も知らないまま笑っていられたらそれでよかったのか、

といったら、知らないからといったって、それが存在しなくなるわけでもないんだから、

違うと思う。




姉との関係でわたしが一番切実に苦悩したのは、

コミュニケーションがとれない、言葉が通じない、ということだ。

何を言っても、わたしの言葉が姉には、外国語のように、理解できない。

知的「障害者」の「障害」とは何を指すのか。

それは、ある程度のコミュニケーション能力に障害がある、ということだと思う。

それは恐怖だ。

言葉のコミュニケーションという、最低限の約束事が通じない人間というものは、

根本的な恐怖感を抱かせる。




姉は自分が言葉でものを考えたり、行動するのではなく、

ただ場当たり的に、感情的に思考し、行動していたらしく、

だから人の言葉も理解できず、ただ、感情的な反応しか理解できないみたいだった。



親が自分を怒鳴る、殴る、という情緒は理解できたし、

障害者だということを見せびらかせば、形ばかりは親の味方を得られ、

憎い妹(私)を一時的に見返せる、そんな悪意と打算ばかりは発達していた。

ものを考える力のない、知能のない障害者が、虐待を受け、

悪意と嫉妬ばかり肥大させていく様を目の当たりにするのは、恐ろしい。

しかもそれが、全部、一方的に、自分に向けられているなら、尚更。



実際的に見て、一定の知能があれば、他人とコミュニケーションが取れる可能性は格段に広がる。

ダニエル・キイスは、この本を書くきっかけになったのは、

自分が大学教育を受けたら教育のない両親と話が通じなくなった悲哀だというけど、

そのことと、根本的に障害者がある者と、健常者とのコミュニケーションの問題は、少し違うと思う。



ただこの本は、そういう主張を美談にするため、

知能がない障害者は、いろんなことを知っている健常者よりもイノセンス、

という単純な書き方がされてたと思う。

障害者を持った家族の一員としていわせてもらうなら、

そんなキレイごとじゃねえよ、と思う。




頭がよくなるにつれてチャーリーに芽生えてくる批判精神や疑問に、

いちいち腹を立てたり、驚愕して過剰反応する医者の書き方も単純だと思う。

アダムとイブの罪の芽生えが、知恵の実を食べたことによる、自意識の覚醒、

自らが人間の男女であり、裸であることに覚醒し、

イブに、出産の苦痛と血の呪いが与えられたという罪、

をなぞるように、知能がIQ180にまで増大したチャーリーが、真っ先にしたことが、

女性関係に悩むことという聖書をなぞるだけの安易な展開は陳腐に見えた。

それだけ知能が増大したら、もっと他にやることや悩むことがあるだろうと思う。

聖と俗の対比である二人の女性像の描き方も拙いと思う。



逆に、知能が増大してもずっと檻に閉じ込められていたアルジャーノンが檻から脱走し、

初めにしたことが、洗面所の鏡に映った自らの姿をじっと凝視していたことという場面は、一瞬の場面でしかないけど、

ぞっとするほど象徴的だし、チャーリーの連綿と続く女性遍歴より、ずっと印象的だ。

自己を他者のように見ることが、人間的知だと思う。




確かに、どれだけ知能が高くても、性格が破綻している人もいるし、

障害者と健常者の間にも、心温まるコミュニケージョンが取れているケースもある。

知っている人間は、不純で、

知らない人間は、純粋、

人間はそんな単純な勧善懲悪ではないと思う。

障害者は障害者なりに汚い悪意があり、

健常者は健常者なりに汚い悪意がある、

どちらも人間なんだから、人間以下には汚くなれないし、

人間以上にはキレイにもなれない、

そう思う。



もしも、姉と言葉が通じるのなら、私の人生は、変わったのだろうか、

もっと良くなったのではないか、狂おしく考えてばかりいた。

少なくとも、言葉が通じない人間と一緒に暮らす、恐怖と、苦痛と、不便を感じないだけ、楽だろう。

もしこの本のような手術があったのなら、自分よりも、姉に受けさせたいと思う。

「正常」な姉がほしいと、心底から思っていた。

それがエゴという罪だと、知りながら。



「無垢で純粋」な、知的障害者を汚すような、

健常者の忌まわしい知能の思い付きだと、

世間的に非難されるものだということも、知りながら。

親はよく言っていたし、世間でも良く聞かれる、

知的障害者は無垢で、「天使のようだ」と。



「天使のような障害者」の周りにいる「天使」ではない健常者は、

障害者に十分にしてやれず、障害者を憎む自分を知っている、

それは罪なのだということを知り、障害者を知らない自分を知り、苦悶する。

健常者には、人間を「天使」であることを堕落させ、堕天使とする、知能がある。

どちらがましな知能のありかたなのだろうか。



人間を天使と堕天使に分けるのは、ただ、知能のみをもってするのだろうか。

知恵の実を食べることは、今でも、罪なのだろうか。

健常者は、健常者というだけで、知るというだけで、

知恵の実を食べた、穢れた罪人なのだろうか。

天使にはなれないのだろうか。



健常者は、知らないということの中に匿われ、

障害に、無垢という免罪符な言葉を与えられる人間を、羨まなくてはならないのか。

障害者は、健常者のようにあれないことに苦悩し、

健常者は、障害者を全的に理解できないことに苦悩する。

人間はいつも、知ることと知らないことに苦悩する。

自己と他者の、知によって結ばれない差異に苦悩する。




この純と不純、白黒二分化した書き方をされている登場人物たちの中で一番胡散臭くなかったのは、

黙々と実験につきあい、黙々と死んでいった、アルジャーノン唯一人、

・・・・・ただ一匹だったと思う。

何を知っても知らなくても、人間が人間以下に汚くなれず、

人間以上にキレイになれないのだとしたら、

どれだけ知能を得ても、誰も傷つけない、

ねずみ以上のねずみにも、ねずみ以下のねずみにもならなかった、

「アルジャーノンに花束を」。




どれだけ知能を喪っても、知能を得ても、

本当に無垢であることの楽園は、人間には既に閉ざされている。

人間以外、動物にしか、最早、存在の聖化は許されていない。

この瓦解した世界で、もはや、人間が人間に、免罪符を与えることは出来ない。



アダムとイブが知恵の実を食べて、楽園から追放させられた罪とは、

自意識に覚醒すること、自分は自分である、という自意識の一線を他者との間に画すこと。

アダムとイブが覚醒したとき、神の呪いによって楽園から追放されたというより、

自己は自己であり、他者は他者であり、神は神である、という、

自己の境界を引く自意識自体、「自らを知る知」、それ自体によって、

自己と他者と神との境界がない、神との一体感(ワンネス)による楽園から、自動的に零れ落ちることとなる。




知能があっても、無くても、罪の無い人間、

知恵の実を食べずにいられない人間なんかいない。

チャーリーの罪さえ、彼が最初にそれを欲したところから始まった。



知恵の実を食べたことによって楽園を追われた罪の人の子ができる唯一の罪滅ぼしは、

チャーリーのように、知ることを手放すことではなく、

知り続けること、知ることの罪深さを知り、知らずにいられない業深さを知りながら、

知るという十字架を背負い続けることではないかと思う。



それが、知るという罪に堕ちた健常者に唯一出来る、

人間の罪を知る苦悩を引き受ける、という、罪滅ぼしなのかもしれない。

少なくとも私は、障害者の姉には、知ることのできないものを知る、

世界の汚さ、人の汚さ、自らの汚さを知る、

という、業深い十字架を、背負い続けていかなければならないと思っている。




障害者は、健常者に比べて、核兵器から最も遠く離れた、無垢な存在だという。

けれど私は、知的障害者の姉が、もしも核兵器が「嫌いな妹をやっつける」ために使いうるのだと意味づけをすれば、

障害者らしい、純粋無垢な悪意で、核兵器を使いうる可能性も、目の当たりにした。

人間が人間である以上、自己と他者、庇うべき正義と、滅ぼすべき悪とを分断する、

「知恵の果実の罪」からは逃れられない。



知恵の果実の罪から免れているのは唯一、動物だけではないのか。

動物は、鏡に映った虚像を、自己だと理解することができない。

動物にとって、「自己」は「自己」の外側にはいない。

動物にとって、鏡に映る虚像は自己ではない。

だから、動物は嘘をつかないし、物語も作らない。

観念的な正義や悪を作らない。



知能を得る前のチャーリーが、

そこに自己を投影して意味づけ(物語って)していくロールシャッハテストができなかったのは象徴的だ。

人間的知のない動物にとって、自らの心の外に、自分はいない。

笑う機能が、動物にはなく人間にしかない高度な機能だというならば、

他者を傷つける愉悦を感じて笑える生き物もまた、人間だけだ。



人間が食べた神の知恵の実は、鏡を砕いたように、多くのものを壁で分断した。

神と人間、動物と人間、「私」と「わたし」楽園の内と外、

そしてたくさんの守るべき正義と懲罰すべき罪悪が生まれ、

正義と悪の終わらない闘いが始まった。



自己を他者のように自己の外側に見るようになってしまったのが人間の知の罪だ。

だから人間の中で、「私」と「わたし」が、神と人間ほどにも分離した。

人間は、知恵の実を食べて、神と分離したというより、

人間の中での「私」と「わたし」が分離したのではないか。

自己を他者のように見、他者に自己を投影する、人間的知が、

人間に刻印された罪悪であり、あるいは、祝福なのかもしれない




人間にできる唯一の贖罪は、チャーリーのように、知ることを手放すことでも、

知ることを手放した障害者を礼賛し、憧憬することでもなく、

罪の果実の種は、未だに、人間ひとりひとりの中で、芽生え続け、

文明社会において、繁り続けているのだということを、

知り続けることにあるのではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

障害児は、核兵器をつくりだし行使する側には立たぬ者らである。

「新しい人よ眼ざめよ」大江健三郎

2009/10/06 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:294(59%) 普通:153(31%) 悪い:48(10%)] / プロバイダ: 25090 ホスト:25048 ブラウザ: 15374
考えさせられる作品でした。チャーリーの存在はいったいなんだったのだろうか。
チャーリーが頭が良くなるようすや、急速に退化していくさまを活字を最大限に使って
表現しているのがすごいと思いました。正直人間の本質を生々しく書いていて不快になるところはありましたがそれも含めて、一度は読んでみるべき作品だと思いました。

2009/10/06 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:14(44%) 普通:13(41%) 悪い:5(16%)] / プロバイダ: 24453 ホスト:24579 ブラウザ: 9738
高校生の頃読んで衝撃をうけた作品です。
本書の小説の体裁は、チャーリイからの経過報告を読む形式になっています。はじめは「けえかほおこく」という具合にチャーリイは漢字が書けません。文章もひらがなばかり。こちらもつい、大声で一文字ずつ園児みたいに元気よく発音して読んでしまいます(笑)。次第にチャーリイは賢くなるのでそれに併せて文章も整い、ボキャブラリーも増え、文体もしっかりします。内容に関してはフェイとの出会いやキニアン先生への感情の正体もつかむあたりが印象的です。フェイの自由気ままな振る舞いやキニアンの教育者的立場からの親身なお世話は第三者からみても献身的です。高度な知能を得る代わりに失ってしまうものは何か。ありきたりなテーマかもしれませんがやはり最後の経過報告では感傷に浸ってしまいました。
『アルジャーノンに花束を』は友情と勉学を考える上で大切なことを教えてくれます。優等生が陥ってしまいがちな知的態度の傲慢さを戒める内容です。

2009/04/30 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:168(94%) 普通:11(6%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 10153 ホスト:10394 ブラウザ: 4359
知って理解しない方がよかった事実とから来る疎外感にそのまま残った幼児性との差による懊悩は、圧巻です。「作中で悧巧とされるキャラは作者以上の言動を取ることができない」が創作のパラドックスですが、主人公の変わり行く様子で巧みに描いています。最後は、神の領域に踏み込んだ人間の傲慢さか純粋な悲しさか、感じるものは読者により異なるでしょう。
邦訳の日本語での巧まざる表現も、人間の知性の何たるかを思い出さすとともに、テーマを強調しているように思えます。

2009/02/20 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:260(39%) 普通:180(27%) 悪い:231(34%)] / プロバイダ: 8858 ホスト:8682 ブラウザ: 6312
ある意味ありきたりな作品だとは思いますが、訳が素晴らしかった!
原文の方でも英語の綴りなどをワザと間違えたりして工夫していた様ですが
日本語の方でも最初は濁点、漢字などの誤字だらけの状態から次第に思考的な文に変化していくのが主人公が変化していく姿がよく現れていて良かったと思います。

2008/08/28 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:40(45%) 普通:39(44%) 悪い:10(11%)] / プロバイダ: 13739 ホスト:13614 ブラウザ: 4184
小説で初めて涙したのがこの本でした。

稚拙な文から、知能が上がるにつれ語彙も豊富になり、
文章が上達していく過程を見事に表現していくダニエル・キイス氏に脱帽

主人公の孤独や葛藤など読んでいて胸にビシビシと伝わってきました。
最後に知能が後退していく中、神様に懇願する姿に涙、涙
最後まで涙です。

2008/08/08 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:33(80%) 普通:2(5%) 悪い:6(15%)] / プロバイダ: 6716 ホスト:6758 ブラウザ: 7395
知的障害者であるチャーリーが手術によって何十ヶ国もの言語を理解することができる天才に生まれ変わりその過程で人間関係の齟齬に苦しんだり、過去との決着をつけようとしたり、二人の女性経験を通じて人類全体と一つになったような感覚を体験した後にまた知能の低い状態に戻っていくという話です。最後の一文が・・・。泣きました。

ただのお涙頂戴の話で終わらせるわけではなく知能の高低によってコミュニケーションを妨げられ、理解しあうこともできない孤独で滑稽な人間達が残酷なまでに描かれています。平等・愛・人間関係について考えさせられる素晴らしい本だとおもいます。

2008/06/18 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:73(39%) 普通:68(36%) 悪い:47(25%)] / プロバイダ: 6494 ホスト:6283 ブラウザ: 8090
かなり前に読んだので、細かいことは忘れてしまいまいた。
友達の間でダニエル・キイスが流行った時期に買いました。
400ページとかの長さになってくると、途中で何日か放棄したりして読むのが面倒になることがよくあるんです。
だけどこの本は毎日読み続けられるくらいに面白かったです。
一番の衝撃は読みにくいひらがなの文から始まること。
そして手術を受けて徐々に句読点や漢字が増えて、ピークには僕にも理解しにくいような難解そうな文の表現になっていく。
それから知能低下が始まると最初の文にだんだん戻っていく。
人間関係の変化や環境の変化も面白かったけど、チャーリーの文の変化が一番嬉しくて、そして切なくて感動しました。
最後のほうは急ぎ足で果てゆく人のように書いてあって、チャーリーの考えがわざと隠してあるように覚えています。
幼児の知能の人が大人以上の知能を持って人の心を理解し、その記憶のまま幼児の知能に戻ったら、
大人以上の知能を持ったときの記憶や感情を持ち越すかどうか気になってました。
もし気持ちを覚えていたら辛いだろうな。
元のチャーリーの心には戻れない切なさも感じます。
医学に翻弄された一人の人間の話です。

また読みたいなと思えるくらいに良い作品です。

2008/04/23 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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日本語の翻訳の仕方が素晴らしかったですね。
序盤の平仮名&濁点無しの文章は本当に読みづらく、読む気力を失わせますが中盤から濁点が付き、漢字が増え、会話の内容も複雑になってきます。
終盤、また文章が序盤と同じ様になって行くのを見ていると切ない気持ちになってきますね。

2007/05/16 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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SFの要素もヒューマン・ドラマの要素もしっかりと書
かれており、平衡が取れている。
人間の根底にはびこった虚栄への渇望。チャーリィの異
性への困惑とやりきれなさ。いまだ続く障害者への侮蔑
と畏怖――ダニエル・キイスが持ちそなえた慧眼には感
服した。

2007/03/12 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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脳外科手術を受けることで劇的に知能が増大した、白痴の主人公チャーリイが体験する、思いもかけな
い苦悩と結末を通じて描かれる、SFベースのヒューマンドラマ。本稿で述べるのは1966年発表の長編版=
同年ネビュラ賞受賞。なお、オリジナルの中篇版は1959年発表(翌年ヒューゴー賞受賞)。

SFという枠を超えて数多くの読者を魅了した名作。作品のテーマと現実へのアプローチがSF小説史上の
一大エポックメイキングであることも重要。長編版になって、オリジナルに色濃くあった緊迫感がやや
薄れたきらいはあるものの、ヒューマンドラマとしての味わいはむしろ深まっており、筆者としては長
編版を推したい。
最初はわずか1ページだけの「けえかほおこく」が、やがて高度な文体で延々と綴られた「経過報告」に
なり、七月三十一日の神がかり的な言葉を生み出すが、それが再び「けえかほおこく」となる暇すらな
く(アルジャーノン=ゴードン効果によって、チャーリイの知能低下は急速だった)、天才チャーリイは白
痴に戻ってゆく。この終章「経過報告17」でチャーリイが見せる人間としての輝きは、古今の文学作品
でももっとも純粋で感動的なものの一つではないだろうか。本文最後の2行はもちろんすばらしいのだが、
個人的には十一がつ18日のエピソード…昔の職場に勤めることにしたチャーリイが「ぼくわ自分にいい
きかせたチャーリイもしみんながおまえをからかてもおこるんじゃないよ…」という場面に、感極まる。
作品のターニングポイントとなる「経過報告15」で提示されたように、実験の被験者となることでチャー
リイは確かに別人になった…誰も予想し得ない形で。その悲しい喜びをどう表現すればいいのだろう?

チャーリイの過酷な運命を貫く愛と性の描写も興味深い。優しい先生からいつしか愛を求める女性へと
変化するアリスへの思いに戸惑いつつも、懸命に彼女を求めるチャーリイの描写は、壮絶なまでにリア
ル。特にチャーリイが知性の階段を駆け上がる作品前半部で、懸命に背伸びをする彼の姿がいとおしい。
結局チャーリイ同様心に傷を負うアリスの、それでも最後まで誠実にチャーリイと接しようとする姿が
実に印象的。そんな二人をじっと見つめるもう一人のチャーリイの存在が、作品のアンカーとして重要
な役割を果たしていた。鏡の中に登場した彼とついに対峙する「本物のチャーリイ」の描写(八月十一日)
は、彼が味わう悲劇をまざまざと見せつけてくれた。
作品の通奏低音であるチャーリイの家族の記憶が、事実として明らかになってゆく様はとても辛い。で
も、それを乗り越えないといけないと懸命になるチャーリイの姿は人間としてすばらしく、応援せずに
はいられない。そしてついに迎える母との再会、さらに予期しなかった妹フェイとの再会で明らかにな
る思いがけない事実と現実(九月二十七日)は、その残酷さがチャーリイと読者を打ちのめす。でもそれ
すら最後に受け入れて「うれしいです」と綴るチャーリイに、感動を覚えずにはいられない。
独特の文体が多用される訳文には賛否両論あるが、原著のすさまじいまでの表現のぶれを考えると、大
健闘していると思う。ハードカバー版の装丁も秀逸。
この作品を傑作と呼ぶことに、筆者は何の迷いもない。ここまで人のあり方に素直な作品は、素直にい
いと言いたいのです。

2007/02/11 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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ふむ・・・・三十過ぎて幼児並の知能しか持ち得なかった男・チャーリーが、手術により急激に知能が向上したものの、結局は失い、最後には・・・・と言うのが主筋でしたな。

しかし、知らないでいた方が幸せな事は人間世界では多いのかも知れませんな。頭が良くなった所為でチャーリーは、それまで周囲の人間がどういう目で自分を見ていたのか痛烈に思い知らされる羽目になるからです。

職場の仲間たちが金をちょろまかすために自分を利用していたり、自分に良くしてくれた雇い主の心底にあったのが優越感でしかなかったり、なんとも憂鬱になってくる事実と申しましょうかね・・・・。
自分より劣ったものを見下したり嘲ったりするのは我々人間の度し難い悪性なのですなあ。

物語はチャーリーの一人称で進行しますが、最初の誤字が多く、句読点も使ってない文章が次第にまともなものに変わり、高度な知性を感じさせるものになり、最終的にはまた幼児並みになっていくくだりがまた壮絶です。

題名の意味は、最後の文章で明らかになりました。あれは切ないです・・・・。
[共感]
2007/02/11 ああ、名前でしたっけ。ということは、やはりチャーリーは……重いですね。 by 夙夜健

2006/09/23 普通(+0 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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マウスって死んじゃうんでしたっけ ? ( 違ったかな ? )
どちらにしても……重いですね。こういうのは苦手です
( 内容は違いますが、脳移植を扱った東野圭吾さんの 「 変身 」 などは、余韻が残って大好きな小説ですが…… ) 。

良い作品なのかもしれませんが……私好みのラストではありませんでした。
「 普通 」 としか思えなかったのは、残念な事なのでしょうか…… ?

2006/09/23 とても良い(+2 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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最初の文章の読みづらさは、思わず本を放り出したくなるくらいでしたが、
意地で読み終えると、その読みづらさが仕様であり、この作品の重要なコアになる部分だと気づき、
構成の上手さにため息をもらした記憶があります。

ごめん、泣いた。

残酷なまでに優しくキレイな作品で、切なくも美しい物語でした。

2005/12/29 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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名作・・・・・・ではあるのだけど、本作のような展開はちょっと自分のような人間の肌に合わないと思わない事もないし、評価を付けるとなると難しい作品になってしまう。

本作の問題点は文章体にクセが有り過ぎて読む人を選ぶ点があるのもそうだけど、テンポが悪いし、主人公にあまり感情移入できなかったと言う面があるので、ちょっと抵抗を感じてしまう作品だと思う。

人間の苦悩や、不安を描き、そして良くも悪くも前進し、そして結末がハッピーエンドにしろ、バッドエンドにしろ、そういった作品は他にもあるので、そちらの方に読み慣れてしまうと本作はさして名作ではなくなってしまいそうな感じになってしまいそうにもなる。

本作の前に色々な文学に触れるとやや良いという評価を付けるのは難しくなるのだけど、それでも、色々と考えさせてくれる作品である事に変わりはないといえそう。

2005/12/29 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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周りの環境が同じでも本人の意識の持ち方で捉え方が全く変わってくることを
主役の目線を通じて体感することができる秀作。
知能指数の低いレベルから瞬間的には他の誰も達し得ないであろう孤高の天才に至り、再度知能を失っていく、
その一連の過程を丁寧に描いていくことで我々に人の心の在り方を考えさせてくれる。

本著へオマージュをささげていると言える梶尾真治の「もうひとりのチャーリイ・ゴードン」もなかなかの佳品なので、
興味のある方はぜひご一読を。
私は本歌である「アルジャーノン...」よりもこちらを先に読んで涙し、原点回帰した経緯がある。

2005/12/15 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
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本当に毎度のこと思うのですが、海外小説はその母国語のままが一番イイッスね。何かこの小説の訳をする人は原文の良さを十二分に引き出せていないような気がします。故に日本語訳のこの本はその点でドラマ版より劣っているよう個人的には思いました。平易な日本語で書かれても感動なんか伝わりませんよ・・・。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」もそうですが、この本自体が面白くないというより訳が原文の素晴らしさを潰していると思います。おかげさまで全然面白くなかったです。ほとんど直訳を読まされるので日本語訳の方はあまりお薦めしません。読むなら原文がよろしいかと思います。それに辞書片手に読むのもなかなか乙な経験にッスよw
んで、日本語訳の方は「悪い」、原文は「とても良い」なので評価は「良い」でいきたいと思います。

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