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オーデュボンの祈り(小説)


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読み仮名: おーでゅぼんのいのり / 英語タイトル: A prayer
総合
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自由形式掲示板日記
2008/05/21
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(本/漫画)

直近発売の本/漫画: 2008/02/08 ():死神の精度 (文春文庫 (い70-1)) \550
本/漫画(10件)
売上/新着
365
文庫:死神の精度 (文春文庫 (い70-1))

参考:\550
2008/02/08
()

1.クールで人情味溢れる?短編集
613
文庫:ラッシュライフ (新潮文庫)

参考:\660
2005/04
()

1.心地よい
629
文庫:アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

参考:\680
2006/12/21
()

1.伊坂作品では一番好き!
1333
文庫:重力ピエロ (新潮文庫)

参考:\660
2006/06
()

1.重いテーマを軽快に描いた物語
2114
文庫:チルドレン (講談社文庫 (い111-1))

参考:\620
2007/05/15
()

1.チルドレン
2441
文庫:オーデュボンの祈り (新潮文庫)

参考:\660
2003/11
()

1.奇想天外
2447
文庫:グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)

参考:\620
2007/06
()

1.主人公に思う
2677
単行本:魔王

参考:\1,300
2005/10/20
()

1.特殊能力で世界を変えられる?
37632
単行本:チルドレン

参考:\1,575
2004/05/21
()

1.突飛な行動、言動が楽しめる
372350
単行本:オーデュボンの祈り (新潮ミステリー倶楽部)

参考:\1,785
2000/12
()

1.奇想天外
作品紹介(あらすじ)

警察から逃げる途中で気を失った伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来鎖国を続けているその孤島では、喋るカカシが島の預言者として崇められていた。翌日、カカシが死体となって発見される。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?
ミステリーの新時代を告げる前代未聞の怪作。第五回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。

出版社:新潮社
著者:伊坂幸太郎
最終変更日:2006/09/20 02:58:24 / 最終変更者:SOUTA / 提案者:SOUTA (更新履歴)
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分布要約91%9.1%0%
                                                                                                   

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2008/04/15 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by halcyon 評価履歴[良い:31(62%) 普通:1(2%) 悪い:18(36%)] / プロバイダー: 32756 ホスト:32745 ブラウザー: 2906(携帯)
伊坂幸太郎さんは大好きでけっこう読んでます。そしてこれがデビュー作ですか…よくこれだけ完成度の高いものを書けたなと思います。伊坂作品で一番の魅力である伏線回収のやり方はこの頃から今も全く変わっていないんですね。さらにキャラも際立っていて、案山子の優午とか特に。会話や描写力も類を見ない素晴らしさです。この分類不能小説をぜひ読んでみて下さい。
2008/02/10 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by あっちゃん 評価履歴[良い:253(74%) 普通:61(18%) 悪い:27(8%)] / プロバイダー: 18146 ホスト:17897 ブラウザー: 6770
伊坂幸太郎さんのデビュー作だが、世界観が難しそうで取っつきにくかった。
しかし、違った。リアリティの全くない世界。そこで案山子が殺された。
そんでもって、ミステリみたいなのをやっている。これぞ、新感覚。
そんでもって淡々とし読みやすかったです。伊坂さんの文体は格好良くて馴染みやすい。

本格ミステリとかではありませんが、ミステリとしての理屈などちゃんとなっていました。
伏線の回収――解き明かされていく謎が、とても気分が良かったです。
伊坂幸太郎さんの登場人物達の会話は、このデビュー作から格好良かったんですね。
けど、この作品の登場人物には魅力はあってもあまり格好良さはありませんでした。
一番良かったのは、案山子の優午です。一番なぞめいていた。
次に殺しを許された男、桜です。あの不気味な格好良さはちょっと惹かれました。
城山は、不快の何者でもありませんでした。こいつこそ、悪役に相応しい。

ミステリとしても良いと思うし、しちゃいけない気もする。ジャンルわけがしにくい。
こんな作品がデビュー作である伊坂幸太郎さんが格好良いよ。

類を見ない小説でとても楽しんで読めました。淡々として面白い小説であった。
2007/09/23 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by afterglow 評価履歴[良い:83(72%) 普通:5(4%) 悪い:27(23%)] / プロバイダー: 10015 ホスト:10147 ブラウザー: 8090
優しい(決して易しいではない)ミステリーと
つながった独自の世界観が特徴の伊坂幸太郎のデビュー作。

嘘しか語らない画家や殺しを許された唯一の男サクラなどの独特のキャラクター配置。
その中心に座る、文字通り「しゃべる」未来をすべて知る案山子。
最初に『ミステリー』だと思ってかかると、不思議な感じになるかもしれません。
「ん?どこに謎があるの?というか、この世界自体がすでに謎じゃないか?」
ミステリーというよりも、そこに広がるのは地に足がついたファンタジー世界。
もちろん、このあと、なぞは発生します。

島の中心にいるはずの案山子が「殺される」。
そして、この島にかけているものは何か。
それを持ってくる物が外の世界からくるという、外来因子とはなにか?
これらの謎にそもそもが外来因子である主人公が挑んでいくわけです。
でも、なんだか緊張感がない・・・・(苦笑)
まぁ、これこそが伊坂作品の売りなんですけどね。

この作品は、特にこの謎の部分が宙に浮いてる印象。
そもそもが、結構ファンタジックな空間なわけで、それを理解しようとする部分に
大小さまざまな謎が発生してくるわけです。
それを理解してか理解せぬままか飲み込んでいくうちに
ふわりとつかみどころのなくなる本筋の謎。
ここへ伊坂さんの特徴のある文章や独特のセリフ回し、
さらになぜか彼が表現すると温かみがあるのに微妙に乾燥している背景が加わるんです。
結構このコーティングの感じが不思議で、
話にのめりこんでいけばいくほどこの不思議なふんわりかんに包みこまれていく、
そして自分自身がなんだかあいまいになっていく、そんな印象を受けました。

物語の収束部はおみごと。
ばらばらにちりばめられたビーズは途中、結局複雑な模様を呈しながら、
ふたを開けてみると実は結構シンプルなネックレスに編みあがりました。
一方で、話の展開については多少強引かなという感じはありましたが。

基準評価は「とても良い」。
総合評価も「とても良い」、とします。
伊坂幸太郎の原液。
べつに、カルピスのように胸焼けするものではありませんから、
一度ご賞味くださいませ。
2007/05/21 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 猩々紅冠鳥 評価履歴[良い:194(70%) 普通:41(15%) 悪い:42(15%)] / プロバイダー: 53228 ホスト:53163 ブラウザー: 5234
「この島に欠けているものはなんだ?」
この島で圧倒的に欠けているもの、それはリアリティだ。

しゃべるカカシ、殺しを許された男、嘘しか話さない画家、座ったまま動けない女、天気を予知できる猫。
とにかくリアリティなんてカケラも無い。でも、なんとなく、現実にありそう。 この作品に広がるのはそんな世界です。

ユーゴを殺したのは誰か?
ミステリィ仕立ての童話。

今最も注目されている若手作家と言っても過言ではない伊坂幸太郎氏の、
デビュー作にして個人的には一番好みな作品です。

伊坂氏の作品の何が面白いかって、台詞回しが素晴らしい。
ジョークがピリッと効いていて、読んでいてニヤリとさせられます。
おお、上手い事言うやないか、と。
この作品でもその会話のスパイスが存分に効いています。

この作品では実際にはありえない世界が舞台になっており、一種の童話もしくはファンタジー的要素が有るのですが、
凄いところは、そのありえない世界を、なんとなくありそうやな、っていう気持ちにさせる文章力です。
あのほんわかした牧歌的な荻島が本当にどこかに有るんじゃないか。そう思わされます。

他のいいところは読みやすさと張り巡らされた複線。
常に謎が提供されていますし、展開も早く、話の先が気になり一気に読み進めたくなります。
前述の会話の面白さも読みたい気持ちにさせてくれる大きな一因だと思いますね。

そして、ミステリィと言えば伏線回収。
小さな伏線から露骨な伏線まで、もう、見事!と言いたくなるほどに随所に伏線がちりばめられています。
それが徐々に回収されていき、一つに繋がる気持ちよさ!それが存分に味わえます。

逆にちょっともったいないなと感じたのは、予定調和的な感じのラスト。
個人的にはこの作品は謎解きが本質ではないとは思っているので別に構わないと言えば構わないのですが、
純然たるミステリィファンの方には物足りないと感じる人は居るかもしれません。

なんにせよ、荻島の存在を感じられるだけで満足できる一冊です。
ほっとできる作品です。
2007/03/12 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by Fake 評価履歴[良い:160(56%) 普通:36(13%) 悪い:89(31%)] / プロバイダー: 37856 ホスト:37921 ブラウザー: 7321
ミステリって言えばミステリだけど、内容は結構変わってる。未来を予知するカカシを筆頭に、妙なキャラが沢山出て来るし。
コレ読んでて真っ先に思ったのは、村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の世界観。影響受けてるなァ〜って思った。
さすがにアレほどではないけど、フツーに良作。真相が分かった時はパズルが完成した気分を味わえたしね。オチもなかなか綺麗じゃないか(笑)。
それにしても、城山ってのは下種な人間だったな。マジで虫唾が走る。…ま、こう思わされた時点で伊坂さんの目論見通りってコトなんだろーけど。
[獲得推薦数:1] 2006/12/04 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 遠野 評価履歴[良い:235(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 7995 ホスト:8080 ブラウザー: 4184
あまりミステリーらしくないミステリーだな、というのが、通読してみての第一印象。しかし、分類を試みてみると、他に該当するものが思い当たらない。一番近いのが、ミステリーのようにも思えるけれど、多分これは、枠に囚われない小説なのでしょう。
慣れ親しんだ世界とは、どこか雰囲気を異にするそれ、あてどなさ。本作が伊坂幸太郎のデビュー作なのですよね。一歩目からしてここにあるのか、と思うと、空恐ろしいものを感じずにはいられません。

はじめのうちは、主人公の存在感のあやふやさが、引っかかりました。その他の登場人物の内面も、想像し難さ、馴染めない部分が多く、物語に入り込むまでに、結構な時間を要してしまいました。
しゃべる案山子の存在は、はじめから疑ってかかっていました。なにか糸口があるのではないか、と、要らぬ猜疑心で以って、文章を凝視し続けること暫し。素直に存在を受け入れられないのは勿体なかったと、本を閉じた今、少しばかり後悔しています。
掴み難かったキャラクターが、後半に入ってから掴めて来る、その経過は気持ちよかった。
彼の行動理由と秘密、この人の内面、あの人の記憶。見えなかったものが、見えてくる。そっけないと思っていたものに、血肉が通っていることに気付く。
只、件の人物を死に至らしめたトリックは、少しばかり期待はずれでした。一見無関係な要素が関連しあう、という手法は、著者の作品の中ではよく見かけますし、凄いな、と感嘆させられることも多のですが、本作ではその感動を味わうことが出来ませんでした。起点のイレギュラーっぽさが、一因にあたるのかもしれないけれど、期待していたぶん、残念だったなあ。

城山のキャラクターは、不快のひとことに尽きます。この人物が登場するパートはひたすら、暗鬱とした気持ちになりました。
物凄く、胃や胸がムカムカしました。とんでもない嫌悪、これは、マイナス点となってしまうのかもしれないけれど、読み手にここまで(負のものであるにせよ)強い感情を抱かせてしまう氏の筆力は矢張り、相当のものなのだな、と、しみじみ実感。
ただ、城山パートを何とか許容出来ているのは、リアルタイムに於ける残虐描写がそう多くは無い所為かな、と思ってみたり。目を覆いたくなるような行為――荻島で起こった事件も同様ですが――その多くが回想や記録として、記されているため、ギリギリで踏みとどまれた感があります。
想像を絶するようなひどい事が、いつ起きるのか起こされるのか、ビクビクしながら読んでいたので、終盤も終盤、変に安堵してしまいました。

個人的に好きだったのが、島内にて私的な殺人が許されている唯一の人物、桜でした。
物凄く分かりやすく、シンプルな理由も、もちろんあるのですが、彼の中にある虚無と、詩を読み花を育てる心、その共存に惹かれてやみません。
伊藤に対してのみ、心を開いた風だったのは、彼がその後者の部分を解したからなのでしょうね。
城山と同質の部分を持つようでいて、実際は対極にあるようなキャラクター。彼の行動には本当に、溜飲が下がる思いでした。

閉塞した穏やかな島、けれど人間が寄り集まって住まう限り、そこは理想郷には成り得ないのか…と、鬱々となることも。
ですが、この場所に欠けたものが何か、解けた瞬間は気持ちよかった。成る程、ここに来る為に、登場する全ての人々が、何らかの役割を果す必要があったのだなあ。
予定調和も予定調和。まさに、神様のレシピをなぞるような小説でした。
2006/12/03 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 評価履歴[良い:147(92%) 普通:7(4%) 悪い:6(4%)] / プロバイダー: 7283 ホスト:7376 ブラウザー: 5234
始めがこれ、ってのがすっごいインパクトあった!
この後「絶滅動物の物語」読むとがーんとします。ドードー表紙のやつ!
面白かったです。
友達にいきなり段ボール1箱分くらいこの作者のを送ってこられて、これから読めと言われてびびったが、読んで面白かったのでいいやと思った・・・。

ミステリーではないと思うけど、でもじゃあどこに入れればいいの?って言われたら困る、あわいにある感じ。
そこがまた魅力なんだと思う。
小説って、一番始めのにその作者の良いところも悪いところもすべて出ると思ってる。
これは、以降のものの良いところもひっかかるところも(自分は、周りで高評価・もしくは最高評価だった「アヒルと鴨のコインロッカー」がきつくて途中挫折だったんだけど、城山の描写に自分がひっかかって足がすくんで止まってしまったものの種を見た気になった)すべて出ていたと思う。
とにかくこの作者に引っかかったなら絶対読むべき作品だと思うのでした。
2006/11/23 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 月夜の兎 評価履歴[良い:104(67%) 普通:31(20%) 悪い:20(13%)] / プロバイダー: 52366 ホスト:52371 ブラウザー: 6287
これは面白かった。設定的には「ありえない」と斬って捨てられても仕方がないかもしれない、でも「ありえない」と言って読まずに置くのは非常に勿体無い。
何よりも登場人物の描写が良く、伊藤の視点で読み進めればすんなりとこの島の在り方を受け入れられてしまう。自分もこの島の住人になってみたいという気分になったほどだ。
全てが明らかになっていく終盤の展開は爽快だし、2つの謎の片割れ、「この島に欠けているものとは何か?」の答えにはなるほど、と思わされた。真相が解った後に読み返せば答えを暗示する箇所が随所にあり、「ああ、これってそういうことだったんだ」と思えるのも楽しい。
読後感も心地よく、「面白かったよ」と薦められる一冊である。
2006/10/14 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by niko 評価履歴[良い:103(78%) 普通:16(12%) 悪い:13(10%)] / プロバイダー: 5256 ホスト:4973 ブラウザー: 5234
この作品に出会えたことが幸せである。
そう言い切るほどに、伊坂さんの本はどれも外れがない。
本来ミステリーなど興味のない私が、すんなり入っていけた小説だ。
新しい感覚のミステリーなのだろう。

伊坂さんの作品の素晴らしいところは、登場人物達と、奇想天外なトリックにある。
ここでいうトリックとは登場人物の誰かが仕掛けたタネではない。
読み手の憶測をいとも簡単に覆すその文章力の巧さだ。
何でもないところに最大の穴がある。全く気がつかないまま真相を明かされる。
「なんだ、そういうことだったのか!」
後から味わう気持ちのよい裏切り。それこそが作者の魅力。
また、登場人物達が憎めない。悪人を悪人だけの存在にはしない。
いつも深い人間味をもたせる。なのに、ストーリーに安っぽい情はない。

「オーデュボンの祈り」は作者のデビュー作だが、実に面白い。
感動したのは最後、主人公が発した台詞、その一言。
この島に欠けているものがとうとう明かされた時、なるほどそうだと思った。
そしてその一言で、物語の中にパァーっと光が差したようだった。
読み終えて、本当に面白かったと素直に嬉しかった。
本を閉じるのが切ないほど、作品の中に引き込まれた。
沢山の人にオススメしたい。読んでもらいたい。
2006/10/12 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by Sirius 評価履歴[良い:55(82%) 普通:12(18%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 39269 ホスト:39349 ブラウザー: 4924
とっても不思議な小説だ。一応「ミステリ」に分類されるのであろうが,本作ではミステリに重きを置いていない。なにより楽しいのは登場人物の心理描写だ。設定が非現実的でありながらも,主人公の伊藤を置くことで,上手い具合に現実とのバランス関係を保っていて,そんな中で繰り広げられる登場人物の掛け合いが,この小説の魅力といえる。
すでに伊坂作品は結構読んでいるけど,デビュー作からこんな新感覚の小説を書いていたことは今更ながら驚かされるね。彼にはミステリの枠に収まらずに,これからも自由奔放な世界を築いていって欲しいと思う。
2006/10/02 普通 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by SOUTA 評価履歴[良い:143(57%) 普通:47(19%) 悪い:60(24%)] / プロバイダー: 4330 ホスト:4181 ブラウザー: 6342
第五回新潮ミステリー倶楽部賞・受賞作にして、伊坂幸太郎のデビュー作。
外界から遮断された“荻島"。その島で、人語を操り未来が見えるカカシ・優午が「殺害」される。彼のメッセージを手掛かりに、伊藤が真相に迫って行く・・・。
あらすじからして普通ではなく、「有り得ない」というのが私の読み始めの感想でした・・・が、いつの間にか主人公の伊藤と同様に、私もこのシュールな世界を受け入れてしまっていました。この「有り得なさ」を違和感なく世界観に溶け込ませる伊坂先生の技巧は、デビュー作から既に発揮されていますね。
未来を予知出来るはずのカカシが自分の死を回避出来なかった“理由"と、荻島に欠けている“何か"。この二つの謎をバックに、異世界と現実世界のそれぞれでストーリーが展開。多少の強引さは感じたものの、張り巡らされた伏線がラストで一気に繋がる様は爽快でした。特に後者の答えは洒落てるな〜と(笑)。
・・・・・ただ、私はこの荻島のシュールさが“設定と見せかけたトリック"だと心の奥底では考え、最後に大きなオチを期待していたため、ストレートに“設定だった"という結末に、肩透かしを食らった気分になったのも事実。素直に設定だと割り切れていたら、物語自体をもっと楽しめたんでしょうけどね。また、城山という悪意の塊の様な男のパートは激しく嫌悪感を催して、読む気が削がれる程でしたし。・・・以降の作品で、“この手"のキャラクター視点のパートがなくなったのは、“読みやすさ"という意味合いでの伊坂先生の読者への配慮だったのかも知れません。
デビュー作としては間違いなく秀作ですが、他の伊坂作品と比較すると個人的に不満な点がありました。伊坂幸太郎の原点を味わえたのは収穫でしたけど。
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