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ライオンキング3 ハクナ・マタタ(アニメ)


評価: 不評(日付順) [他形式: RSS/携帯版/English]
読み仮名: らいおんきんぐ3はくなまたた / 英語タイトル: The Lion King 1 1/2
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2007/09/10 最悪 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:177(40%) 普通:72(16%) 悪い:189(43%)] / プロバイダー: 5251 ホスト:5147 ブラウザー: 7395
好きな方には申し訳ないのですが…この作品に対しては、「見なきゃよかった」という感想が真っ先に思い浮かびます。

日本語版では「3」と銘打たれていますが、実はこの作品、ティモンとプンバァの辿った顛末を軸に織り成される、初代ライオン・キングの裏話的な位置づけ。
これは考え方によっては、既存の作品に対する新しいアプローチとも言え、面白い試みであったと思えなくもありません。内容的に言っても、ライオン・キングの名脇役ティモンとプンバァの過去が露になったということで、本編で目立ちまくりの彼らのキャラクターを掘り下げる機能も果たしている。だからシリーズのファンにとっては、おいしい作品に仕上がってると考えられなくもない。

しかし、ファンでもない立場の人間からすれば、それこそ「ファン層以外は全く考慮に入れてない作品」としか思えない出来。いや、もっとはっきり言えば、「ファンの自己満足・自己完結的な作品」とさえ映ってしまいます。

初代ライオン・キングの本筋自体は、中々シリアスかつリリカルなお話なのです。確かに本作の主役を張るティモンとプンバァによって、多少のコミカルさは醸されていたものの、核となるストーリーがしっかりしてるから、彼らの「活躍」も笑って容認できる仕上がりになっていた。
と、いうことは、本来的に重みのある物語たるライオン・キングそのものを、ギャグ主体で再構成すること自体、無理な試みだったんですよ。名脇役を掘り下げるためとは言えど、肝心要の物語にそぐわない体を成すのは、本末転倒ではないでしょうか。

…とまぁ、自分は作品のコンセプトそのものに違和感を覚えてしまったのですが、それを結実させ、ちゃんと見応えを加味していたなら、文句はありません。ところが、本作に見応えを感じたかと言われると、自分は間髪入れずに「ノー」と返答します。
この作品からは、ティモンとプンバァの活躍以外のところにライオン・キングの魅力を見出した者に対する配慮を、全く感じられません。彼らの活躍以外の美点は全て殺してると言っても過言ではないでしょう。荘厳な雰囲気の夜明けに変なティモンの替え歌を入れたり、抜群の映像力を誇った動物たちの敬礼に下品な理由付けをしたり…全編がこんな有様です。初代で感じた、美しさが故の感動を悉く台無しにされたようで、非常に強い不快感を抱いてしまいます。
ティモンとプンバァのファンにとっては、確かに笑えるだろうし、「らしい」と感じてニヤリとさせられるものなのかも知れませんが、だからと言ってそれをどんなシーンでも垂れ流すことが是である筈もない。一部のファンに向けた作品であるにせよ、視聴者の視点とは多種多様なものです。だからこそ、節度というものが大切になってくると思いますが、本作に触れてみたところ、それが全く見られませんでした。

その意味で特に許せないのは、名曲「愛を感じて」に乗せた、シンバとナラの甘美なる戯れを、ドタバタによってギャグに仕立て上げていたことです。
あのシーンは雰囲気作りの上手さも手伝って、恋に落ちた二人(二匹?)を甘い情感溢れんばかりに描いた、素晴らしい場面だったと今でも思いますし、実際それを狙って作られたのでしょう。つまり、本来的にギャグが入り込む余地などない(または受け手がそれを許さない)場面なのです。
それなのに、本作は無遠慮にも、その雰囲気を見事に破壊してくれました。例えばあの坂道を転げ落ちるシーンって、シンバとナラの「成長」そして「時」を暗示してると思ってたのに…あんな下らないオチをつけるのには、怒り以外の何も感じません。一事が万事、こんな調子なので、それはもう腸が煮えくり返る思いをしたものです。
新しい視点の具現化というのは確かに面白い試みではありますが、こうも節度がない「具現化」は到底許容できるものではありません。

それなりの完成度を誇った初代の感動を台無しにされた、というのは、確かに本作のターゲットから外れた者の意見かも知れない。土台、本作の見所はティモンとプンバァの辿った顛末であって、初代の感動ではないのだ。
…確かにそうです。実際、その部分のみに注目すると、まぁ纏まってると思えなくもありません。「ハクナ・マタタ」という不思議な言葉の意味、何故二人(二匹?)がそれをモットーとするようになったか、など、納得させてくれる部分もあります。
しかし、くどいようですが、本作のテイストそのものがギャグだから、本作を語る上でより重要なのは、ギャグの部分ではないでしょうか。
まぁ、ギャグというのは物凄く主観が入り込む要素ではありますので、一概に良し悪しを決めかねますが…残念ながら、自分は全く受け入れられませんでした。いや、初代でも微かに感じていた(といってもさり気ないので不快感までは行かない)汚らしいネタのオンパレードと言ってもいいような構成だったので、生理的嫌悪すら催してしまいました。
それに物語が纏まってるとは言っても、ティモンとプンバァが映画館で語るという形式の為か、えらく歯切れ(テンポ)が悪いので、折角の物語の価値がかなり錆付いてしまってる印象を受けます。また、彼らのことだから(?)、当然の如くおふざけ的映像を入れてましたが、これは一層本作のテンポの悪さに拍車をかけていたとしか感じられません。
何度でも申しますが、自分はティモンとプンバァのファンでも何でもありません。だから、本作の「味」であろうおふざけは、全くもって受け入れられないのです。一部のファンを満足させるだけの作品より、ちゃんとした作品を作っていただきたいと、本作を見て強く思いました。

「一部を満足させときゃいい」という浅はかさが、全編に漂っているのが堪らなく嫌でした。意外性、新たな視点…と言えば聞こえはいいのですが、自分には本作の面白さを見出すことができません。
冒頭の通り、見なきゃよかったと本気で思えてしまったので、評価は「最悪以下」とさせていただきます。
思えば、この作品がパロディだったら、また評価も違ったかも知れませんね。悪ふざけもある程度は許されるだろうから…
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