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ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密


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読み仮名: るぱんさんせい とわいらいとじぇみにのひみつ / 英語タイトル: Lupin the 3rd Secret of towailight Gemini

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2008/02/01 普通 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:175(41%) 普通:71(16%) 悪い:186(43%)] / プロバイダー: 4807 ホスト:4650 ブラウザー: 7395
TVスペシャル第8弾のシリーズ作品。
ことスペシャルや劇場版に限って言えば、栗貫ルパンは山田ルパンと比べて、当たり外れが少ないというか、お手ごろな物が多いように思えるのは、完全な自分の主観だけど…本作も「お手ごろ」の範疇に括られそうな作品だった。

但し、「お手ごろ」というのは全体を通しての印象であり、作風そのものは、シリーズの中では「異色」とさえ言えるものだ。
自分は、「ルパン三世のテーマ」に乗せたOPで、全く撃ち合い・チェイスをしないルパン作品を、本作以外に知らない。正確には、序盤の段階では謎の集団に銃弾を撃たれはするのだが、ルパンや銭形は銃器で応戦せず、逃げるだけなのだ。銭形の周到な策略(上述の集団が乱入しなければ、ルパンはお縄を頂戴していたところ)が最初の「抗争」であること、ルパンの小細工が通用しなかったことも、本作の独自性を物語っているように思う。
この時点で、是非はともかく本作はシリーズ内でも「異色作」だと印象づけられる。

「あれ、銃を抜かないの? 細工しないの?」
序盤で抱かされた違和感は、後の展開でも裏切られることはない。本作に於いては、ルパンの銃は全くと言っていい程、役立たずなのだ。敵を撃ち殺すとか、窮地を脱するとかいった、普段どおりの「アイテム」として機能していないばかりか、それが多少目立ったシーンと言えば、貞千代(オカマの暗殺者ですね)に弾かれる場面のみ、という有様。
また、普段のルパンが沢山見せてくれる、奇抜な小道具も、本作では影を潜めている。いや、ひとつも使われていないと言った方が正確だろう。ララが流砂に飲み込まれた時、自分の服を命綱にするというのは、普段通りの活躍からすれば、考えられないことだ。ましてや、万策尽きて命を投げ出すような行動をとるのも…それに、敵集団に襲われた時も、彼は肉体以外、何も使っていないのだ。
「道具」という観点から見ると、本作はいかに異色なルパンであることか。

ルパンは普段、周到に用意された道具を使って大暴れしてきたが、本作ではその要素が薄い。代わりに、「義賊」としての個性づけが為されている。
ドルーネの持つトワイライトの片割れを持ってモロッコに旅立つ…といった段階で、本作の根底には純粋な「盗み」の目的の他に、「義」の文字が見え隠れしている。そして、モロッコに於ける展開では、財宝を狙いつつも、ララに対する「情」を重点的に描いている感が強い。お宝を目の当たりにしつつも入手せず、そのままゲルト民族に明け渡すという、「義賊」なる単語を彷彿とさせる結末(この終わり方は大いに不満…「大泥棒がそれでいいんかい!!」というのが正直な感想です)など、本作のコンセプトをそのまま体現しているかのようだった。
ルパンが全く太刀打ちできなかった強者貞千代や、敵の黒幕の呆気ない散り際(これも大いに不満)も、「手抜き」ではなく本作の作風からして、意図的なものだったのだろう。ルパンの「義」「情」を中心に描いている本作では、敵の存在など「引き立て役」以上の何物でもないのだと思う。

ルパンがこのように描かれていては、敵こそ引き立て役でいいにしても、彼の相手役となるヒロインは目立たざるを得まい。そのことを理解していたかのように、レギュラーヒロインの不二子、ゲストヒロインの(*)ララが非常に目を引く。いろんな意味で(笑)。
本作に限っては、不二子が異例なほど物分りが良く(彼女が山分けに応じるなんて考えられません)、尚且つ弱者と言えるくらい、活躍できていない。ララの方は、立ち位置的には「カリ城」のクラリスを少しアクティヴにしたようで、正義の怪盗ルパン三世の助けを受けてこそ輝けるヒロインと言えそう。両者が矢鱈とポロリ(死語?…笑)してくれんのも、サービスの意味合いもあろうが、本当のところは、ルパンの義賊的ダンディズムを引き立てる為に、「お姫様」の役割を二人のヒロインに担わせたからであるように感じられた。

(*) なお、ララについては、ラストでターバンを外していたことが印象的。彼女の髪型が露になるシーンは、そこを除いてはオアシスでの水浴びだけなのだ。この意味は重要だぜ。水浴びは最も「無防備」な状態になるわけであり、ターバンを外すという行為は、それ程、彼女の心に隙が生じてることを示しているのだ。こう考えると、ラストの彼女はルパンの前で無防備を曝していたことになる。これ即ち、彼女の心がルパンに近付いてるというか、彼を信頼してるというか、そういったものの証。この意味でもクラリスですね〜。

このように、本作は特殊性が強い作品だ。その存在意義は評価できる。
ただ、問題は、それが作品の完成度に繋がっていたかということだが…それに対する自分の答えは「微妙」だ。確かに、本作のようなルパンも悪くはないと思う。ヒロインも非常に好感が持てる部類に入る。「民族の気高さ」も、終盤の決着で垣間見えて良かった。派手さはないものの、流血沙汰も控えめで、見やすくもある。しかし、一方では次元や五右衛門の影が薄すぎること、一味の大暴れを堪能できなかったこと、お宝の「後始末」が腑に落ちないものだったことなど、不満点が沢山ある。まぁ、お宝に関しては、上述の通りに解釈はできるが、それにしてはルパンとララの心的な関りが唐突過ぎるところがあり、カタルシスを感じさせるには今一歩及ばないし、カリ城の宝とは違って現物である以上、泥棒として少しくらい貰っても…と思えてしまった。

以上の理由と感想から、自分の本作に対する評価は「普通」とさせていただきたい。

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