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[アニメ]クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾: 推薦を受けた評価(感想/レビュー)


くれよんしんちゃんあらしをよぶうたうけつだけばくだん / Crayon shin-chan Arasi o yobu utau ketsu dake bakudan
注意: 関連作品
アニメ総合点=平均点x評価数1,194位/3,702作品中(総合14/偏差値49.07) 1,193位<= =>1,195位
アニメ平均点(評価10個以上限)1,252位/2,044作品中(平均0.50=良い/28評価) 1,251位<= =>1,253位
2007年アニメ総合点52位/189作品中 51位<= =>53位


評価ポイント推移(横軸=評価数)
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声優・俳優1.00(良い)3
映像0.00(普通)3
キャラ・設定-0.33(普通)3
音楽-0.33(普通)3
ストーリー-0.67(悪い)3
友情67%2人/3人中
可笑しく笑える67%2人/3人中
可愛い33%1人/3人中
熱血33%1人/3人中
悲しい33%1人/3人中
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原作:臼井儀人(双葉社月刊マンガタウン)
監督:ムトウユウジ
脚本:やすみ哲夫
制作:シンエイ動画:ADK:テレビ朝日:双葉社
配給:東宝
2007年制作

キャスト
しんのすけ:矢島晶子
みさえ:ならはしみき
日本 公開開始日:2007/04/21(土) 映画
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最終変更日:2010/03/21 / 最終変更者:kunku / その他更新者: 管理人さん / 提案者:634 (更新履歴)
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[推薦数:2] 2008/09/30 悪い(-1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/これだけ表示or共感コメント投稿/]
by (表示スキップ) 評価履歴[良い:267(37%) 普通:158(22%) 悪い:298(41%)] / プロバイダ: 5473 ホスト:5369 ブラウザ: 7395
クレしん映画の第15弾。シリーズ最大の異色作である「戦国大合戦」以来、低迷が叫ばれて久しいクレしん映画、今回こそ巻き返しなるか…と、思いきや、そうはいかなかったみたい。これが、自分の本作に対する印象。

ところで、「駄作」というのは、何もがダメダメで光る要素も何もあったもんじゃない作品であり、「失敗作」というのは、面白くなる素質はあったのだけど、それが噛み合っておらず、大成できなかった作品のことを指すのだと思う。自分の意見に過ぎないが、本作は典型的な後者だった。

異なる二つの組織(一方は純粋悪、一方はいちおう正義?)が野原一家に絡んでくるというフォーマットは、「暗黒タマタマ」のそれ。UNTIの登場及び行動のパターン…ご大層な肩書きの割にどこかフザけてる様子は、「ブタのヒヅメ」のSMLに類似している。カスカベ防衛隊の活躍は、「ヤキニクロード」の遊園地に於ける顛末を市街地に移したようなもの。シロの回想シーンに代表される家族愛というテーマは、「オトナ帝国」で試みられたものを、ギャグテイストで仕上げた感じ。盛んに取り入れられたミュージカル(詳しくは後述)でさえ、本作オリジナルではなく、「ブリブリ王国」に小ネタとして取り入れられていたものだ。あ、そういえば市内に「アミーゴ」なんて看板出してるパブがあったっけ(笑)。
このように、本作には過去シリーズのオマージュが盛んに取り入れられているため、ファンにとっては、元ネタ探しを大いに堪能できる美味しい仕上がりになっているとも、言えなくはないのだが…残念ながら本作は、そこで止まっている、つまり、その豊富なネタを活かしていないように思える。

最大の問題点は、対立項の思想が貧弱なことだ。
盛んに「黒い太陽」と連呼しておきながら、それが全く説明不足のひなげし歌劇団では、純粋悪たりうるには説得力が弱く、敵として捉えるのが難しいし、UNTIにしても、「計画通り」に拘りすぎており、彼らの「地球を守る」という大義が宙ぶらりんにされてしまっている。
特にUNTI(時雨院)は、序盤こそ、「ブタのヒヅメ」のSMLを彷彿とさせるような、非情ながら筋の通った行動を見せてくれたのだが、終盤になり、爆弾の問題が解決されてしまうと、ただ計画に拘るだけのヒステリーに化してしまった感がある。これは、問題のすり替えという、作品としてやってはならないことだ。
そんな両組織は、最終的には和解してしまうのだが、このラストが、彼らのイデオロギーがいかに薄弱なものかを、如実に物語っているのではないだろうか。理念がない(他の可能性としては、組織の理念に猜疑を感じていたからでは、というのもあるが、盛んに忠誠を誓うような描写があったので、それは破棄される)んだったら、目の前の感動ドラマにコロっと持ってかれるのもわかるなぁ…
ちなみに、両組織に属する人物は、確かに造形こそ面白いのだが、「暗黒タマタマ」や「ブタのヒヅメ」のように、その立ち位置を明確化させ、目的をしっかり描き込むことに失敗している為、外見に勝るほどのインパクトがない(上述の二作品ほどキャラの魅力を引き出せていない)というのも、大きな弱点だ。

そして、しんのすけとシロの愛情…家族愛についてだが、これがまた弱い。
「感動作」という触れ込みの本作だが、その実態は感動一辺倒ではなく、ギャグとシリアスが交互に来るものだ。まぁ、それ自体が悪いとは思わない(オトナ帝国など、それによって成功しているのだし)けれど、本作の場合、そのバランスに問題を感じる。
本作には、泣かせどころが結構見受けられるが、その一々に笑いを持ち込んでいる。
特に顕著な例が、シロの回想シーンだ。まぁ、確かに多少の笑いは思い出を彩るスパイスになるのだが、今回は明らかに、しんのすけの主人としての良さより、その無節操さの比重が大きいため、思い出から実感させられるはずの両者の絆も、忽ち弱いものに感じられてしまう。これでは、完全に台詞を排し、ひろしの人生を事実のまま描き出して現在の充実感に繋げる「オトナ帝国」の回想から齎されるセンチメンタリズムには、匹敵するべくもない。
UNTIの基地に於ける一家の顛末は、完全にギャグだけで通しているが、そこにある行動原理は、「後のことは後で考えよう」とでも言わんばかりのものだ。これは、まず家族が大事だから行動しようということなのだろうし、そのくらい軽い方が、野原一家らしいと言えばらしいのだが、問題は、彼らとて抱えていた筈の「地球か家族か」という、重厚な命題を煙に巻いていたことだ。それによる葛藤がないから、いくらギャグとしては面白くても、物語によるボルテージが上がらない。まぁ、物語の展開から、吹っ切らざるを得なかったのだろうが、それにしても、ここまで大きな命題を軽く扱えるのかと、妙に感心させられてしまった。

どうも、本作は全体的に、思想というものを軽く扱いすぎていた感がある。野原一家にしても、対立勢力にしてもだ。そのため、テーマがぶれているというか、非常に不安定な印象を与えられた。これでは、ネタがネタ止まりになってしまう。子供向けならば尚更、わかりにくくならないために、主題となるべきものを丁寧に描く必要があるはずだ。

だが、本作は非常に意欲的な作品でもある。
クレしんでミュージカルをやるのには驚いたが、それでも、ひなげし歌劇団の曲たちは、団員たちの変な陶酔を見事に表していたと感じるし、野原一家の曲は、日常を上手く反映させた歌詞と明るい曲調が魅力の、彼らのテーマソングと言ってもいいくらいだ。ちなみに主題歌も、優しいラップが心地よいものだった。
少なくとも、「クレしんでミュージカル」という、新しい見せ方に果敢に挑戦したというだけで、スタッフの心意気を感じるし、また、曲と使用法さえ良ければそれも十分に可能だということを、身を持って示してくれたようには思う。
随所に散りばめられたギャグも、下品で辟易としたことは確かだが、その内容はあくまでクレしんの世界観に基づくものだから、受容の可能不可能はともかく、クレしんというシリーズを大事にしていることは実感できた。
つまり、本作はクレしんの基本を大事にしながら、新しい方向性を模索していたわけだが、これは意欲的でなければ出来ない。上述のオマージュにしても、過去作品を真摯に調べなければ、到底本作のような設定は組み立てられないだろう。

意欲こそ十分に伝わった。しかし、それを作品としての面白さに繋げることには失敗している。活劇としては「ブタのヒヅメ」に遠く及ばず、家族を描いた感動物語としても「オトナ帝国」に比肩すべくもない。百花繚乱とも言える過去のシリーズ作品から学ぶべきことは、決して設定の組み方だけではなかったはずだし、意欲を傾けるにもっと相応しい方向もあったはずだ。そんな想いがあるから、自分は本作を「駄作」ではない「失敗作」だと思うのだ(そういや、翌年に公開されたドラ映画「緑の巨人伝」も、同じような失敗をしてる感じがする)。
以上の理由と感想から、自分の本作に対する評価は「とても悪い」寄りの「悪い」とさせていただく他ない。

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