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やわらか戦車
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読み仮名: やわらかせんしゃ / 英語タイトル: YAWARAKA TANK
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2007/05/14
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by
HUNGRY SPIDER
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作品の承認、ありがとうございます。
本作はかの有名な、ラレコ氏によるwebアニメ(自分はDVDで視聴)。構成から声優まで、全てラレコ氏本人が務めている。
内容は、所謂ミュージカル形式で、ユーモア満点の歌詞に乗せてアニメが展開される部分―「みんなのうた」のスタイルと言えばわかりやすいだろう―と、やわらか戦車と重量タンク等のキャラとの掛け合いを中心とした「普通のギャグアニメ」が展開される部分に分けられる。つまり、媒体こそ違えど、本作は生粋のギャグアニメであるわけだ。
ギャグ系作品だったら、その質はどうあれいかに笑えるかが最重要だが、この作品については「退却!!」することもなく楽しめたように思う。
その笑いには、所謂「脳内補正」が働いていたことは、言及しておかねばなるまい。つまり、作品の光背効果で実態以上に楽しまされたということだ。それを齎したのは、他でもない「やわらか戦車」という珍妙なタイトルだ。人を殺め敵地を侵略するために製作された兵器である、鋼鉄で機体を固めた戦車。そこに可愛らしいイラストとともに「やわらか」などという、恐らく「戦車」とは最も不釣合いな単語の一つであろう言葉が付け加えられることで、アンバランスな可笑しさをタイトルの段階で視聴者に与えてくれている。また、これだけでは内容の予測がつかないというのも、タイトルの持つ力と言えそう。
さて、本作の内容だが…「あるべきでないものがそこにあることで引き起こされる可笑しさ」が、最大の売りであるように感じる。予想通りというか、やわらか戦車は武器の類はお持ちでないので「戦力」にはなりえないし、ことあるごとに「退却!!」しているのだから、むしろ戦争を考えれば足を引っ張っている。しかも、戦場には凡そ相応しくないかのような、仄々とした雰囲気が、やわらか戦車からは漂っている(そんなキャラを作ったラレコ氏の造形センスは凄い!!)。兵器のつもりで頭に竹輪や印鑑を搭載するというのも、アンバランスや場違いを通り越すあまりのバカバカしさ。
これはある意味、戦争をコケにしている、と取られる恐れは十分にある。戦争はこのように茶化していいものではないだろうと。確かに、離れて見ればその通りで、自分も「不謹慎」だと思えなくもない。ただ、自分はこの場違いを突き抜けるくらい、戦車を徹底してギャグキャラ化していることに価値を感じずにはいられない。丁度「ギャグマンガ日和」で、聖徳太子や松尾芭蕉がトンデモナイ造形になって笑いをとっていることに似通っている、と言えば適当だろうか。場違いだから、イメージから離れすぎてるから、笑える。
また、ラレコ氏本人もインタビューで語られていたことであるが、何気に本作は「戦争のアンチテーゼ」となっている節も見受けられる。
実際、やわらか戦車は無力だが、同時に無欲でもある。「生きのびたい」としか考えていない素振りを見せ付ける。これらは、欲に塗れ、人を殺せば英雄とされる戦場での心境とは、完全に相反するものだ。戦時下でも、こんな風に考えてる兵隊(「戦車」を「兵隊」に置き換えた方がしっくり来るので)ばっかりだったら、恐らくは戦争は捗らず、大惨事になる前に終わってしまうだろう、などと考えるのは不謹慎だろうか。
但し、個人製作のwebアニメが基ということもあってか、ボリューム不足や画質の粗さは否めない。無論、webアニメとしては非常に優秀だと思うのだが、一般的なDVDアニメと同じ土俵に立たされると、どうしても内容を彩る演出などの面で見劣りしてしまう。これは作品の性質上致し方ないことか。むしろ、一人で何役もこなされたラレコ氏の情熱を褒めるべきなのかも知れない。
いずれにせよ、webアニメの市場における可能性を切り開いた、ある意味で偉大なギャグ作品と捉えることも、不可能じゃない作品と言えるかも知れない(まどろっこしくてすみません)。その意味で評価を上げてもいいとも思えるが、やっぱり作品として考えると、ネタの秀逸さくらいしか特筆すべき長所がない感じなので、自分の評価は「良い」くらいが妥当なように思う。
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