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日記
小説評価
:
69位
<=
70位
(2,341作品中/偏差値61.62) =>
71位
青空のむこう (小説)
読み仮名: あおぞらのむこう
1. 2008/05/09
とても良い
by
金龍
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評価履歴
[
良い
:89(
59%
)
普通
:1(
1%
)
悪い
:62(
41%
) 推薦人:
11
推薦評価:
11
] / プロバイダー:
27492
ホスト:
27797
ブラウザー:
7395
トラックに轢かれた少年の視点で物語は動き始め、彼が成仏するまでの
道のりを丁寧に描いた作品。本作の印象だとキリスト教のイメージが強い
ため「成仏」という言葉はどうもピンとは来ないが、他に言いようがない。
死生観において、死後の世界は大まかに二つに分かれる。「死後も天国で生きる」
というものと、「死後は生まれ変わり、また別の生を受ける」という二つの解釈だ。
前者はエジプトのファラオ、そうでなければ、キリスト教における「楽園」などが
それに当たり、後者は仏教で言う「輪廻転生」のことを指す。
キリスト教は「輪廻転生」を肯定しているという印象は無かったため、本作の舞台
である国の背景を見ると、微妙な違和感と同時に新鮮さを覚えた。「輪廻転生」という
ものは、新しく生まれ変わることができる反面、今までの自分が消えてしまうという、
底知れぬ不安を持つ。その不安と少年の姉への思いが交錯する本作は素晴らしい出来だった。
生前の悔いを残して死ぬことは良くないとは、よく言ったものだ。本作の場合は、
彼の悔いは姉に対して謝れなかったこと。そういう後悔は不思議なもので、他のことは
忘れてくれるのに、一生、自分の胸から消えてくれないことがあるらしい。
本作において、みな、主人公の死を悼み、悲しんではいた。しかし、新たに一歩ずつ未来
へと進んでいる。進めないのは彼の姉と彼本人。その対比が非常に面白い作品で、家族を
除く主人公の周りの人間と彼の家族を比較してみると良いと思う。一方では時の流れを感じさせ、
一方ではいつまでも動かない時間のアンバランスさに不安感を覚える。
ネタばれになってしまうが、彼は最終的に姉とのわだかまりを解き、生まれ変わる決心をする。
そこの描写が非常に秀逸。彼自身の一人称での地の文が、物語への感情移入を一層大きなものとする。
最後に「青空の向こう」に行く前に、彼は生まれ変わるということがどういうことなのかを悟る。
そして、不安を新たな未来への希望へと変えていく。そのシーンでの涙腺崩壊は自然なことだ。
感動したい人におススメの作品。本作はこてこての感動ものなので、そういうことに関して、
冷めた目を持っている方にとってはあまり楽しめない作品かもしれない。
しかし、本と喜怒哀楽を共にするような感受性の高い人には、まず間違いなく、ぴったりの本だと思う。
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