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下妻物語


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読み仮名: しもづまものがたり / 英語タイトル: Shimotsuma Monogatari
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小説:下妻物語

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[獲得推薦数:3] 2006/09/29 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by ニラ 評価履歴[良い:61(25%) 普通:33(14%) 悪い:147(61%)] / プロバイダー: 14338 ホスト:14513 ブラウザー: 5234
どうせ流行りに乗ったくだらない作品だろうと思ってみたら大間違いだった作品
あの手この手で見る側を楽しませてくれる素晴らしい作品だった

台詞回しも実に面白い。
「お母さん、いくつ?・・・ギリだと思う」の件や「ヴェル○ーチがそんなに安いわけねぇーだろーが!!」
「ざまーみさらせぇー」など素晴らしく愉快な台詞がたくさん出てきて爆笑してしまう

またヴィジュアルにも相当こだわっており、CM的なシーンをだしたりアニメを使ったりと
サービス精神旺盛なつくりに思わず唸ってしまう

役者もそれに応えて良い芝居をする
大根役者のイメージがあった深田恭子も実に良い演技をしていて、お嬢様系の役がはまり役となった
モデルの土屋アンナも、最初はたいしたこと無いだろうと思って見たら
発声法にまで気を使う良い演技を見せてくれた。イチゴの怒声は実に爽快だった
他にも脇では、篠原涼子がまたわざとチープな演技をしてくれる
タカノユリ〜コンテストのリアクションはほんとにおもしろかった
阿部サダヲが首動かしまくるのも最高
宮迫もアホなおっさんを熱演してくれている

そしてギャグだけに止まらず本筋のストーリーも意外にしっかりしている
自分の世界から一歩もでようとせず、自分だけが良ければそれで良い、それ故みんなから嫌われてる
主人公の桃子。ヤンキー女に憧れて人と群れて生活することを選び、自分の中の価値観が
少し他人に依存してしまっているイチゴ

桃子は自分の世界を自分勝手に表現するため服屋でお気に入りの服を買い漁り、
自分のことを大切にしたいので甘いものを食い漁る
イチゴは他人が怖いので群れて走り、他人を威嚇してる。先輩に依存していて、好きな人が
先輩の彼氏なことにひどく落ち込む
上記のように考え、人物設定もすごく細かいところまで作りこまれていると思った

このような二人が関係性をもつことで、桃子はいままで世界に自分ひとりだけという感覚から
世界に他人がいるという感覚に変わっていく。イチゴは桃子という独自の価値観を
現実で表に出している人間との出会いによって、もっと自分の気持ちを表現していこうとなる
この流れで二人は成長していく。桃子は社会性を、イチゴは精神的な自立を身につけていく
本作は端的に言えばこのような二人の青春における成長物語を主軸に展開されていく

どちらも成長しているのでどっちが主人公でもかまわないが(実際は二人が主人公なんだろうが)
桃子を主人公に持ってきたのは正解だろう。
本作公開前あたりの世間の風潮として個性尊重論がかなり幅を利かせていた
世界に何ちゃらの花が異常なセールスを記録したことなどその代表例である
自分の世界を持つことはとても良いことだ
他人に非難されるいわれはまったくないことなんだ
自分をもっと表現して良いんだ
このような風潮が蔓延してきたために
自分の思ったことは何でも言って良いんだ
自分を大切にするべきなんだから、嫌なことはしないほうが良いし
他人の目とかも気にして行動するのはいけないことなんだ
などなど個性尊重を微妙に曲解してそのズレを利用して好き勝手やる人々が本作ごろに増えだした
(まぁ今もこういう人は腐るほどいるんだが)

本作の主人公桃子などまさにそういった人である
自分さえ良ければよい、これは短絡的思考である。自分に利益のあることばかりやるよりも
他人にも利益があるようなことをしたほうが結果的により良い結果が得られるものだ
人間1人の生産性と、100人の生産性を比べれば結果は明らかである
楽しい事だけをしたいというのも、そのことの本質を理解していない
楽しいことがあるということは辛いことがあるということなのだ
あるひとつの現象が常態化すれば、人間はそれを意識しないようになる
血が流れてるだとか、目が光を反射してるだとか普通の人はいちいち意識しないだろう
つまり逆説的に、楽しいことが常態化すれば意識しなくなってしまうので
楽しいことを味わうためにはそれが常態化しないように、つまり他の状態も受け入れなければ
味わえない。辛いことがあることによって楽しみを得ることができる
金持ちが金のありがたみがわからなくなり外車50台買って置き場所に困ってるのはその逆の例だ

現代日本ではこいったことを理解せずに短絡的、即物的な行動に走る人が増えた
このような行動をしていると社会で生活する際に支障をきたす
そのような人たちに足りないのは他人の気持ちを考えること、他人に出来る範囲で
何かしてあげたいという気持ち、他人の目を少しは気にした行動、社会性である
社会性を獲得するために一番必要なのは自分と関係を築いてくれる他人である
友人がいれば時々その人のために何かしてやろうかなと思う。
尊敬する人がいればその人に近づけるようがんばる
好きな人がいればその人に好かれるよう振舞う
他にも色々あるが、自分だけで世界を完結させないことが、一人の人間として必要なことだ
本作はこの過程を様々な要素を交えながら描いていく。
このテーマ選びは時代を把握していて、すごくセンスがあると思う。

以上のことから本作の評価は最高になる
私見だが正直現代の日本映画のほとんどが、この下妻物語に超えられてしまったとさえ思う作品である
物語、テーマ部分の評価を長々書いてしまったが、本作の魅力はポップな絵や練りこまれたギャグなど
サービス精神旺盛なそのエンターテイメント性にある
偏見がもたれやすい作品だとは思うが、一見の価値はある、お勧めの作品である。

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