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ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス
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読み仮名: るぱんさんせい くたばれ のすとらだむす / 英語タイトル: Lupin the 3rd Go to Hell Nosutoradamusu
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この評価板
2007/10/16
最悪
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by
HUNGRY SPIDER
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7395
劇場版第5作目のルパン三世…だけど、最初に過激な言葉を向けさせてもらえば、これはルパン三世ではありません。もっと正確に言えば、なんとかルパンのフリして誤魔化してるだけの紛い物でしかない、といった印象です。
(あくまで自分のイメージですが)ルパンのように「知略」でカタルシスを与えている作品は、物語が非常に重要となってきます。ところが、この作品には物語の説得力がないんですよ。だから惹き込まれることもなく、面白みも感じられません。
何故説得力がないかというと、散漫というか、描きたいことに纏まっていないからです。少なくとも自分は、そう感じてしまいました。
今回は、とある人物がノストラダムスの「失われた預言書」を欲しており、5000万ドルと引き換えにそれを一味が盗み出すことが目的。まぁ、価値のわからないものとの対決が面白い、という節のある本シリーズで具体的な数字を出されると、その時点で萎えてしまう感もありますが、ルパンも契約と暗躍の世界に生きてるということで、これには目を瞑ることもできる。
しかし、製作陣がその「萎え感」に自覚的で、それをカバーしようとした所為かどうかはわかりませんが、欲張って色々と詰め込みすぎた結果、物語が纏まりきらなくなってしまっているのは感心できませんね。
とりわけ、一味、とりわけルパンの行動原理と、ノストラダムスの預言書及びそれを取り巻く悪役の意味不明さ加減は、致命的でしょう。この2つこそ、物語の根幹を成す重大なポイントなのですから。
ルパン一味についてですが、次元と不二子は、平凡ながらもまぁ普段どおりの活躍ということで可ですが、五右衛門は何の因果で預言書を探しているのか全く語られていないじゃないですか。つまりこれは、一味をくっつける為のご都合主義でしかないんですよ。それでも、彼が活躍してくれれば良かったのですが、結局は目立っていない。別にそれほど五右衛門に思い入れがあるわけではありませんが、これほど酷いと「五右衛門を粗末にするな!!」と十分過ぎるほど感じてしまいます。
ルパン本人に関しては、言ってるコトが滅茶苦茶というか、まるで「何やりたいか」が見えてこないのが痛い。義賊として働きたいのか、スリルを求めてるのか、現金目当てなのか…恐らくは「全て」なんでしょうが、それらがまるで両立していないんですよ。明らかに詰め込みすぎといった感じです。場面に合わせて別々の理由を挙げることで、ターゲットの重要性を仄めかしているのでしょうが、一々語られなくとも目的は十分伝わってくる以上、これは視聴者に混乱をきたし、物語を散漫にする以上の何の役割も果たしていません。
これでは、一味の活躍に胸躍らせることができません。
暗躍組織や預言書というアイテムも、「何だったんだ」としか思えませんでした。
このシリーズでは非科学的な代物が実は…というパターンが結構あり、その「実は…」が氷解するところも面白くなる為の重要なポイントなのですが…この預言書、物語の本質に対して全くと言っていいほど生きてないじゃないですか。確かに、アイテム自体が殆ど表舞台に出ないことが悪いというワケではありませんが、今回の不味いところは、預言書がある程度の透明性を持っているにも関らず、それ自体の重要性や恐ろしさ、一味及び悪役が固執する理由がまるで語られていないので、お宝としての価値を感じられないんですね。だから、一味や悪役の行動に魅入られることがない。だいたい、子供に落書きされて捨てられた、なんてオチがこのアイテムがいかに面白みのない代物かを物語っているようでした。
悪役に関しては…胡散臭い宗教団体がボスというのはどこかにあったように思えますが…今回の場合、悪役内の人物関係も、彼らの目的も不明瞭過ぎます。そうであってもカリスマ性のある人物がいれば多少は救いもあったのですが、これほど意味不明だと、カリスマも何もあったもんじゃありません。
あと、今回はゲストヒロインが大統領令嬢の幼女ということで、「家族愛」云々を結構語ってましたが、それを面前に押し出しすぎていること、その伝え方が杜撰だったことが最も印象に残っています。
とりわけ、大統領夫人が何かにつけて娘の名を叫ぶことが嫌でした。家族愛というのは、ピンチにある子供の名を大声で叫べば伝わるものではありません。一方、ゲストのジュリア令嬢はまるで家族を心配している素振りも見せていない。このアンバランス加減から、伝えたいことの空回りを感じられて仕方ありませんでした。
ジュリア令嬢自身に関しても、好感度が殆ど感じられないヒロインでした。幼女というのは非常に珍しいパターンで、その独自性は面白くて、更にある程度の成長も見せてくれたので、そこは評価しておりますが、家族というファクターが奥にあることを考えれば、そこに終始してしまうのはどうかと思います。
もう一つ…自分はあまり声優に対する先入観や偏執を持っていないのですが…今回のジュリア役、セルジオ役の方たちの演技は、言い方は悪いですが聞くに堪えるものではありませんでした。周囲を固めているのが実力のある方ばかりだったということもあり、どうにも浮いた印象が拭えません。もっとも、栗田さんのルパンには、この頃から殆ど違和感がなく、山田さんの演技と然程変わらない感じで聞けましたが…
ルパン役の交代と、ジュリア役を安達祐美さんが演じるということで話題を誘ったらしいのですが、話題性だけではいけないと実感する次第です。
この作品はルパンシリーズの底辺か、それに近いくらいとしか思えませんでした。何が問題かと言うに、詰め込むならそれで良作となるだけの要素が沢山あったにも関らず、それを全然活かしておらず、適当に扱っていたことでしょう。考えてみれば、自分が挙げた欠点も、等閑な作りをしていたからこそ、といった感が強い。その適当さが、ルパンの体すら為していない「らしきもの」しか作らなかったとしたら、これは酷い話。
残念ながら、「最悪」評価とさせていただきます。
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