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ルパン三世 アルカトラズ・コネクション


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読み仮名: るぱんさんせい あるかとらず こねくしょん / 英語タイトル: Lupin the 3rd Arukatorazu konekution

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2007/12/04 普通 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:173(41%) 普通:69(16%) 悪い:182(43%)] / プロバイダー: 5029 ホスト:4885 ブラウザー: 7395
シリーズの中堅どころといった感じで、図抜けた完成度を誇っているワケではないけど、それなりに愉しめる作品だった、というのが自分の本作に対する大雑把な感想だが、その内実は、「良い部分」と「悪い部分」が互いに面前に出すぎていて、甲乙つけ難くなってしまったというもの。

前作「マネーウォーズ」は、派手さは殆ど無く、むしろ天才ルパン三世の知略を愉しむ作品だった。それはそれで結構だし、同作品はなかなか面白く仕上がっていたことも確かだが、動きの少なさ故に大人しい印象がどうにも拭えず、パンチ力不足が否めなかった。
一方、本作では知略をそこそこに抑え、アクションと仲間意識といった、どちらかと言えば「少年漫画寄り」の要素で魅せてくれる。

海中から巨大怪獣(実際はルパンの工作)が登場する、ケーブルカーを暴走させるなど、荒唐無稽とも取れる派手さは、単純かつプリミティブな活劇としての愉しさを孕んでいる。そして、本作の動きに於いて特筆すべきは、それが「見掛け倒し」になっていない演出力にあると思う。

仲間意識の濃厚さは、作中最大の見所だろう。
もっとも、本作ではルパン一味全員というより、ルパンと次元の「相棒」振りが光っている感じだ。不二子と五右衛門が金に執着する中で、次元ひとりルパンを心配したり、中華料理屋で二人でドタバタやったりと、まさしくマブダチであり、良き相棒である二人の仲を丁寧に描いていた。
ここで面白いのが、テリーが銭形を「相棒」と呼んでいたこと。実際、テリーは銭形を隠れ蓑として利用した食わせ物なのだが、複雑な彼らの関係があるから、友だち同士のようなルパン&次元が引き立って見えた。つまり対比が上手くなされていたわけ。

これに関連した、もうひとつ重要なポイントは、ルパン&銭形の関係。
本作の銭形はとても有能に描かれているのが印象的だ。いきなりルパンの謀略を見破って計画を頓挫させるわ、死体に変装してるのを見破るわで、その洞察力はまさしく敏腕刑事と呼ぶに相応しい。少なくとも、普段のオマヌケキャラではないことだけは確かだ。
銭形を有能にすることで何が好かったか…少年漫画的観点から言えば、両者の絆を説得力あるものとしていたことが挙げられる。生涯のライバルである彼らの追いかけっこは、派手なだけのドンパチではなく、互いに認め合う男同士の勝負だったのだと理解させることで、一層惹き込んでくれる。
なお、クライマックスに於けるテリーとの最終決着は、絆の他に、銭形の刑事としての誇りと、ルパンの凄腕を同時に堪能できる美味しいシーン。

以上が本作の美点だが、では不味いのはどの部分か…それはストーリーと、キャラの扱いの差だと思えた。

本作の物語は、性質の悪い複雑さを持つものだった。
一味とシークレットセブンの対立がメインではあるが、そこにCIAを絡ませることで、物語に深みを出すというよりは、寧ろ焦点を暈してしまった感が強い。CIAが何故、問題に介入するのかを理解するまでには少々時間がかかるし、ザ・ロックの地下に築かれたパラダイスが崩壊するのも彼らの手によるものだというのは、無理やり彼らを組み込んでいる感じだ。本作にはプリミティブな少年漫画的面白さがあるのだから、下手に複雑化せず、ルパンの手でパラダイスを落とさせた方が良かったように思う。
それに、何故シークレットセブンがケネディ暗殺の証拠を欲しがってるのか、ルパンが金塊ではなく証拠を選んだのか…その動機が殆ど示されていないため、宝探しが何故ケネディ暗殺事件に繋がるのか不可解だし、最終局面に於ける展開に説得力がない。何時の間に化けたんだ、と思った。この強引な物語の運びは、本作の大きな難点。

キャラの扱いについては、上記の通り、ルパン、次元、銭形、テリーについてはよく描けていたように思う。
テリーは今回の悪役の親玉なのだが、知略に優れ貫禄もある、良く出来たボスだった。石田太郎さんの演技も出色。
しかし、彼を取り巻く人々に関しては、お世辞にも良かったとは言い難い。こちらもCIAとタイプは異なるが、やっとのことで無理やり組み込みました、といった感じだった。だからこそ、彼らの扱いは粗末そのもの。キャラは消耗品ではありません。
まぁ、スーザンは五右衛門をたぶらかしたということで、多少は物語に貢献していたが、状況的説得力も皆無だし、やられ方もテキトーに済ませたとしか思えないもので、結局は物語を良くしていたとは感じられないキャラだった。
「7人」に拘らないで、テリー、アンディ、スーザンの3人に絞った方が、一人一人を丁寧に描き込めるという意味で良かったのでは?

味方サイドに着目すると、不二子はいつも通りとして、五右衛門が守銭奴になっちゃうのは、アイディアとしては面白い。でも、それを上手く活かしてはいないような…だって、金塊奪取という目的があるにも関らず、五右衛門はそれに殆ど絡んでいないんだから。女に惑わされるためだけに出てきたようにさえ見える。
次元に比べて、この扱いの差は何なのだろう…

まぁ、メインヒロインがおらずとも愉しめることを「ある程度は」示してくれた作品と言えるが、丁寧な部分と粗末な部分に、大きな偏りを感じてしまう作品でもあるということで、自分の本作に対する評価は「普通」とさせていただきたい。

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