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読み仮名: ひぐま / 英語タイトル: Higuma

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2006/03/16 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by 634 評価履歴[良い:1403(50%) 普通:548(20%) 悪い:857(31%)] / プロバイダー: 20897 ホスト:21020 ブラウザー: 5234
ある意味、動物のスケールの違いこそあれ、日本版「あらいぐまラスカル」といえる作品かも知れない。
本作は主人公が育てたクマが大きくなったものの、野生を取り戻してどう猛になり、主人公の愛妻を殺して脱走してしまい、その敵討ちを主人公が果たそうというものでした。

本作はそんな動物に大事な者を奪われた者の悲しみと怒り、そして愛憎とやりきれない切なさが溢れています。人間と動物の埋められない溝と、動物と人は共存出来るのか?というテーマをシビアに描いていました。こういった重苦しいテーマは今尚、動物や自然を大事にしない人間社会と、人間の自然への考えが果たして正しいのかという部分を捉えていました。

最後で、結局羆は主人公に射殺され、主人公は妻の復讐を果たしました。しかし、羆は育ててくれた恩を忘れず、昔の気持ちで主人公に近づいてきたのでした。けれども、主人公は妻を殺された憎しみと怒りから射殺してしまいます。

こうして主人公は妻の仇討ちを果たしました。しかし、主人公は己の愛故に妻を殺し、そして羆も殺してしまったのだという事に気付き、愛というものが人や動物を幸福にするばかりではなく、こんな不幸まで生み出してしまったのだというのに果てしない虚無感と脱力感に襲われ、失意のうちに山を去ります。
愛が時に相手を傷つけてしまうと言う人間の業の哀しさがこの作品にはありました。

妻を愛していたが、愛する妻はクマに殺された。その愛妻を殺したにっくきクマは主人公に動物なりの愛情を持っていた、けれど、自然の中と、人間社会とのギャップに人間も熊も超える事は出来ませんでした。それは自然界に於ける動物と人間の一線を超えられなかった事と、愛故に苦しみあい、殺し合ってしまったというやりきれなさをシビアな視点で描いています。

こういったシビアさは他の動物作品にもあるし、ラスカルも原作版は射殺されてしまうので、動物と人間が自然界の中で本当に上手くやれるのか、そして、動物も人間も両者共に救われるのだろうかという部分が重く描かれています。

地元が地元だけに、本作のそういったヘビーなテーマと、羆への恐怖心と愛着、そして哀愁は今でも感じているし、羆に限らず、動物が人間界の中では生きられない、けれども、人間は動物が住む自然界を大事に出来ないという部分にやりきれないものがあります。

こういった動物文学は、自然保護や野生動物保護という観点からも、もっと評価されても良いのではないでしょうか。

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