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2006/02/25
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「戦艦 武蔵」と並ぶ吉村昭の最大の作品と言っていいでしょう。
4度も脱獄した最大の脱獄囚佐久間清太郎の姿を描いているこの作品は、非常にインパクトが強く、後の「網走番外地」などという映画のネタにも使われていますが、本作は小説だけに生々しいシーンが多く、日本の刑務所の当時の酷い事情と、戦前、戦中、戦後といった世界をその視点で捉えている事が注目点です。
本作の重厚でかつ、重々しい描写とタッチは混乱期の日本の姿が文面からも伝わるし、刑務所の事情と、高倉健の映画の様相よりも遥にシビアな様相だし、刑務所を通して、当時の日本と、獄に伏した人々の姿を伝えようとしている事が判りました。
こういった作品は今の映画や、刑務所の事情では創れそうにないし、また、難しい事だと思います。しかし、とかく、世間から見放されがちな刑務所という人間社会の構成の一つを描く意味でも本作は価値があるし、また、そうでなければ本作は名作にはならなかったと思います。
本作は刑務所を通した社会構造やストーリー、そしてそこにいた人々を描いているので、人間社会の矛盾点や複雑さ、そして哀しさなどが全編通して伝わってきます。
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