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藤田和日郎短編集 暁の歌
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読み仮名: ふじたかずろうたんぺんしゅうあかつきのうた / 英語タイトル: Fujita Kazuhiro-Collection Of Short Stories. Akatsukinouta
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2007/12/21
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古代米ダブル
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藤田和日郎先生の短編漫画集第2段ですね。
実は、この作品を手に入れたのは比較的最近で、古本屋を巡ってやっと最近手に入れた作品です(まぁ、友人のものを読んだことはありましたが……)。なかなか置いてないんですよね、この漫画……
ここでも個々に収録された話について触れていきます。
『瞬撃の虚空』
藤田先生が初めて青年誌(ヤングサンデー)に掲載した漫画です(『邪眼は月輪に飛ぶ』では無いんですよね)。核ミサイル発射を阻止するために、淳一とそのじいさんが「モーメントアタッカー計画」によって生み出されたレーベンフック少佐と戦う話です。
この短編集にあるなかでは、最も藤田先生らしい作品だと思います。今の無気力な若者を投影したようなキャラクターの淳一が、この戦いで成長していきます。じいさんの「本当に……戦うというのは――日々を生きてゆくことだ――退屈と戦うことだ。働き学ぶことだ。」という台詞は、淳一みたいな若者に呼びかける藤田先生からのメッセージでしょう。
柳生心眼流柔術を取り入れたスピーディーな戦闘シーンも含め、実にいい話だと思いました。それにしてこのじいさん、圧倒的な強さですね。藤田作品には、なんでこう強くてかっこいいおじいちゃんが多いんでしょう……
『空に羽が…』
なんと、藤田先生がファンタジーものとは……いわゆる「剣と魔法」の世界で、虫目という青年とゾナハ(病名ではありません)という少女の物語です。
この作品はなんていうか……試作品って感じですね。とはいえ、藤田先生の作品の幅の広さがうかがえます。英雄ではない英雄の話といった感じで、人々に侮蔑されながらも命をかけて戦う虫目の姿が感動的でした。
設定の割にはあっさりしすぎな感がありますが、これはこれで楽しめる作品ですね。あと、「天の火」のモデルは『天空の城ラピュタ』でしょうか?
『ゲメル宇宙武器店』
宇宙怪獣ツアトーグアを倒し地球の平和を守るため、宇宙武器商人のゲメルと地球人のコースケが戦う話です。
なんていうか……実に荒唐無稽な話ですね。『うしおととら』の白面の者ですら凌駕するであろう敵に、地球さえ余裕で破壊できるヘンテコな武器など、豪快でハチャメチャな設定が印象的です。ネーミングの面白さや高いテンションなど、まさに短編ならではの作品だと思いました。
また、河合克敏先生や村枝賢一先生といった方がこの作品の協力をしているのも特筆すべき点でしょう。
『美食王(ガストキング)の到着』
2003年最高傑作読切と評されたこの作品。道楽で人々から食を奪っているガリグール国の王に復讐するため、毒娘となったイーズーンの話です。
とにかくこの作品は美食王が素晴らしいですね。マヌケな顔して粋なことを言います。「人が泣いてる横で食べるごはんはおいしくない。」はまさに名言ですね。ごはんは食べて喜ぶことに意味があり、材料や料理を作った人に対する敬意が大切です。それを分からず魔包丁で人ですら食っていたガリグール王は、結局自分の道楽で自滅しました。最後の締めもいい感じです。
『からくりサーカス』からのゲスト出演もありましたし、普通に面白かったですね。そういえば、魔包丁の「白包丁」と「黒包丁」は、『仮面ライダーカブト』にも出てきたような気が……
総評ですが、前短編集『夜の歌』に比べて実験的要素が強いと思いました。しかし、常に新たなジャンルに挑戦しようとする藤田先生の情熱には頭が下がりますね。個人的には『瞬撃の虚空』が一番良かったかと思いますが、他の作品も面白くて良かったです。
評価は「とても良い」としておきます。藤田先生のファンなら是非どうぞ。
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