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読み仮名: どらえもん のびたのうちゅうかいたくし / 英語タイトル: Doraemon: Nobita's reclamation of universe (Doraemon: Nobita no Utyuu Kaitakusi)
2007/03/20 普通 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:175(40%) 普通:71(16%) 悪い:187(43%)] / プロバイダー: 5029 ホスト:4760 ブラウザー: 7395
この作品は、完成度云々以前に「踏み絵」の要素が強いように思う。つまり、一視聴者としてドラ映画に何を求めてるかが、見ることで大体顕在化される作品だろうということだ。それほど、この作品はドラ映画というフィールドにおいては異質なのである。ドラ映画2作目であるこの作品に、「立ち位置」どうこうの話は無粋かも知れないが、自分の意見を述べる上では必要なので、なにとぞご了承を。
どの辺が異質かと言うと、早い話が「ドラのびしか活躍しない」という、どちらかと言えば短編的なキャラの動き。
そのため、「普段どおり」ドラのびはじめレギュラーメンバー全員の活躍を望んだ場合、この作品はかなりの駄作と映ることだろう。実際、作中のジャイアンとスネ夫は相当意地悪だし、普段は(長編でも)優しく仲裁する役回りの静香さえも、どこかドラのびを冷たくあしらっている印象がある。このような言動は、「性格が変わる」とされている(ジャイアンは優しくなる、スネ夫は臆病になる)普段の長編の彼らとは大きく隔たっていて、むしろ普段の短編を連想させるものだ。また、本作の中では、彼らの扱いがぞんざい。静香さえも只管憎まれ役に徹し、ラストでちょこっと加勢するに過ぎない。いくら何でも、これは普段の長編を見てる者からすると、寂しすぎだ。この辺に違和感を抱いた場合、印象が一気に悪くなると思う。
これに対する自分の意見としては、作品を完成させるために敢て彼らを憎まれ役にしたのではないか、というもの。
作中では、地球人のダメ少年としてののび太と、コーヤコーヤ星のスーパーマンとしてののび太、両方を描いているが、両者の明暗のギャップが激しいほど、明の部分、即ちスーパーマンのび太のかっこよさが引き立つ。そのためには、当然ながら暗の部分をシビアに描く必要がある。だからこそ、周囲の人物にいびられ、失敗を繰り返させることで、スーパーマンらしからぬダメ加減を強調し、地球人のび太の立場をできるだけ悪くしていたのだろう。
こう考えると、本作はまさにのび太のための物語であり、彼以外の登場人物は全て脇役としてしか機能していないとさえ感じられる。脇役なのだから、憎まれ役になっても扱いがぞんざいでも文句は言えまい(敢て好感度を落としている節さえあるように思えてならない)。要するに引き立て役でしかないのだから。ゲストキャラであるロップル・クレム(この娘はカワイイ)の活躍がややパンチ不足なのも、のび太のための物語ではゲストの重要性などさほど高くないからだろう。
ここで、「本作はそういう作品なんだ」と割り切れるかどうかが試される。自分が本作をして「踏み絵」というのは、こういうことだ。
では、自分はこの作品に関してどういった感想を抱いているのか…
コンセプト自体は、まあアリかと。時代を考えてもドラ映画の方向性を模索していたのだろうと思えるし、この特殊性が面白いと感じられないでもない。内容も、普段とは違ったのび太に見(魅)せられることに感動を覚えたことも記憶している。別れによるカタルシスも、コーヤコーヤ星での交流が丁寧に描かれていたため、かなり大きいと思えた(主題歌と相まってなかなか感動的)。勿論、レギュラーの活躍が殆どゼロなのは寂しかったが。
しかし、のび太のための物語であるにも関わらず、ギラーミンとの決着をあのようにつけるのは、皆さんと同じく納得できない。まったく、何のためのスーパーマンなんだか…主人公がヒーローとなって活躍する物語だったら、大ボスとの決着でこそ、主人公が超人性を発揮するから輝くというのに!! これでかなり作品が中途半端になったように感じる。作りは人を選ぶ面が強いものの、自分はそれなりに気に入っているだけに、このシーンは非常に痛い。
かなり感想に個人差のある作品ではあると思うが、だからこそ本作はドラ映画の中で最も価値があるとも言えるかも知れない。傑作としてではなく、リトマス試験紙として。それには内容が作り込まれていないと文字通り話にならないが、その点は及第点。「改悪」だけは余計だが。
個人的には、この作品を「良い・悪い」の範疇に括るのはちょっと乱暴な気がしないでもないので、「普通」評価とさせていただきたい。
*以前とは意見が大きく変わったため、全文改稿致しました。
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