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ドラえもん のび太と竜の騎士
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読み仮名: どらえもん のびたとりゅうのきし / 英語タイトル: Doraemon Nobita and Dragon Knights
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2006/09/16
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HUNGRY SPIDER
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本作を持って、ドラの凋落が始まったと言われている。それは前作「鉄人兵団(俺は嫌いだけど)」の人気とインパクトが大きいこと、本作自体があまり派手な話ではないことが理由に挙げられると思う。確かに黄金期と言われる作品群は総じて派手であり、その中に本作を置くと、目立たない。
さて、本作が目立たない理由は何か?
やはり第一に挙げられるのは皆さんの仰るとおり「悪役が存在しない」ことだろう。これは悪役好きの俺としても痛い。ドラ映画の醍醐味の一つは敵との戦闘であり、彼らの力量と存在感によっては物語にかなりの面白みや迫力などを持たせているのだから。つまり、悪役とはゲストキャラと同じほど重要な役付けと考えて間違いない。その出演がない本作のハンデは確かに大きい。
それに、本作の舞台たる「地底世界」、それが多奈川の底と繋がった世界であるという設定。とてもワクワクするものだが、その反面実はドラたちの行動範囲を「ご近所」に限定しており、かなり地味に感じさせてしまっている印象が強い。もっとも後の展開では一気に物語が広がるが、掴みとしてはやや動きが小さいだろうか。それに地底探検も、「海底奇岩城」「宇宙小戦争」にあった緊迫感が薄い、あっさりした冒険だと思える。これは、「宇宙開拓史」にも言えることだろう。
ただ俺としては、本作は確かに派手ではないけれど、ドラの黄金期が終焉を迎えたような程度の低い作品とは思えない。いや、むしろ本作こそ黄金期の最後を飾る作品だと思っている。
まず何よりも、ストーリー性が高得点。その伏線の妙技は「魔界大冒険」に唯一比肩しうる秀逸なものだ。ドラ一行が絶望的なピンチに陥るわけではないが、その分SF的な謎解き〜恐竜人の歴史を追う〜が実に丁寧に書き込まれており、それを探る展開は十分胸が躍る。そして謎が全て解け、話が一本の線に繋がったラストの爽快感は、特筆すべきものがある。何ともワクワクするじゃないか、近所の川から異世界へ、そこから世界を変えた世紀の謎に迫るなんて。確かに「冒険してる」気はあまりせず、迫力で他の作品に劣るけど、この切れのいい物語の展開とスケールの大きさはそれを立派に補っている。地底人の生活の様子も、他の作品にはないほど科学的な裏づけがあり、それを観察するのも面白い。
本作の特徴的な面は、冒頭でも述べた「悪役がいない」こと、より正確に言えば「悪役(?)とゲストが同一人物である」ことだ。個人的に、この設定は残念には思えるが、作品の質を落としているとは思えない。むしろ、余計な悪意を抱いていない分、本作最大の売りである物語がスリム化され、伏線収集の爽快感をより高めることに成功しているのではないか。恐竜人が「雲の王国」に出てきた天上人に比べて物分りのいい種族なのも、物語の展開を最も重視して作られていることの証拠になる。
確かに、考えようによってはタイムパラドックスを応用して世界征服を企む悪役を「時の船」に乗せてもよかったかも知れないが、そうすると返って話の質を落とすように感じる。展開からして悪役を出したところで、せいぜい「雲の王国」に出てくるようなみみっちい小悪党で終わるだろうし。こう考えると、ヘタに「悪役」に拘るよりも、そんなものを登場させない方がずっと潔い。少なくとも本作のような作りの作品に関しては。
ただ、その悪役兼ゲストであるバンホウの存在が大きすぎて、彼の妹・ローの存在感が薄くなったか。
なお、俺は本作の「○×占い」という秘密道具が好きである。アニメ版での動きは笑える。
アニメ版で言えば、スネ夫が持っていたビデオカメラの動きが恐怖感を煽っていて、凝った演出だと感じ入る。
俺もドラ映画に派手さを求めている節があるのか、やや不満な点も残るが、基本的にはよくできた作品だと思う。迫力をある程度犠牲にしてでも、ストーリーの質向上に努めたその姿勢を高く買いたい。評価は「とても良い」寄りの「良い」。
ところで、主題歌の「友達だから」は一見明るい曲だが、よく聴くと別れの寂しさを歌った哀愁溢れる歌詞だと気付かされる。ちなみにこの曲は映画ドラえもんズ(の、何だったっけかなあ…)で、山野さと子さんも歌っている。
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