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2005/03/05
とても良い
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by
クラウル
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「ARIA」、「浪漫倶楽部」の作者である天野こずえ先生による二つ目の連載作品。
ひらたく言えば高校生を主人公にした異能力バトルものなのですが、決してそれだけではないのがポイント。特にそれが分かりやすく現れているのが、一巻収録分のうち第一話〜第四話にかけてのエピソード。不確定な"未来"を怖れて現在に留まる事を望む少女、杉崎瞳を単発ヒロインに据えたエピソード。十代の微妙な時期における不安や悩み、或いは人間の持っている負の感情をざっくり切り出して物語に絡めるやり方が非常に印象的で、ただただドカドカと戦っているだけのバトルコミックとは一線を画するほどの面白さがあります。
特にこのあたりのエピソードを読んでいた頃はリアルで高校生だったので、何かと印象深かったですね。
絵も綺麗だし、台詞も印象的なものが多いし、特に初期のエピソードなどは読んでいて安定感があります。
ただ、バトルや伏線の謎解きが多くなるにつれ、その良さがちょっとずつなくなっていった感があるのが残念。
おまけに、単純なバトルコミックとしてはあまり良い出来とは言えず、絵こそ綺麗に纏まっているものの、敵サイドのパワーインフレがあまりに凄まじく、登場キャラの殆どが役立たずになっているという始末。連載そのものは『第一部完』という形で終了しているのですが、第二部が続いたとしても、パワーインフレの補正ができずにバランスが破綻した可能性が多大です。
また、微妙に同人風味があったり、凛が拓に対して持っていたらしい仄かな恋愛感情が最後の方になって忘れられているように見えるのも当時の自分にはちょっと痛かった(今でも少し痛いなぁ)。
元々、『浪漫倶楽部』のような作風がベースの作者さんなので、バトルが主体になるときつかったのかな、と思っています。
なお、天野先生の作風そのものは「浪漫倶楽部」とこの連載を経て、三つ目の連載作品である『AQUA』(掲載紙移転後、『ARIA』に改題)で完成した感があります。
総じて、評価は『良い』に限りなく近い『とても良い』。
最後辺りの流れなんかはちょっとどうかと思うところもあるのですが、好きなエピソードが数多いのと、やはり、当時大好きだった作品なので甘めの評価をつけました。
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