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ナイロビの蜂


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読み仮名: ないろびのはち / 英語タイトル: Bee of Nairobi

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2008/04/16 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by 古典主義 評価履歴[良い:405(42%) 普通:229(24%) 悪い:330(34%)] / プロバイダー: 19495 ホスト:19617 ブラウザー: 5234
【良い点】
往年のスパイ小説大家、ジョン・ル・カレ原作のサスペンスを
フェルナンド・メイレレス監督が映画化。
という大層な来歴を全く知らずに見始めたが、手持ちデジカムで
撮ったようなカメラが演出する緊迫感に引き込まれる。
テーマは重く込み入った展開で、大国と多国籍業が利益の為に
使い捨てるアフリカの人命と、その非道ぶりが描かれる。
視聴者は目を背けず集中する事が要求されるが、鮮やかなアフリカの
風景と裏腹に展開される、残虐で酷薄な人間ドラマは、ノレれば
釘付け間違い無しの傑作サスペンスだ。
さらに本作が優れているのは、告発系社会派作品としてだけで無く、
裏切りの連鎖の中で、主人公が妻への猜疑に搖れつつも信じたいと、
最期まで葛藤する姿が共感を呼ぶ点だろう。この点における監督の
意図を読み違えると、かなり評価を落とす観客も多そうな・・・

【悪い点】
と言って良いか微妙だが、とにかく重くて厳しい話だ。
普通のラブロマンスを期待したり、主人公の心情を理解できないと、
命の危険を顧みず(妻の思いに反してさえ)、陰謀に食い下がる
主人公の言動にはリアリティを感じないだろう。また、黒すぎる
内容を受け付けない視聴者も少なくないだろう。

【総合評価】
次々に顕になる裏切りと陰謀の連鎖、悪夢のような現実と無力感に
苛まれる展開は、何も考えずに見ることを許さない。資本主義の暗黒面を
えぐる内容は、そうした視点の無い観客には衝撃だろうが、目を逸らす
べきでない。資源ナショナリズム、どころか人命さえ利益の為、湯水の
如く「消費」していく「消費側」の我々は、少なくとも知る義務がある。
また、個人的には、本作の「重厚な社会派」あるいは「愛の物語」と
評される部分は勿論として、主人公の葛藤を通して、他者理解の難しさ、
その切望に共感を覚えた。人はそれを「愛」と呼ぶのかも知れないが。
「とても良い+」。

※余談だが、ル・カレ作品は翻訳に恵まれていない気がする。
大抵、とても読みにくい、美しくない日本語の羅列にウンザリする。
もう少し何とかならないものだろうか。

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