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美女と野獣


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読み仮名: びじょとやじゅう / 英語タイトル: BEAUTY AND THE BEAST
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ゲーム:美女と野獣 / ドラマ:美女と野獣

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2007/03/19 悪い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:173(41%) 普通:69(16%) 悪い:182(43%)] / プロバイダー: 5251 ホスト:4994 ブラウザー: 7395
少々この評価は厳しすぎる気がするが…
これは、本作が最近のディズニー作品の中で高水準にあり、興行収入と完成度が比例したことを認めた上での悪評であることを、予めお断りしておきたい。

正直、この作品はかなり上出来だと思う。
外見的にも対外的にも恵まれていたが故に、傲慢になってしまった王子が「野獣」にされる。その野獣はとても醜く、見るものを恐怖させるが、一人の美女の澄んだ魂が、徐々に彼を導き、その醜さを剥ぎ取っていく。自分はこの物語に目をつけ、ディズニーというフィールドで作品化したこと自体、とても価値があることだと思っている。御伽噺によくある美形礼賛―白雪姫やシンデレラにも言えることだが、恋愛描写の対象になるキャラが外見的に美しければ、それが全ての免罪符になってると言わんばかりの作風や物語の運び―に、一石を投じるアンチテーゼとしての役割を果たしていたと思うからだ。醜くても誠意と信頼を持って接すれば、人を愛したり、愛されたりすることができるのだよと、光を与えてくれる数少ない御伽噺こそ、この「美女と野獣」だったとさえ感じている。しかも、作中で描かれた野獣の表情の変遷、これが非常に丁寧で秀逸だった。最初はまさに文字通りの恐ろしい風貌を纏っていた野獣だが、ベルと関わるにつれ、段々愛らしい容貌になっている。これは物語と演出力、両方がハイレベルであってこそ可能なことだろう。
また、王子の変身前を髣髴とさせる敵役のガストンだが、彼もまた「外見は悪くても中身が綺麗な野獣」と「内面が歪んだ美男子(?)」を対比させる意味で、非常に有効に働いていた。まあ、個人的にはあまりかっこいいと思えないのだがね(苦笑)。所詮はチンピラだし(爆)。それはともかく、彼の傲慢な性質によって、野獣が引き立っていたことは確かだ。特に終盤の戦いでは、欲に塗れたガストンの醜さと、ベルを守りたいがために決死の覚悟で闘う野獣の崇高さが、非常な見応えを齎していた。この戦いは、ディズニー作品の中では最高の名勝負と呼んでも差支えがないものだとさえ思う。雷によってガストンの顔が照らし出されるなど、演出も見事だし、音楽の臨場感も一級品だ。これは作品全体を通しても言えることだが。

しかしだ。上記の通り終盤まで素晴らしい物語運びをしていたのだが…悲しいかな、最後の最後でその素晴らしさが木端微塵に粉砕される思いがした。
何故、どうして、野獣がもとの美しい王子様の姿に戻ってしまうんだ!!!!!
このラストで、本作の持つ「御伽噺へのアンチテーゼ」、即ち見た目よりも中身の大切さを美しく謳い上げた作風の独自性と、そのテーマの完成度を崩壊させてしまったように思えてならない。「やっぱり顔ですか」と感じられて悲しかった。ベルは最終的に王子様と結ばれるのだが、作風を徹底させる意味では「野獣のままの」王子と結婚させるべきだと思うし、事実そうしても物語的には何ら支障はなかっただろうに!! ベルだって、野獣に対して「愛してる」と言ったんだから。
ここまで語ると、ベルは告白した時、外見という境界線を越えたのだから、彼が王子だろうと野獣だろうと問題はない、と言われそうだ。その通り。上にも書いたが自分も「物語的に支障はない」と思っている。しかし、ベルの内面的な問題とは別に、「物語の最後はやっぱり美しくないと」とでも製作陣が考えていそうな、安易な(そう言わせていただきます)終わり方が嫌だった。確かに万人受けに近付くためには正解だったのかも知れないが、自分はその終わり方のお陰で、作品が「御伽噺と一線を画す御伽噺」から「ただの御伽噺」に格下げされたように感じられたからだ。
また、見方を変えればあのシーンは「中身が美しければ、見た目も自然と美しくなる」という言葉が含まれていると思えなくもない。でも、終盤の野獣は人間にならずとも、精悍で凛々しい表情をしていたことを忘れないでほしかった。あのかっこよさは、野獣の姿だからこそ体現できたと感じるから。スタッフの皆さんも、それを体現できた自分たちの力量を、もっと貫いても良かったのに…

結局、自分はあの魔法が解けるラストで、この作品も所詮は顔がモノを言う御伽噺(ディズニー版白雪姫なんかと大差ない作品)でしかないと感じて、大いに失望してしまった次第。ラストに至るまでは文句の付け所が殆どないほど良かっただけに、尚更悲しく感じる。評価は「悪い」。ただ、野獣が倒れるところまでは「とても良い」の上位クラスだと思っている。
「終わりよければ全てよし」…昔から言われてきたことだけど、逆も然りだと痛感させられた。どれほど作り込まれて完成度が高められていても、最後で失望させられると一気に印象が失墜するものだということを、この「名作」に教えられた気がする。

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