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装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端
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読み仮名: そうこうきへいぼとむず かくやくたるいたん / 英語タイトル: Armored Trooper Votoms: -The Brilliant Heretic- (Soukou Kihei Votoms: Kakuyaku taru Itan -OVA Series-)
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2006/09/21
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「黄金の脳髄が脈動する!」
「我が求むべきは只一つ」
「メルトダウン、始まる!」
「ああ、まさにその名の如くに!」
本作の銀河万丈のナレーターです。TVシリーズでも独自の言い回しと作風なのでこれだけは世界観にマッチしていた感じです。
「メロウリンク」の頃はキーク役の大塚明夫がナレーションだったのですが、やはりボトムズのナレーションと洒落っ気とお遊びが随所に見られる特有の予告は銀河万丈でなければイメージも感触も無かったように思えます。
本作のキリコはアレギウムという自分の存在を恐れ、敵視していた銀河を影で支配してきた相手と戦ったのですが、異能者たる所以か、そのアレギウムを最終的には壊滅的状況に追いやってしまったという事になり、"触れ得ざる者"というイメージを出しました。
この部分は「野望のルーツ」での「絶対に死なない人間」とされた部分にも通じるし、本作のコンプラント落下に伴う大爆発でもものの数日で回復してしまった事に「無理が有りすぎるよ・・・」と思っても、「キリコだから・・・」という部分があります。テイタニアによってATを破壊され、外に引きずり出されても、それでも意識を失いながらもしっかりと補助脳を破壊してしまうところにキリコが異能者ではなく、キリコたるという部分が出ています。
ある意味、キリコ・キュービーという言葉はボトムズ世界では、異能者という言葉よりも重く、絶大な響きを持っていると思うし、触れ得ざる者という言葉は異能者よりもキリコという部分に付きそうなイメージです。だからこそ、キリコがキリコであり、異能者という言葉を超えているようにも思えます(何せ、異能者である神ワイズマンを滅ぼしたのだし。)。触れ得ざる者という言葉はどこか怪物的ですが、その怪物に手を出してしまったという部分にワイズマンもマーティアルもしっぺ返しというにはあまりにも重い仕打ちを受けたといえます。
その為にキリコは神格化されたイメージがあるのですが、それでもキリコ・キュービーはキリコ・キュービーその人である事に変わりはないし、あの冷たく、クールな視線の中の想いと、人間社会からはみ出ざるを得なかったような性格とイメージと人間性がなんとも魅力的にさせてくれます。
それは人間キリコという部分が大きいし、キリコではなく、異能者という言葉が後半に出てきても、キリコという言葉の重みとインパクトが超えられなかったといえそうだし、その為にワイズマンにしても、マーティアルにしてもキリコに倒されざるを得なかったというムードを与えてくれます。
そんなキリコなのですが、ラストシーンの「行かなければ・・・ならないんだ!」という言葉にはフィアナを失った悲しみの他にも、異能者である部分を受け容れているところ、そしてその中で尚もあがき続けているような部分もありそうです。
TVの34話で「いっそ、おれが機械でなければ、苦しまなくて済むのかも知れない。ただの人間であり続けるが故におれはこの地獄で戦い続け、自分を呪い続けている」という言葉とは違う意味で「おれは異能者、しかし、人間キリコだから・・・」という心情を出していると思えます。
キリコが人間であり続ける部分は、この部分だといえるし、そしてアレギウムに入らないというのもキリコの異能者としての力ではなく、人間としての誇りと心情という部分が出ているようだからです。
人間を超えた存在(TVでイプシロンがPSの事をそういっていたが、そのイプシロンがキリコに勝てなかったのもキリコが異能者というよりは、人間だったといえそう)でありながら、ただの人間である事に縋り、拘り続け、尚も世界をさすらうキリコの姿は複雑なキリコのキャラクター像と世界を映し出しているといえるでしょう。
キリコの旅、その終焉は何処に行く事になるのか?今度の新作で明らかになるのか気に掛かるところです。
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