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3年奇面組


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読み仮名: さんねんきめんぐみ / 英語タイトル: 3nen Kinengumi

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[獲得推薦数:1] 2007/04/10 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by HUNGRY SPIDER 評価履歴[良い:176(40%) 普通:72(16%) 悪い:189(43%)] / プロバイダー: 14019 ホスト:14288 ブラウザー: 7395
出た、最強の変態作品!!
…いえいえ、これは立派な褒め言葉ですよ(笑)。この作品を語る上では、どーしても言ってみたかったこともあるんで…そんな風に言わずにはいられなくなるほど、この作品で展開される珍走(「暴走」よかこっちの方が的確だろう)は面白い。かなり古い作品であるにも関わらずだ。何故?
それは、この作品における笑いの取り方が、かなり特徴的だからだろう。皆さんも仰る通り、下ネタに殆ど頼ってないのでそちらの方に拒絶反応を覚える人も安心して読める、というのもある(自分もこのポイントは好印象)のだが、それよりも注目したいのは、一般的な「ボケ→ツッコミ」の流れが弱く、「ボケ→ボケ→ボケ」といった感じで笑いを取っていることだ。正確には、ツッコミも結構あるのだが、いかんせんキャラの強烈な容姿と珍妙な行動と相まって、ボケのインパクトが非常に強くなっているので、そちらの印象ばかりが先行し、ツッコミの影が薄くなっている。これは、本作が暴走系のギャグ漫画であることから考えると、歓迎すべきことだと思っている。絵(上記の容姿や行動に相当)でいかに笑いを取れるかは、暴走系における一つの究極とも言えると考えるからだ。その観点からすると、本作は未だ持って輝きを失っていないと実感させられる。

しかし、絵を珍妙にすれば笑えるかと言われれば、そうではない。珍妙な絵で笑いを取れるためには、キャラや世界観の完成度の高さが必須条件なのは言うまでもない。その点を考えても、この作品の作り込みは瞠目。奇面組と河川唯、宇留千絵といったレギュラーをはじめ、担任や名物集団などのサブも、性格や立ち位置がしっかり定まっており、それが壊れることがない(ひまわり・ちゅーりっぷなど「脇の脇」も、いい味出してましたね)。もっとも、奇面組だけは別の意味で元々「壊れて」いる感じもするが…しかし、その壊れ方をプラスに作用させるためには、壊れキャラの受け皿(ツッコミ?)となる周囲がいかに確立しているかも大切。それによって彼らの暴走を一層引き立てられるからだ。更に言えば、キャラが多いことも特長。奇面組の暴走は本当の意味で「奇想天外」であるため、出来る限り多くの方向にキャッチャーがいる方が、作品の幅が広まる(奇面組の暴走の自由度が高まる)からだ。それにしても、これほどの質・量のキャラを見事に動かしてみせた新沢先生の実力は、凄いモノがあったんだろうな…奇面組のボケを更なる高い次元に押し上げる唯や腕組などのボケキャラ、我々の視点に近い現実的な性格の千絵や伊狩先生などのツッコミキャラ、両方とも恐るべきバラエティ。前者のため作品の破壊力が一層増し、後者のお陰で安心感(共感?)が生まれる。みんなを愛おしく感じる造形センスや、彼らの確立度の高さもそうだが、自分はこの豊か過ぎるバラエティを最も高く買いたい。
そして、彼らによって紡ぎだされる世界観の濃さ!! キャラが非常にバラエティに富んでいるため、「何でもあり」を受け入れるだけの度量が実現している。つまり、本作には作品の鼻つまみとでも形容できそうな「浮き」というものが、殆ど見当たらないのだ。言い換えれば、これほど無茶とさえ言える珍走を展開しているにも関わらず、ムダが殆どない。これもまた、考えてみれば凄いこと。要するに何をやっても立派なネタになってしまう万能性を実現しているのだから(これも、安心して読める大きな理由)。知識に乏しい自分が言うのも何だが、ここまでネタに対して万能な作品は、本シリーズと「ギャグマンガ日和」くらいのものだろう。

そんな本作を支えるポリシーと言うべき「個性」…自分はこれに対して、「笑いあり涙あり」の言葉を捧げたい。笑いはわかるが何で「涙」もあるのかって?…不覚にも零ちゃんの台詞で感動してしまったからだ。「世の中の歯車となるより世の中を味付けする調味料になろうではないか!」。これはすごくいい台詞だ。豪くんたちが零ちゃんを慕ってるのもよくわかる。そして自分は、この台詞から作者の本作に対する「意気込み」みたいなものを感じられたのが嬉しい。恐らく、本作は大作路線や万人受けなど、狙っていなかった。ただ自らの作品を通して、この世知辛い世の中を生きる読者の生活に、少しであっても刺激と潤いを与えられればそれでいい。それこそ自分の作品が皆さんの「調味料」になってくれるよう…そんな想いで本作が描かれたのだとしたら、零ちゃんのあの台詞こそ、作者の願いだったのではないかな…この気概こそ、真のプロ魂。一見ふざけてるようにも思えるこの作品がこんなに愛されてるのは、そんな魂が根底に流れていたからだったと、俺は思いたいな。自分が感動したのも、作品に込められた作者の想いが強いものだったからなのかも知れない。

そんな素晴らしい完成度を誇る本作だが…欠点もある。それは、いかんせん台詞(説明)が多すぎて読後に疲れを催すこと。特にバスケットボールのシリーズ第一回目などは説明文にしか見えず苛々した。そしてシリーズものの遅すぎる展開。それは、本作はギャグ漫画なのだから、売りとなるギャグを至る所に挿入している努力は買えるし、そのギャグ自体の質も高いのだが、残念ながら「もっと見たい」と思えたことはなく、むしろ回を重ねるごとに「早く日常に戻ってよ」との思いが強くなっていった。シリーズ自体、ギャグとして調理できる素材が限られている感があり、その制約の中であれほど豊富なギャグを飛ばしてくれたことは凄いと思うが、やはりどうしてもダレが隠せない感が強い。言い換えれば、シリーズものではいつもダラダラした印象を抱いてしまった。あと、日常のなんでもあり感が弱いからね。

以上、欠点を無視できないので「最高!」解禁まではいかないけど、「とても良い」は当然の作品だろう、と素直に感じられるような、レベルの高い作品だった。旧き良き、愛おしき変態たちの活躍(?)は、現代にあっても(現代だからこそ?)なお輝きを放つことだろう。
2007/04/10 楽しい作風の中にある作者の確固としたプロとしての誇りと信念…。それを余すところなく指摘されていると思います。また、シリーズ物の展開が遅いといった「ハイスクール」や「フラッシュ」での特徴も、同じ奇面組ファンとして考えさせられました。 by 破壊大帝

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